世の中モンハンしかなかったみたいになってるけど、"モンハンパクリ"もどれも良いゲームだった。中古安いし。
モンスターハンターを代表とする狩ゲー業界。他の類似タイトルはもう数年ナンバリングが続いてなくて久しいが、どれもこれも100時間やってる小生としては、いや他のも良いゲームでしたよ。としか言いようがない。
本稿では、その想いを切々と語ってみる。
狩ゲー登場
2004年モンスターハンター(以下MH)が登場する。小生はこの時代を知らない。しかし世界観は知っている。
ここで言うモンスターはどちらかと言えば獣枠であり、プレイヤー群はそれを狩猟することで生活の糧を得る。原始時代ロールプレイとも解釈できなくもない。
YouTubeに残っている動画などを見ると 2007年発売のモンスターハンター2あたりまではモンスターモーションがかなりモーションがカクカクしてたように見える。
小生が本格的にMHに接するのは 2009年発売 任天堂Wii版のモンスターハンタートライからである。小生は Wiiを所持しており、中古が安かったからだ。
このころになると、モンスターのモーションもかなり熟れていており、生物的な違和感はほとんどなくなった。これでよくもわるくも、モンスター側への感情移入を誘うことにはなる。「必死に逃げる様が可哀想」と言い出す輩すらで始めた。いや?ゲームだよ?
小生はウッカリwii版triを買ってしまったが、当時の出稼ぎで勤務先の若い連中がMHをやっていたことに影響受けたことが原因である。 彼らが職場でやっていたのは、PSPプレイステーションポータブル版のモンスターハンター3rdポータブルであった。
当時のSONY主力ハードとしてのPS2はネットワークをサポートしておらずPSPでの協力プレイは現実的な解であったといえる。 また従業員がゲーム機を気軽に職場に持ち込めるという点でも魅力的であったといえよう。
MHシリーズのオトモは、マルチプレイへのチュートリアルだと小生は解釈している。でなければ意図的にデチューンしたサポートNPCを用意する意味がわからない。
MH-triの水中線は非常に画期的なものであったが、360度戦闘は非常に評判が悪かった。 MH3では海そのものの廃止。 MH-4以降では、2階建ステージ構成&ジャンプによる代替が加わった。
GEの登場
小生はよりPSPに限って言えば、同時期に出ていた 2010年 ゴッドイーター(以下GE)を最も最初に始めていた。
ゴッドイーターは当初からNPCによる協力プレイを実装しており、小生にとっては、モンハンシリーズより遥かに進んでるように見えた。
しかし残念なことに当時はクリアできなかった。
GEでのモンスターは、人間とは明確に別起源の生命体として定義されており、強いて言えば、エヴァンゲリオンの使徒枠と言うほうが誤解が少ないかもしれない。 荒神==アラガミと呼ぶのもそういう意図があってのことだ。
GEの特徴として、最初期からステージが全てシームレスに繋がっており、また広大とも言えないステージだったため、このためアラガミ同士の合流が非常に頻繁に発生していた。
このためフィールドに点在する建物自体や小部屋に誘い込んで、すくなくとも視界を切る必要が、基本テクニックとしてあげられる。
しかし、NPCには割と明確な個性があり、討伐対象から距離を離したがる奴もいるので、勝手に離れて勝手に他のモンスターにも発覚して、しかも連れてきてしまうのであった。端的にいえば足をひっぱられる。小生はこれでかなり苦労させられることになり、しばらく詰んでおくことになる。
シナリオ追加の続編かつアップデート版の、バーストでNPCへの指示ができるようになったため、かなり柔軟な戦闘が可能になったが、GEシリーズが完全版商法と揶揄される原因にもなった。
いやMHも、G級商法とは言われてるんだけどね。
ちなみに本作のNPCは、初心者チュートリアルの目的があると小生は解釈している。NPCはあらゆる意味でプレイヤーと同じ性能を持ち、概ね模範的なプレイをする。慣れてないうちはプレイヤーのダメージも増えてくるため、ダウン時の蘇生、設置式回復アイテム等も見せてくれることになる。
仮に初見のアラガミであっても、NPCはかなり早くからガードを構えるので、プレイヤーは「ああ、ガードが必要なのね」と用心ができる。
