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11.こどもに戻った気分で読もう

 英語多読を続けていくと、動植物の名前、身体の部位の名前、病気の名前など、難しいけど日常生活で使う単語と出会います。これらの単語は、英英辞典で調べても和名と結びつかないので厄介です。ファンタジーであれば動植物の名前、啓発本であれば身体の部位の名前や病気の名前が頻出します。また、読む速度の問題も出てきます。この問題にはどうやってむきあっていくのでしょうか?

 おぼえていないかもしれませんが、子供の頃、どうやって自分が言葉を見に着けていったかを思い出してみましょう。まず、単語についてです。例えば①ulcer、②pneumonia、③asthma、④Epilepsyという単語はどうでしょうか?初見の方は複雑な綴りにギョッとするとかもしれませんが、これらの日本語訳は①潰瘍、②肺炎、③ぜんそく、④てんかんです。どの単語も日常生活をしていると不意に耳にする単語ですね?英語多読でも、啓発書や洋雑誌を読んでいると自然に出会う回数が増えます。子供の頃はどうやって対処したでしょうか?それは、人に聞いたり、辞書を引いたり、文脈から推測していたと思います。これはネイティブの人が10年以上かけて徐々に身につけていったものです。単語は、一気にすべて覚えようと思わず、出会う回数の多いものから自然に覚えていきましょう。そして、覚えられなくても大丈夫です。実際、木や草花の名前などは、名前を知っていても見分けられないものがたくさんあります。慣れてくれば『あ、これ病気の名前』とか『あ、これ植物だよね』と大雑把に分かるようになってきますので、安心して対応してください。

 次に読む速さを見ていきましょう。英語多読を始めると、読む速さが全然上がらないことに悩むことでしょう。でも、ここで見ておきたいのは、ネイティブの子供がどの位の速さで読むのか?ということです。以下に、学年別のリーディング・レート(wpm: word per minutes)が分かるリンクを貼っておきますのでご覧ください。

外部リンク(PDF):学年別の最適な読書速度(黙読・音読)

どうでしょうか?なお、grade表記を日本の学年に当てはめると、次の通りになります。

80wpm:1st grade = 小学一年生 = 6歳から7歳
195wpm : 7th grade = 中学一年生 = 12歳から13歳

ネイティブの子供が80wpmから195wpmになるまでに、6年の歳月を必要としていることが分かります。ちなみに、英語が得意でない、平均的な成人が多読を開始すると、100wpm前後から始まります。英語多読を始めて数か月で読む速度を気にするには早すぎますよね?『今、何年生くらいの読書速度になったかな?』と楽しみながら読むくらいがちょうどいいと思います。ちなみに、具体的にどのくらい読めば読む速度が上がるのかというデータは見たことがありませんが、自身の経験では100wpm(wpm: word per minutes)から開始して、300万語で180wpmくらいでした。

 How to Read a Book( Mortimer J. Adler, Charles Van Doren)という有名な書籍があります。そこでは、『本を読むのを覚えるには、指導員との会話ができて、アルファベットを知っていればいい』と書かれています。極端な話でいえば、それだけできればいずれ洋書が読めるようになるのです。焦りはすてて、子供に戻った気分でのんびり英語多読を続けてみるといいでしょう。


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