明日の空 vol.9
第九章「茶和亭にて」
「なんか、団地の屋上でしか会ったことないから、ちょっと照れるね。日中に会うの。」とぽんずさんは少しれてくさそうに私に言った。
「ご迷惑でなければ、屋上以外でもあったりしませんか?これからもぽんずさんとは仲良くしたいです。」と言った。
今日は、茶和亭で待ち合わせをした。夜は、居酒屋だが、日中は、週替わりで色んなオーナーさんが間借りしてお店を開いている。今週は、タイ料理のお店が出ていて実は、バイトでウポーちゃんが働いているのだ。
「ここ、居酒屋なのは知ってたけど、日中週替わりで店してるのは知らなかったな。。」とぽんずさんが言うと、そこにウポーちゃんがやってきた。
「タミさん、ウワサノ ポンズさん?ハジメマシテ ココノ 夜ハ居酒屋ノ店員デ 今日ハ シリアイガ 昼にタイ料理シテルノデ テツダッテマス。タミさんノ トモダチノ ウポーデス。」「オイシイデスヨ ココノ料理 オススメハ ガパオライス!!」と笑顔で元気に教えてくれた。
「私は、ガパオ前に食べたことあるから、カオマンガイでお願いします。」と私が言うと、
「ウポーちゃん!よろしくー。オススメもありがとうね!私お酒も好きだから、今度夜の居酒屋来てみるね!じゃ、お勧めのガパオよろしく!」と、ぽんずさんは、初対面とは思えないくらいフレンドリーにウポーちゃんに接している。
ぽんずさんには、まだウポーちゃんの事話せてなかったので、初対面でどうなることかと思ったけれど、私の考えは取り越し苦労のようだった。
「タミちゃん、ウポーちゃんとお友達なの?笑顔が可愛くて明るくてステキな友達だね!!」「もう、いい居酒屋知ってるなら、誘ってよ〜。今度一緒に来ようよ!」と言ってくれた。
「ぽんずさんには、詳しく話してなかったんですけど、就職して一人暮らし始めた時に、ふらっと入った居酒屋でウポーちゃんと仲良くなって。たまに夕飯食べたりするんです。」
「いいねぇ。そういう関係性。たみちゃん、私との出会いも突然だけど、ウポーちゃんもなかなか突然の出会いよね。しかも、出会う人に恵まれてる。私が、言うのはなんだけどね(笑)」と照れながらぽんずさんは言った。
「本当にそう思います。人運?割といいほうかもしれません。(恋人運はありませんが…と心の中で思った。)今度、ウポーちゃんも屋上連れて行ってもいいですか?ウポーちゃんがぽんずさんとゆっくり話してみたいと言っていたので。。」
「定吉さんに、屋上での集い注意されたばかりですけど。。」と不安そうに相談してみると。
「大丈夫!大丈夫!あれから許可もらったら!!」とぽんずさんが言った。
「ハイ、ガパオ ト カオマンガイ オマチドー。ゴユックリ。」とウポーちゃんはあちこちのテーブルを忙しく行き来している。
「すみません、ありがとうございます!定吉さんへ許可とってもらって、なんかわがまま言ってしまったみたいで。。」
「いやいや、前も言ったでしょ。あそこは私の秘密の場所なのよ。あそこにいると不思議と落ち着くんだよね。今は、たみちゃんの場所でもあるしね。」とぽんずさんは言った。
ガパオとカオマンガイをおいしくいただいて、ウポーちゃんへ来週の土曜日に屋上で会う約束を取り付け店を後にした。
3人で屋上で話が出来るのがすごく楽しみだ。
「明日も屋上行っていいですか?」と聞くと、「もちろん!」とぽんずさんは言ってくれた。
次号へ続く…