事実、ある程度の達人プレイヤーになると、大抵はソロ高難度プレイにたどり着く。ヘイト維持が面倒臭くなるのだろう。
GE2、GE2RBと続くが、基本的には、プレイヤー側の攻撃バリエーションの強化となる。
ブラッドアーツによる恒久的な攻撃力増加。ジャストガードによる被ダメージの超越。ブラッドレイジによるゴリ押し。空中捕食を含む捕食バリエーションの追加、があげられる。
討鬼伝の登場
2013年にコーエーテクモから討鬼伝が登場する。
当時としてのMHとGEの明確な課題は、モンスターの残り体力が不明なこと。そしてプレイヤー側に一発逆転要素がないことがあげられる。
MHの場合は、睡眠爆破や、怯み計算等の作戦があったが、これらを一発逆転というには語弊があるだろう。
GEの場合は、バーストやバレット開発があった。これらはクリア時間の短縮に大きく貢献したが、これも一発逆転とは言い難い。
討鬼伝は、これらに一石を投じた。小生はそう考えている。
討鬼伝の特徴は鬼の目によるモンスター体力の視覚化および、部位破壊による視覚的および明確な弱体化である。またミタマにより、本来は携行アイテムが必要だった回復等を大幅に簡素化を実現した。
またモンスターを明確に「鬼==妖怪枠」と定義することにより部位破壊の再装着と、実体の四肢がなくても霊的手足を使うことで行動自体はできることを符合した。
霊体の四肢では踏ん張りが効かず、結果、鬼は頻繁に転倒するようになる。 結果、大幅に弱体化する。
しかしこれらの要素はあまりプレイヤーからは重要視されず、単に「和製モンハン」と呼ばれるに止まる。(ちなみにMHの開発のカプコンは関西なのでMHも和製である。言いたかったのは「和風」だろう)
やりこめば、大違いなのはわかるんだけどね。むしろGEに近いんだが。
狩ゲーの集大成、フリーダムウォーズ
2014年に出たフリーダムウォーズ(以下FW)は色々画期的であった。
表面上は「狩ゲー」としながらも、その実はMHともGEとも大幅にプレイ感覚が異なる、独特なものであった。
特にイバラによる移動は非常に画期的であり、GE3(ダイブ)やMHライズ(翔蟲)にすら影響を与えてる。
しかし、これらの要素はあまり注目されず、敵勢力として明確に人間大が現れて、しかも非常に正確に飛び道具を撃ってくることがあげられる。
これがライトゲーマー僧に非常に憎まれて、販売数を頭打ちにする要素になった。
ちなみに敵NPCの相手はNPCにさせたほうが楽だったりするのだが、ライトゲーマーは自分で倒そうと頑張っちゃう。そして文句を言う。落語かよと思うがそれが消費者というものだ。
が、他にもいくつか問題はあった。
NPCにもアクセサリは居るが、プレイヤーのアクセサリだけが拿捕され、そして攫われること。(およそ8時間あと、勝手に帰還する)
バリヤー付きの大型機体は、バリヤーの内側に入るか、バリヤー発生期を壊す必要があるが、味方NPCはそれを一切やらないこと。
まあ好意的な解釈をするなら、これら全てが、マルチプレイへのチュートリアルだったのだろうとは忖度できる。できなくもない。
かくして、シリーズ100万本を目指したはずが、30万本程度にとどまった。本作はあとにも先にもこれしか出ていない。最初で最後である。
この30万本が、日本に残る「真のゲーマー数」であると小生は確信している。
ちなみにPSVITA版の現時点の中古価格は290円であった。安すぎない? せっかくなので2個買ってきた。
討鬼伝2
2016年。討鬼伝2。明らかにFWのイバラに影響を受けたと思われる鬼の手。そして完全オープンワールド。これらが特徴だろう。
任務を受けてからでもよいが、ふらりと村の外にでれば勝手にオープンワールドに移行する。 道中にエンカウントする鬼を勝手に倒しても討伐報酬は得られる。 MH-triのモガ村に近いシステムであった。
オープンワールドは全体的には非常に広大で、前作の「領域」概念を引きついた地区に分割されており、実によく作りこまれており、風景を見ながらぶらぶら走り回るのも楽しいものだった。 小生なぞは「MHの目標とする到達点のひとつってこれなのでは?」と思ったものだ。
鬼にエンカウントすると、戦場が結界で覆われるためそこから先は前作とシステム上は大きくは変わらない。
だか実際にプレイしてみると、課題の残るものだった。
