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私が人の役に立つ時
私は基本的に人の役に立たない。能力的に価値がない。私は自分のことを役たたずな人間だと思っている。思っていた、ではない。今もそう。
そんな私は、実はファンレターを逐一!丁寧に!!!しっかりびっしり書いている。毎回。
書く人は様々。漫画家からファッションデザイナーさん、とにかく「ありがたい」と思ったらとっとと書く。書く。ネットでもファンレターは送る。でも基本は手紙。
私が人の役に立てる事と言ったら、多分、「ありがとう」をしっかりと伝える事だと思った。受け取ったものを、返されたら嬉しいかもしれないなと思ったからなのもあるが、多分事の発端になっているであろう出来事がある。
昔行った同人誌即売会で、ガチで最高な小説を書く方に30分切々と「ありがとう」「マジで最高」「この作品が実はとても好きだしここがいいよね」「ありがとう」「あとこれも好きなんだよね」「ありがとう」「ここがあなたの得意なところで、ここがマジでサイコーだと思ってるところなんだよね」「ありがとう」「マジで、もう、とにかくいつもありがとう」を伝えたところ、その方がめちゃくちゃ感激してくださって(皆は手紙を渡そうね)、差し入れを逆に渡されるという意味のわからない事があったからだと思う。
なんで「ありがとう」って言いに行ってプレゼントもらってきているのか。でも感謝を言いにいってよかったなと思ったのだった。そのサークルの小説は人生で初めて「端から端まで全部下さい」をやった。あの時以外、私が「端から端まで全部下さい」と言ったことは無い。でも全く後悔はしていない。
その経験から、
「ああ、こんなに喜んでもらえるなら、感謝って本当に伝えるべきなんだな」
と思ったのです。
多分私は表現の場に身を置いていたのもあって、「オレの情熱‼️‼️‼️‼️‼️‼️」を伝えるのが上手い方なのかもしれない。でも、その時に、「こんなに喜んで貰えるなら、もっと色んな人に感謝の言葉を言っておけばよかったなぁ〜」って思ったんです。だから多分、私はファンレターを書いている。書いた先の人が喜んでくれることを祈って書いている。涙流して読み返すことは無いかもしれないけど、それでも書く。ありがとうって言うために。返事が来たことは1回もない。でも、多分気持ちは伝わるし、読んで本当に幸せになってくれたら嬉しいから、書いている。
本当はきっと、私が「ありがとう」と言われたいのかもしれない。でも、本当に最高なものを見せてもらった時、「ありがとう」って、私は言いたい。作品を作っていたり、なにかしら活動をした人はわかると思う。
作家って、自分が作ったものが、世間からなんの反応もない事が一番心に来る。
私、分かってるよ。だから書く。ちゃんと届いていますよ、と。応援していますよと。見ている人はいるんだぞ!!!!!!と。
私は基本、誰かの役に立つことはないけど、最高なものを受け取ったら「ありがとう」が言える人間でありたいと、常に思う。
「ありがとう」を言うことで、相手が幸せになってくれていたら、私も役に立っている事になるのかしら。分からないけど。
私が書いたファンレターを読んだ人が、元気で活動出来ますように。これを読んだあなたも、ちょっぴり元気になれますように。