施術家はカリスマじゃないとダメですか?第七話
私はドアの前で動けなくなっていた。
手に持っているペットボトルのお茶を落とさないように、神経を集中させる。
心臓の音がうるさい。
ここに居る事がバレそうで怖い。
でもなぜか動けない。
そう、このお茶を持って入るという監督からのミッションがあるから。
私は入ることも、逃げることも出来ず、
ただただ部室の前で息を殺していた。
ドアの向こうでは、キャプテンのすすり泣く声が聞こえる。
高校一年生の秋。
その年の我が校のサッカー部は、まれに見る強さを誇っていた。
もしかして全国も