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頂き女子から学ぶ 施術家の心構え

頂き女子って知ってる?
あるクライアントさんからの一言。

やっていることは置いといて、あのマニュアルは凄いと思うんだ。
ビジネスの参考にもなる。

そうお伺して、頂き女子マニュアルについて調べてみました。
そしてそこから施術者の接客についても考察してみます。



『頂き女子マニュアル』とは

頂き女子りりちゃんが作成したマニュアルで、そこには’肉体関係なしに男性と疑似恋愛状態になることで、相手から金銭を頂く方法’が綴られています。


数万円で購入出来たらしいこのマニュアル。
とても再現性があったそうです。

つまり、マニュアル通りにやれば、おぢ=ターゲットから金銭が頂ける。
というもの。

この手の’マニュアル’は中身がないのに、数十万など高額なものが多い中で、頂きマニュアルは使える内容で比較的安価だったと言われています。
それも恐ろしい。

実際の中身は、ビジネスマーケティングにも大切な要素がたっぷり詰まっています。
それを、20代前後の女性に分かりやすく、共感しやすい言葉で書いているそうです。


マーケティング視点で考える『頂き女子マニュア』

頂き女子マニュアルをマーケティング視点で見たら。
そんな記事もたくさん出ています。

要約すると
①頂き女子になる目的を明確にする
②登場人物を明確にする
③具体的な事例を盛り込んでいる

①頂き女子になる目的を明確にする。
なぜ頂き女子になって稼ぎたいのか。
ホストへの貢ぎ?
推し活?
整形?
具体的に月いくら必要?

自分が行動する時に、
なぜその行動を起こす必要があるのかという再認識をさせること。
これは新人教育や、起業時にも必ず行われます。
そして、その目的の為に、具体的な数値目標を掲げる。
これも大切なアプローチ。

②登場人物を明確化する
登場人物とは、恋愛関係になる男性と女性のこと。
男性は’おぢ’と呼ばれ、3分類されています。
その中で特にターゲットとなる’ギバーおぢ’の分析をしっかりしています。
ターゲットか否かを見極めることから始まります。
また頂き女子のキャラクター設定もされています。

このように、登場人物を明確化することで、
自分がどのような役を演じるのか。
また相手はどのような人なのかを明確にします。

これは、事業でも一緒。
どのような価値観を持ち、何を困っている人なのか。
何を売るにしても、売る相手をリアルに想像出来るかで、成功するか失敗するかが変わると言っても過言ではありません。

③具体的な事例を盛り込んでいる
おぢとライン交換をする際、手慣れた感じはNG。
電話をかけてきたら、しっかり叱る。
毎日挨拶ラインをする。

などなど。

具体的にどのように行動したら良いかが細かくマニュアル化されています。
そして、会話の受け答え方にも細かな指示が。

更に、’どうしてこのような会話をするのか’についても説明があります。

この通りにすれば、1ヶ月でがち恋無害化が出来る。
ギバーおぢからは、最高○○万円まではもらえる。

など。
具体的な実績の提示があります。

これは、株主に信頼してもらう為の経営者側の説明に似ています。
経営実績、数値的な結果、ビジョン。

相手を納得させ、マニュアルを買った人さえも信頼させるような書き方の工夫があります。


「頂き女子マニュアル」を施術業で考える

①施術家になる目的を明確にする
②登場人物を明確にする
③具体的な事例を盛り込んでいる

①施術家になる目的を明確にする

施術業をする先生達は、多くが独立開業をして経営者としての側面も持ち合わせています。

そもそも何故施術家になったの?
何のために施術をするの?
どうして開業して施術をするの?

この問いにクリアに答えられるか否かを考えてみて下さい。

「患者様に喜んでもらうため」
「自分が感動した施術技術を身につけ、多くの人の健康や美容に貢献したいから」

という回答をされる先生もおられます。
語弊を恐れず言うなら、この目的はとてもホスピタリティあふれて素晴らしいのですが、後々こんなふうに拗れることも・・・。

「どうしてこんなに頑張って施術しているのに、認めてもらえないんだ。」
「こんなに凄い施術を提供しているのに、なぜリピートが取れない。」

頑張っているから認めて欲しい。
患者様に認めてもらえないと、苦しくなる先生も私は見てきました。

だから少し思考を変えて欲しい。
患者様に褒められる前提を破棄して下さい。
そして数値目標に出来るような目的にしてほしい。

’患者様に喜んで欲しい。
その為に、1年でGoogle口コミ100人 ☆4.9以上を取りたい。’

’私は素晴らしいと思っているし、自分自身も救われたこの施術技術を広めたい。だから、この技術で特に症状が改善できる○○というお悩みに強い施術家になり、後々は治験を集めて論文で発表したい’

