スクワットからの解放
正しいスクワットは、膝を前に出してはいけない––––関節を傷めるからだ。
「膝が痛いからスクワットして筋肉つけなきゃだろ?」という質問に対して、理学療法士の僕は答える。
「スクワットは負荷が強いので、もう少し軽めの運動にしましょう」
負荷が強いというのは建前だ。
正しいフォームで出来ない人が多いからそう言っているだけ。
「俺は正しいフォームでスクワットできる」という人には、一つだけ覚えて帰ってほしい。
「スクワットを人に勧めるな」
代わりの運動はいくらでもある:立ち座り、お尻上げ、SLR。
立ち座り
イスから立ち上がってイスに座る
これだけでスクワットと同じ筋肉が鍛えられる:太腿の表・裏・お尻。
しかも座る動作は、お尻を突き出すため、膝が前に出ない。
20回できるなら負荷を上げて、片足でチャレンジしてもいい––––くれぐれも転ばないように。
お尻上げ
絶対に転びたくないなら、寝ながらできるお尻上げがオススメ。
お尻や腿裏など、立つために必要な筋肉を、寝ながらトレーニングできる。
20秒を3セット。これが楽勝なら片脚でもやってみてほしい。
きっと身体が重く感じる。
SLR
自分の身体を持ち上げるお尻上げに対して、SLRは自分の脚を持ち上げる運動だ。
お腹・脚の前側の筋肉を鍛えることが出来る。
ポイントはゆっくり行うこと。
この動画なら、再生速度0.25倍でちょうどいいぐらい。
20回チャレンジしてほしい。
「下半身を鍛えるならスクワット」。この呪縛から解放されてほしい。
紹介した運動は、どれもカッコ良くないが、少なくとも身体を害すことはない。