コミティア150の出張編集部に行ってみた
#COMITIA150 #コミティア150 #出張編集部 #イベントレポ
2~3年前に初めて書いたオリジナル漫画を持っていきぼろくそに言われ、2度と出張編集部なんぞいかないもーん!えーん!と思っていました。
しかし相方の三凪に、せっかくコミティアに行くならネタにすればと勧められ、出張編集部に行くことを決めて4社にネームを見せました。
そのときのレポート記事です。
結果から言うと、とても充実した時間を過ごせ、創作意欲が爆上がりしました。
出張編集部サイコー!
筆者からのアドバイス
ネームのビフォーアフター
編集者さんに見せたネームはこちらです↓
そしてアドバイスを受けて直したネームがこちらです↓
出版社を選ぶ基準
自分の好きな漫画が載っている出版社ではなく、持っていく漫画の作風に合いそうな漫画を出している出版社を選んだほうが結果的に良かったです。
自分の漫画に合った納得のいくアドバイスを受けられる確率が上がったからです。
ブースに展示してある漫画をざっと見て、確認してから順番待ちの列に並びました。
しかし筆者はまだ立ち上げたばかりの、漫画を展示していない出版社にも行きました。
面白そうだし、なにより人がいなくて待たなくていいからです。
だから欲のままに見せても全然大丈夫でした!
みなさんに出版社選びでアドバイスがあるとすれば、ジャンプは途中で人が来すぎて受付を中断していたので、人気雑誌の出版社は朝一で直行したほうがいいです。
完成原稿をできれば持っていこう
ネームより完成原稿で持って行ったほうが、絵の方面のアドバイスも受けられるから絶対にいいです。
ネームだとアドバイスが限られてしまうのでもったいないし、損をしたなあと思いました。
また今回ネームを両面印刷したのですが、片面印刷だと勘違いされてしまうことが頻発しました。
なので原稿は片面印刷しましょう。
準備まとめ
原稿は片面印刷する
ページ番号を四隅のどこかに書く
キャラデザの資料
ネームを持っていく場合は作画サンプル
どんなところを改善したいか書いた紙を用意したほうがアドバイスの密度や精度が上がるので用意する
各出版社のアドバイス
1社目:スクエアエニックス
編集者の特徴:若い女性
時間:3分くらいで終了
結構残酷な話ですねと軽く感想をいわれたあとで、漫画のジャンルを聞かれました。
歴史ファンタジーだと回答したのを受けて編集者さんは
「何を主人公がする話か分かりにくい。主人公が何をもってどうする話かを書ければ分かりやすくなる」
とアドバイスをいただきました。
あんまりこの人に刺さってないなというのが伝わったので、さっさと切り上げて終了しました。
2社目:comipo
編集者の特徴:ベテラン女性
時間:20分くらいで終了
読み終わって開口一番、尖った話ですね、たくさん調べたでしょうと見抜かれました。へえと関心しました。
後にも先にもたくさん調べたのに言及されたのはこの人だけです。
英語の資料しかない情報もあって苦労した話などをしたうえで、漫画の講評スタート。
まずこの話のテーマを聞かれ、世界よりも犬を選ぶ少女と犬の友情が書きたいと回答しました。
それを聞いたあとで、
「日本の読者はヨーロッパの民話のワイルドハントのことを知らないため、読者と共有している知識が限られていることを意識した話を作らなければいけない。
だから冒頭のワイルドハントのことを文字で説明した導入はとっつきにくくいただけない。
2ページほど使ってワイルドハントが狩りをしている様子を絵とカットで見せたほうがいいかもしれない。
次に主人公が何をしたいのか分かりづらく、モブのようになっている。
世界よりも犬を選ぶ少女で尚且つ犬を何があっても取り戻したいという少女の意思がわかるように書く必要がある。
さらに犬が不思議な力を持った犬だと、遅くても中盤辺りで臭わせてキャラは気づかないが読者は気づいているという状況を作り、コナンの新一理論を適用することで読者の気を引くと、終盤で唐突に明かすより振りができていいかもしれない」
最後に尖ったことをやるセンスを褒められた後、突き詰めたら唯一無二になれるからまたこの話を直したり、新しいのを描いたら持ってきてほしいと応援され終了しました。
3社目:レグルス
編集者の特徴:中堅の男性
時間:20分くらいで終了
読んでまず、表情がネームだけどうまいと思ったと褒められました。
書きたいテーマを聞かれ、世界より犬を選ぶ少女と犬の友情が書きたいと回答すると、
「読者がどんな感情を抱けばいいかわかりにくい話になっており、主人公が何をしたいのか伝わりづらい。
主人公が弱いので、もっと狂気の部分があるのだからそこを表現したほうがいい。
またワイルドハントの部分がわかりづらいので、量と順番を意識してもっと情報を出したほうがいい。
例えばワイルドハントが多くの人間にとって悪い存在なのか、良い存在なのか混乱したりなどしたので、冒頭に明示するなどしたほうがいいと思う」
とアドバイスをいただきました。
4社目:MANGAバル
編集者の特徴:ベテラン男性
時間:10分くらいで終了
書きたいテーマを聞かれ、世界より犬を選ぶ少女と犬の友情が書きたいと回答すると、なにを読者が楽しんだらいいのか分かりにくいと言われました。
「作者の狙い、言い換えると読者の求めているものにどうアプローチするかを意識してもっと書く必要がある。
この問題が顕著に表れたのが導入。
導入は飲食店の看板のようなものであり、ラーメン屋だからラーメンを出しますよと読者に示さなければいけない場所。
だからラーメン屋だと思わせたなら、オムライスを出してはいけない。
現在の導入を読んで、黒犬が少女とともに暴れまくるファンタジーバトルを期待したが、実際は黒犬が負けてしまい肩透かしの気分になった」
悪い意味で読者の期待を裏切っているんだなととても私は納得できました。
あくまで商業漫画を描きたいならのアドバイスだと、こちらに気を使って言葉を選びながらアドバイスをくれました。
ネームを見せた感想
満足度がめちゃくちゃ高かったので、添削してもらったネームを原稿として完成させて、同じ編集者さんにまた是非見てもらいたいと思いました!
ご縁ができるくらいクオリティ上げてまた再チャレンジするぞー!
ここまでご覧いただきまして、ありがとうございました!
執筆:なみねこ
サムネイル画像・編集:三凪