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人のこころとからだ まとめ

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私たちの「こころ」や「からだ」について書いた文章をまとめています。こころとからだは、一つの現象の二つの現われであると思っています。人という営みは、個人のこころとからだを通して、多…
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#潜在意識

夢見のダンス

私たちは普段さまざまにからだを動かしていますが、改めて考えてみると、ほとんどのからだの動きについて私たちは何も知りません。 「指一本動かすこと」についてすら、どのような仕組みで、どのようにその機能が果たされているのか、私たちは何も知りません。 スマホがいったいどんな仕組みで動いているのか、多くの人が何の知識も無いままに使っているように、からだについても私たちはほとんど何も知らないのです。 私たちは、成長する過程で身に付けた「何となくこうすると指が動く」というきわめて感覚

直感を活かす

人間の直感に関する研究で、アイオワ大学の研究グループが面白い実験をしています。 どんな実験かというと、裏に「○○ドルの勝ち」「○○ドルの負け」と書かれたカードを被験者に一枚ずつ引いていってもらって、 最終的に儲けが出れば勝ちというゲームをやってもらうのです。 カードには赤いカードと青いカードの二種類があって、 それぞれの山が二つずつ、合計四つの山が用意してあるので、毎回その四つの山からどれか一枚のカードを引くような形になります。 赤いカードの方は大勝ちもあれば大負けのカ

忘れるということ

 整体では「忘れる」ということをとても大切にします。ですから講座などでも「メモを取らずに話をしっかり聞いて、そして後は忘れなさい」などと言われたりするのです。 それはシュタイナー教育でも同じで、「忘れる」というプロセスを丁寧に挟み込んだカリキュラムで授業を構成します。 初めはその理由が何だかよく分かりません。普通は「忘れないようにきちんと覚えておかないと」と、そう考えると思います。 ですが、よくよく考えてみると、私たちのあらゆる活動の巧みさは「忘却」というプロセスの上に

それぞれの身体性を持ち寄って

1.無意識の検閲私たちが意識できていることというのは、ほんのごくわずかであって、無意識や潜在意識のレベルでは非常に多くのことを感じ取っていると言われます。 それはつまり、私たちはいろんなことを感覚してはいるけれど、それらの情報を何らかの形で取捨選択しているということで、しかもそれは私たちの意識にのぼらないところで行なわれているということです。 たしかに私たちの身の回りにはつねに多くの情報が氾濫していて、それらのすべてを一つ一つ意識して「これは必要、これは不要」などと選別し

複雑系な私たち

1.やわらかなからだ私たちのからだは、ロボットと違って「やわらかい」。 「やわらかい」ということは、それだけからだが自由に柔軟に変化するということですが、それはつまり私たちがからだを動かすときにとり得る動きのパターンが、ものすごい数の組み合わせを有しているということでもあります。 そう考えると、自身の行動を説明するときに「私はあらかじめ考えた通りに動いている」という語り口で語ることは、はたして可能なのでしょうか? それは、私たち人間が自分の行動を自分の意志で決めていると

日本けっこう好きだったんだけどなぁ…

後年「じつは第三次世界大戦だった」と言われるかもしれないような世界中を巻き込んだ覇権争いの趨勢が、徐々に見えてきたような気がします。 もちろん最後までどうなるか分かりません。差し迫ったときに人間が何をしでかすかは、本当に分からないからです。でも少なくともアメリカ中心で動いていた世界は終わってゆくのでしょう。 そんな中、日本はいったいどちらへ向かおうとするのですかね。 「武士道とは死ぬことと見つけたり」とか言って、世界中が「あ~あ」と嘆くような明後日の方向へ向かって走り出

活元運動のススメ

1.活元運動「活元運動(かつげんうんどう)」というのは、野口整体の中でももっとも基本的で代表的なメソッドです。 ですが、本で読んだだけだといったいどんなものなのか空想しづらいので、野口整体のことは知っていても活元運動についてはよく知らないとか、やったことがないという方も多いかと思います。 活元運動は「錐体外路系運動の訓練法」とも呼ばれますが、内臓の運動や反射的な動きといった、私たちが無意識のうちに行なっている動きを活性化させることを目的としたメソッドです。 それはたとえ