手相と人相
「顔が動く」、この言葉自体は変わったものではありません。しかし、その顔の動きが「分身」だ、というと、もうこれは非常識。真顔でそれを語られても、きっと、困るでしょう。
私は分身感を顔から感じましたが、なかなかそれを受け入れてくれる人は少ないでしょう。
顔は分身する、と言われても、分身どころか、動く事さえわからないかもしれません。ゆっくりわかるまで稽古をする、という手はありますが、固く出来上がった観念を壊すのは大変です。私は今、顔は分身するんだ!と強く言っていますが、その観念を持つのに、何十年かかったかわかりませんから(笑)。
ここで「手」が固い観念を変える役に立ちます。
手のひらをブンブンと降ってみてください。バイバーイ、とする感じ。
手を振りながら、手をじっと見るのです。この時、手、特に指先は残像を作るほどの速さで動いているのが分かるかと思います。
手は私たちの脳が認識する速さを超えて動く事が「出来ている」のです。
このバイバイの手、この時の手のひらの感覚と、顔の感覚が似ているのです。
顔にも手にも、共に「首」があります。この「首」が動いてはダメ、それも似ています。顔もほとんどの人は頭にくっついています。顔を動かそうとしても、首が動いてしまいがちです。
しかし、手ならどうでしょう。手首をぐりぐり、ぶらぶら回すよりも、バイバーイ、と振る方が楽だと思います。
すでに、手は分身のレベルを持っている、と私は考えます。
手は分身出来る。自分の考えている以上の仕事が出来るのが手。そう考えてみたらどうでしょうか。
手は「仕事」を覚えます。今、こうして書いているnoteもキーボードを指先が無意識のうちにたたきます。車の運転も一つ一つ指示しなくても運転が出来ます。編み物などは本当に滑らかに動きますよね。
あれ、腕から手が独立し、指がしっかりと仕事をしているいい例だと思います。そういう力がもう、私たちには「ある」です。
しかし、胴体、頭の意識は強く、体で覚えきれていない仕事、また、大きな不安を先に持ってしまった場合などは、身体が緊張で固まり、仕事を邪魔します。
その不安をいかに消すか。その一つの答えが「顔の分身」です。
やる事は決まっている。大抵の動きには手順があり、それを覚えるのが練習、と思われていますから。
しかし、緊張が身体を固めてしまいます。その緊張は一つの「見方」から生まれるもの。見方を変えてみたなら、緊張が出なくなる、そんな事も「アリ」かもしれません。
見方を変える、というと多くの人は考え方、精神的な働きと捉えます。しかし、違うのです。まさに、身体、肉体的に見方を変えるのです。
「見る」という動作は目が行います。その目が土台としているもの、それが顔です。
見方を変えようとして、目をグルグル回しても変わらないのは、その土台である顔が動かないから。その顔が動かないのは首が固まり、動かないから。実に、はっきりした原因があります。
手は振れて分身出来る。手のひらがブンブン、目にも止まらない速さで動く。手相が動いているとも言えますね。
そして顔にあるのは人相。人相もブンブン振れば動くのです(笑)。
こんな「屁理屈」を使い、顔に動きを見つけていく。
真面目にやるものではありません。真面目にやれば、頭が出しゃばります。常識的な頭は分身を認識できません。いい加減に、適当に、まさかまさか、と思いながら手を振り、顔を振ります。気を付けるポイントは「首」。首がねじれないように意識をしながら、顔を動かしていく。
ほんの少しでも、あれ、今動いた?と、きっかけを得られれば後はどんどんと動き始めるはず。
もちろん、顔と顔を合わせて、それを確かめれば早いです。しかし、そもそもが自分の顔。いつでも、試す機会、チャンスはあります。時間はたっぷりあるはず。身体に興味を持つ、そのきっかけになってくれたらうれしいです。
自分は分身出来るのか、に「いつ」気がつくかはわかりません。それぞれの観念の固さによって変わってきます。しかし、「間違いなく」、誰でも出来るものです。それを確信しています。気が向いたときに、ちょっとずつ、試してみてください。
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