などなど。

実はこの目的を明確にしただけでは、ぼんやりしている人がとても多いです。
具体的にどのような成果まで出していきたいのか。

そこまで考える必要がある。

喜んで欲しい。
の先の先の先まで考える。

そこまで考え、言語化し、具体的な目標達成に向けたスケジュールを立てている先生は大抵成功しています。
*ここで言う成功とは、目標達成して満足されているという意味。

そこまで考えられていない先生は、色んな人の言葉で目標自体もぶれていき、「私はなんの為に施術家になったんだっけ?」という状態になることも。
そうなると、日々の仕事まで雑になります。
モチベーションも低くなります。

でも、心の中で「こんな施術家になりたい!」という想いは消えていないから、現実とのギャップに苦しみます。

まずは、どうして自分は施術家を仕事にしようと思ったのかの深掘りが行動する上で必要です。

②登場人物を明確にする

頂き女子は、求められているシチュエーションが恋愛。
ホストも一緒ですよね。
だから疑似恋愛の関係に持って行く。

恋愛対象になるようなキャラ設定が大切です。

では、施術家に求められるキャラってなんでしょう。
これはこうだ!と明確に答えが出ていません。
でも、ヒントになることもあります。

まず、施術家のポジション。

1)家族のような、いつも心配してくれる存在

2)身体のことをなんでも相談出来る相手

3)医師よりももっと身近な専門家

いろんなニーズがあると思います。
ただ言えるのが’信頼’’清潔’’実績’の大切さ。

なんせ大切な身体を委ねるわけです。
しかも最初は痛みや苦痛を感じている時に行く場所ですから。

信用ならん

と烙印を押されたら終わりです。

最低限施術家がおさえておくといいキャラとして

姿勢がいいこと。
優しい。
清潔。

この3要素は外せません。

まず、姿勢が悪い施術家は、まずは自分の姿勢を正したら?と言われかねません。
身体もある程度鍛えていたり、健康意識が高いことが見て取れるようなキレイな姿勢と、立ち振る舞いも必要です。

そして安心して身体を預けられるように、優しい笑顔、ご案内するときの態度、声のトーン、手の温かさもあるとイイです。

最後に清潔。
臭い、汚れ、細部まで。
これは触れられて嫌な気持ちになってはもともこもありません。

身体を整えるには、リラックスが必須。

清潔さは、身体を触らせて頂く上でのお約束です。

大切なのが、これがキャラクター設定という点です。
先生達は、自分自身が商品なので、どうしても自分らしさを見いだそうとします。
でも、その前に、患者様側が施術者に何を求めているかを改めて考える必要があります。
キャラクターを目立たそうとして、あえて黒い服装でタバコを吸う。
それは患者様が求める施術家像とはかけ離れていないでしょうか。
もちろん一部の人にはいいかもしれない。
それもマーケット戦略ならいいのですが、

施術家とはこういうもの・・・というイメージと悪い意味でギャップがあるよりは、
まずは王道をしっかり見て、その上で他者との差別化を図るのをオススメします。


③具体的な事例を盛り込んでいる。
大手の治療院では接客マニュアルがあります。

このようなケースではこう対応しよう。
とか、
このような症状なら、このように施術しよう。
など。

これらはとても役にたつと思います。

ただ、の段階で、経験を積んでいく中で、どんどんマニュアルから独自性を出していきたくなる先生も多いです。

その為、マニュアルから離れ、独立開業していく先生も多いです。

私は長年マニュアルがない治療院で、先生たちのブランディングをお手伝いしてきました。
それぞれの先生の特徴や選ばれる理由の明確化を通して、先生と顧客をマッチングするのが私の仕事です。

その中で感じるのが、意外と自分の実績を分析している先生が少ない。

このケースでどうして患者様は症状が回復したのかなど、技術的な面。
このケースでどうして患者様はリピートしてくれたんだろうというマーケティング的な面。
それぞれ分析すれば、各先生の強みや、得意な技術や、その技術を求める顧客像、そしてどのような施術方針でやっていけば顧客満足度が高い状態にもっていけるのか。

これらを分析しながら、経験をつむことで、再現性の高い独自のマニュアルが出来ます。

でも、この自己分析からの自己マニュアル作成をしていない先生がとても多い。
さらにその分析がないままに、きっとこの調子なら上手くいくだろうと開業してしまう先生も多い。

恐ろしいことです。

「なぜ私を選んでくれたのか。」

これはホストクラブでも、初回のお客様に必ず聞くそうです。

「なんとなく。」
「たまたま。」

そんな答えもあるけれど、大抵はちゃんと理由があるそうです。

その理由を知っていれば、戦略的にその強みを目立たせられる。
その理由を知らなければ、勘違いした戦略をしてしまうかもしれない。

これはとても大切だと感じています。
大変な作業ですが、答えはいつもお客様側にあります。

また、お金は価値があるものに支払われます。
この価値を決めるのもお客様。
売り手側ではありません。









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