尻の大切さを学ぼう
脚を後ろへと踏み出すと足は前へと進む。
この歩き方を探り、わかってきた事を書いておきます。
前回、「バランス」の大切さを書きましたが、シンプルに考えればただこれだけです。
しかし、バランス力を磨く時にはその「バランスを取るもの自体」の理解も必要です。今日はそのバランスを取るものの一つ、「尻」について話します。
脚を後ろに下げればどうなるのか、当然尻が後ろへと下がります。
逆に言えば、尻を後ろへと下げるために、脚を後ろへと下げるわけです。
さて、尻というのはなんでしょうか?きっと、これまで、議論を尽くしてきている人はいません。
学校に行き、勉強し、受験をしてまた学校に行き、就職して忙しく仕事をしていると、尻について学ぶ機会はまぁ、ありません。知らないまま、歳を重ねてしまっていても、仕方ありません。
尻は肉であり、内臓であり、骨です。普段、服に覆われていて忘れがちですが、皮膚でもあります。
全ての役割を持っているのが、尻、というわけです。
ですから、好きな尻を選んでください!と言いたいところですが、そうはいきません(笑)。
好きな尻を選ぶのは困っていない時だけです。
様々な状況によって出会う苦しさ、それを見つけてしまったなら、それを解決してくれる尻を選ばなくてはいけません。
もし、この時、間違った尻を選んだならば、それは自分が選んだ尻によって現れた困難です。また、選んだつもりはなくても、その使い方が偏ってしまったならば、それも無意識下の選択です。
嫌ならやめる。それが出来るのが私たちの力です。
尻を知り、尻を選ぶ。そのために尻をちょっと掘り下げてみましょう。
内臓的尻は腸に肛門。毎日ご飯を食べてウンチをだす。これがちゃんとできているかどうかが大切です。そして何かをする時、お尻の穴にギュッと力が入れられるか、その力みに価値を持てるかどうかです。
皮膚的尻は尻のみに終わらず、身体全体に広がるものです。皮膚は最大の臓器、と言われているそうですから、本来ならもっと大切にしたいものですが、ついつい見落とされがちになりますね。
やはり、分かりやすい尻は肉と骨です。
大きな肉がついている尻。そして、骨盤がいる場所が尻です。
骨盤を動かす事、筋肉をつける事を頑張る人は多いです。
ただ、「尻だけ」に注目をしては動けなくなります。大きくなりすぎただけの尻ではやはりダメなのです。
尻がどう動き、どう働くのか、それを見ていきます。
まず、尻の土台は骨盤です。骨盤は仙骨を間に左右の腸骨が挟み込み、恥骨座骨が組み合わさって出来ています。
何となくにしていると、この骨盤はあまり動かないように思えます。
まぁ、確かに腕の骨に比べたら全然おとなしいのですから、動かない、と思うのも当然ですが、この骨盤だってちゃんと方向を持ち、動きます。
動かそう、と思った時、働くのは筋肉です。思い通りに筋肉を使えるからこそ、意図した方向へと身体を動かせられます。
筋肉と骨、それをうまく使い動いた時の感覚、これを経験しないまま私たちは暮らしています。
電化製品も便利なサービスもなかった昔なら、誰もが、この身体を生かして働かなくてはなりませんでした。
自然と腰を入れる姿勢を身に着け、暮らしていたでしょう。
しかし、現代において「暮らす」とは、ネットを駆使して情報を取り、仲間とつながり、未来を予測していく事になっています。
わざわざ身体の使い方を気にしても、そこを評価してくれる会社、組織はほとんどないでしょう。
結果を優先して人を評価していくとなれば、ネットや機械の力を借りた方がはるかに有利なのです。
ただ、それも若い時だけ、仕事が出来る時だけです。
歳を重ねたり、病気になったり、毎日をゆっくり暮らさなければ、となれば、それは昔の人が暮らしていた毎日と変わらない日々になっていきます。
何もしなくても一日が過ぎる。そんな日に毎日、ちょっとずつ向かっていきます。
この何もしない時にだって、トイレには行きたくなるし、顔も洗いたくなるし、ご飯だって食べたいでしょう。
そして、寝続けるのも大変です。ちょっとは散歩もしたくなるはず。
散歩をするためには起き上がり歩く必要がありますが、この起きる、歩く、という運動をいかに知っておくか、それがこの先の未来をバラ色にするか、暗黒にするかの分かれ道です。
私は動くのが嫌いで、苦手でした。
身体感覚の稽古を知り、一人稽古と組み合わす事で自然と稽古量が増え、専門家にも驚いてもらう事も増えました。
しかし、それでも、動くのは苦手だったのです。
それが尻が動き出し、動くのって楽しい!と変わりました。私にとっての尻はそれほどの違いを教えてくれたものなのです。
尻をテーマに書いてみたら、まだまだ細かくも書きたくなりました。
また、すぐに書きます。今日はここまで。
※甲野先生の名古屋稽古があります。
ぜひ、ご参加ください!
「甲野善紀先生の名古屋稽古」
稽古日時:11/17(日) PM1:00~PM3:30
稽古場所:浄泉寺
会場住所:名古屋市緑区鳴海町字上中町9
アクセス:名鉄本線鳴海駅から徒歩5分
参加費:8000円
参加資格はありません。見るだけ、聞くだけでも参加可能です。
服装自由、持ち物自由、受講スタイルも自由だし、入退室も自由です。気楽にご参加いただけます。
申し込みはウェブサイトから。
http://www.karadalab.com/
関東稽古があります。
「つくば稽古」
稽古日時:2024/12/1(日)13:00-18:00(入退室自由)
※稽古後、おさらい稽古もあります。個別に聞きたい事があれば、ぜひ聞いてください。
会場:つくばカピオ リフレッシュルーム
住所:茨城県つくば市竹園1-10-1 ←クリックでマップが開きます。
参加費:10000円
「東京ロングヒーリング」
稽古日時:2024/12/3(火)10:00-17:00
会場:大岡山西住区センター
住所:目黒区平町一丁目15番12号
参加費:参加費24000円(当日払い)
定員6名
「東京夜稽古」
稽古日時:2024/12/3(火)18:00-21:00
会場:大岡山西住区センター
住所:目黒区平町一丁目15番12号
参加費:参加費10000円(当日払い)
定員はありません
同日10-17時にある「東京ロングヒーリング」に参加の方は5000円