単体の問題として、アンコウだかナマズだかっぽい鬼 ウシヲキナが追加された。が、ロックオンはそのうち小さい部位にしか当たらず、しかもその鬼はビチビチ跳ね回る。必然、視界をグルグル振り回される。 酔う。 しかもその長い体と、戦闘領域の結界の間に挟まれる。こうなると面倒臭い。
コンセプト上の問題として、敵全体が大幅に弱体化した。鬼の手による行動介入、完全部位破壊による恒久的な行動制限が実装された。
前者は、特定の鬼のモーション時に鬼の手をあてることにより、行動を妨害し、大ダウンを取れる。が、モーションの中にはわかりにくいものも多かった。
例えば追加鬼のオノゴロはローリングアタックをしてくるのだが、それを鬼の手でひっくり返すと、逆に転がって戦場端にあたって大ダウンする。のだが、その逆に転がる判定がよくわからない。思わず避けてしまう。
後者は非常にクリティカルなもので、前作までの看板であったゴウエンマなぞは、両脚を失い、下半身を引きずって手足で這い回る。実に哀れを誘う姿だ。腕でドッコイしょと飛び上がっても、そのあと数秒間はグッタリする。
また戦場が、大規模&複雑化した挙句、半自由エンカウントになったため、状況によっては、鬼のいる位置の地形が離れてて合流が非常に面倒な場合もある。
以降、討鬼伝シリーズは出ていない。
GEシリーズ最後GE3
2018年。GEにも広めのマップが実装された。オープンワールドと言いたいところだったが、討鬼伝2を体験するとまだまだ狭いと言わざるを得ない。
さまざまな武器種も追加された。 しかし目玉はそれらではなく、アラガミの捕食行動であった。 歴代シリーズの「活性化==怒り」に完全に置き換わるものだった。
バルムンクのように突っ込んでくるタイプならまだ納得できるが、ラーのように何かを飛ばしてしかもそれが地形貫通するのは、実に納得しにくい。小生をして、何度パッドを投げたかわからん。
しかしアラガミのバーストにも戦略上のメリットがある。肉質が大幅に変わるのだ。基本的にはものすごく固い部位が、ものすごく柔らかくなる場合が多い。 なので慣れてくればNPCをわざと食わせる手もなくはない。
全体として、このアラガミ捕食行動が実にカッタルイ要素となった。必然、調整不足が問われることになる。
さらに2019年。スイッチ版がでるが、これが従来のSONY系ユーザの反感を買う。実際にプロデューサーがツイッターで絡まれたことすらある。
https://twitter.com/Hiroto_Kase/status/1116350564915240960
いくらなんでも。これは正直萎えたことだろう。
これが原因かどうかは定かでないが、GEシリーズはこれ以降出ていない。
ちなみにGE3にはイビルジョーに酷似したアラガミが出てくる。動きもほとんど同じだ。
https://www.youtube.com/watch?v=VyjUTE1wELo
また追加シナリオで、続投キャラクタの「救済」もしたようだ。ある意味完結してしまったと言えなくもない。
MHライズ。狩ゲー業界のpull request
2021年。MHライズ。(以下MHR) スイッチ版のみ。
完全オープンワールド。騎乗によるスタミナを消費しない高速な移動。 高速採取。翔蟲による自由跳躍。
ある意味、MHダブルエックスまでのシステムが完全否定されて、むしろ討鬼伝やらGEやらFWやらに近づいてすらいる。
狩ゲー戦国時代の終わり。
GEにもFWにも討鬼伝にも、それぞれの良さがあった。それぞれ100時間ぐらいやり込めばわかる。
だが消費者の大多数はMHしか認めず、またMHに酷似した類似品しか認めない。少なくともMHダブルエックスまではそうだった。
しかもそのMHですら、ライズで大幅に路線変更しており、むしろGEや討鬼伝に寄せてきてる。
にも関わらず、MHRを糾弾する声はなく、むしろ受け入れられている。正直、傍から見てる分にはよくわからない。話が違うじゃねーかと思ってる。
なんでこれでGEとFWがグダグダ言われたのやら......
GEや討鬼伝やFWにすら続編を望む声はあるにはある。だが断言しよう。これらの狩ゲーはもう2度とでることはない。
むしろMHRによって引導を渡されたと言っていい。
かくして、狩ゲー戦国時代は終わり、MHだけが残った。
だが悲しむことはない。GEやFWの魂は死なず、MHRの中で生き続ける。それがいつまでかは判らんが。