骨格診断における重心バランスとは?
骨格診断というファッション理論をご存知でしょうか?
骨格診断では、持って生まれた身体の質感やラインの特徴から、自分自身の体型を最もきれいに見せるデザインと素材を知ることができます。
骨格診断とは|骨格診断ファッションアナリスト認定協会より引用
骨格診断ではナチュラル・ウェーブ・ストレートと骨格別に3タイプに分類し、あなたの骨格にあった似合う服を着ましょうという理論です。
この骨格診断についてファッションブログ「ナルシストで何が悪い?」運営者のナル男さんが、重心バランスにあったスタイル構築という観点から骨格診断理論を再構築していくなら、かなり有用性が残ることになるとの考えを示していました。
なので今回は、骨格診断における重心バランスについて、私なりに掘り下げてみようと思います。
骨格タイプにおける身体的特徴
骨格診断理論では、ストレートタイプでは上重心、ウェーブタイプは下重心ということを示唆しています(ナチュラルは重心についての記述がないので省きます)。
ストレートタイプ
全体的に立体感があり、筋肉も感じさせるメリハリのあるボディです。どちらかというと上重心。肌に弾力とハリがあるのも特徴です。
ウェーブタイプ
体はうすく、華奢。やわらかな曲線を描くボディが特徴です。どちらかというと下重心。肌は筋肉よりも脂肪を感じさせるソフトな質感です。
骨格診断・自己診断|骨格診断ファッションアナリスト認定協会より引用
またその他の身体的特徴として、以下のものがありました。
ストレートタイプでは
・胸からウエストにかけての距離が短く、腰の位置は高め。
・ヒップが後ろに出ている
ウェーブタイプでは
・ウエストから腰の距離が長く、腰の位置は低め
・ヒップは平面的。背中からなだらかな曲線になっている。
・ややO脚気味
骨格タイプは骨盤の傾きで決まる
上記の身体的特徴を運動学的に考えてみようと思います。
まずはストレートタイプ。「ヒップが後ろに出ている」とのことですが、これは骨盤が前傾しているとみられる特徴です。骨盤が前傾することにより、腰椎が前弯(お腹側に凸の形で反る)します。腰椎の位置が前方に移動するため、相対的にヒップが後ろに出て見える訳です。
また骨盤が前傾するとヒップが上向きになります。このことによりお尻の位置が上がったように見え、腰の位置が高く見えると考えられます。
一方のウェーブタイプ。「ヒップは平面的。背中からなだらかな曲線になっている」とのことですが、これは骨盤が後傾していることで生じると考えられます。骨盤が後傾することにより、腰椎は後弯します(背中側に凸の形で丸まる)。すると、腰椎の位置が後方に移動するため、ヒップが出ていない=平面的に見えます。
また、骨盤が後傾すると、ヒップが下向きに垂れ下がって見えます。すると、おしりの位置が下がったように見えるため、腰の位置が低く見えます。
О脚も骨盤が後傾すると起こりやすいです。
骨盤後傾タイプの人は、大腿骨が骨盤に対して外開きにつくので、O脚になりやすくなります。
O脚、X脚を治して、脚長、小尻になるより引用
以上のことから、
重心が高く見えるストレートタイプは骨盤前傾タイプ
重心が低く見えるウェーブタイプは骨盤後傾タイプ
と言い換えることが出来ます。
日本人にはウェーブ=骨盤後傾タイプが多い
ナル男さんは上記のnoteで、日本人にはいわゆるウェーブタイプが多いとの見解を述べていました。私もウェーブタイプが多いと思います。
ウェーブタイプは骨盤が後傾しており、これはアジア人の特徴です。
欧米人、とくに黒人は骨盤が前傾しているので、お尻が上に向いているような体型になりやすくなります。そこに大臀筋がしっかりつけば、自然にヒップアップされるわけです。一方、多くのアジア人は骨盤の前傾が小さい、あるいは後傾気味なので、素直に大臀筋がつくと真横に張り出したり、下向きにふくらんでしまったりする傾向があります。
発達したヒップは、人間らしさの象徴【石井直方のVIVA筋肉! 第11回】 | Web Magazine VITUP! [ヴィタップ]より引用
また、アジア人は欧米人に比べて、胸やお尻よりも、お腹から太もも、脚にかけて脂肪がつく人が多い傾向があります。さらに日本人の特徴として、ふくらはぎのヒラメ筋という筋肉が大きく発達しやすいため、ふくらはぎが太くなりやすいです。
下半身に脂肪が付きやすい、ふくらはぎが太くなりやすい、О脚でがに股になりやすい日本人にはウェーブタイプが多いと考えられ、下重心の人が多いです。だから、外国人モデルと同じ格好をしても様にならないんですね。
筋肉で重心バランスを改善する
骨格診断における骨格とは、一生変わらないとされています。
生まれ持った身体の特徴を捉えているので、診断時に着ている洋服のテイストなどにも影響を受けず、一生変わらない。太っても痩せても同じ診断結果になる。
骨格診断とは|骨格診断ファッションアナリスト認定協会より引用
私はこれが一番納得いきません。
たとえば、赤ちゃんの膝はO脚です。それが2歳から6歳にかけて内股となり、7歳ぐらいで大人と同じになります。
一方お爺ちゃんお婆ちゃんはというと、昔はシャキッとしていた背中が曲がり、人によっては腰が直角に曲がるような人もいます。
将棋の羽生竜王のみぎ肩が下がってるのは生まれつきなのでしょうか?私には、みぎ手で頬杖を突く癖からできた後天的なものに思えます。
ボディビルダーのトレーニングを始める前と後で、似合う服は変わるじゃないかなぁというのが私の考えです。
骨も姿勢も変わる。筋肉に至っては、鍛えればボリュームが大きくなるのですから、他人からの見た目は必ず変わるでしょう。生まれ持った骨格によってなりやすい姿勢、付きやすい筋肉はあるかもしれませんが、それが何をしても一生変わらないというのにはさすがに言いすぎだと思います。
ではどうやって骨格にあらがえばいいのでしょうか?私はお尻にヒントがあると思います。
例えば骨盤が後傾しているウェーブタイプの方。日本人に多く、尻が垂れて見えることから重心が下がりやすい。あなたは重心を上げた方がスタイルがよく見えるでしょう。
鍛えるべき筋肉は、脊柱起立筋です。脊柱起立筋を鍛えることによって、骨盤を前傾させる力が強くなります。骨盤が前傾することにより、お尻が上向きになり、重心が上がって見えます。
鍛えるときは反り過ぎず、お尻の穴を締めて行いましょう。
一方、骨盤が前傾しているストレートタイプの方。お尻が上向きになるため重心が高く、スタイルは良く見えやすいです。ただし、痩せていてもお腹がぽっこりしやすく、腰椎が過度に反ると腰痛の原因となります。
そんなあなたは大殿筋を鍛えましょう。大殿筋は骨盤を後傾させる作用があるので、腰が極端に反ることが原因の腰痛を防げます。また、お尻のボリュームが大きくなるため、相対的に腰や太ももが細く見え、更なるスタイルアップが見込めます。
まとめ
・骨格診断における重心の位置は骨盤の傾きで決まる
・重心は骨盤が後傾すると下がるので、前傾させる筋肉を鍛えて上げよう
・骨盤が前傾している人はヒップのボリュームを増やして更なるスタイル向上を目指そう
という話でした。ヒップアップのためのトレーニングにオススメの書籍は『美尻トレ 究極のヒップメイク』です。ファッションの話から始まったのに筋トレの話で終わる辺りが脳筋ですね。