見出し画像

夫が突然仕事に行けなくなった日

ついにこの日がやってきた。
朝、彼が体が重くて動けないと言う。
起きられないし職場に行けないと。
 
「そりゃそうなるわな」と、どこかホッとしている自分がいた。
やっと休んでくれる……。
すべてを投げ出し、さいあく命に関わってからでは遅いから…。
 

前日もらってきたシフト表は、デフォルトが11時間労働だった。
休みは月6回。契約書では月8回。
バカか?と思った。人間をなんだと思ってんだ。
 
その朝は彼は頑張って体調不良の病欠を自分で連絡して、わたしは仕事へ出かけた。
ゆっくり眠れるように。
彼は、日中がんばって内科に行ったようだ。
その日は「胸が痛い」と言い出したので心臓の病気だったら怖すぎるので病院だけは行くように伝えてた。
 
内科では「様子を見ましょう」という釈然としない診断。
 
わたしが夕方帰宅すると
「メンタル系のクリニックも調べて、電話をしたけれどどこも当日は無理だった」と彼が言った。
 
なんの気力も沸かないだろうに、自分で電話して偉いなあと思った。
 
夜中だったけど、
「〇〇市 うつ 相談」「〇〇市 メンタル 相談」で調べたところ、24時間、救急の精神科系相談や病院を紹介している窓口が出てきた。
 
洗濯機を机代わりに、夫に聞こえないよう電話してみた。
「どうされましたか?」とすぐに言われた。
驚きながら「夫が急に体が重くて動けないと言い、仕事に行けなくなったのでどうしたら良いかと思い…」とモゴモゴして伝えると、「ここは病院です」とテキパキ言われた。
救急だからか…!「すみません…!!市のホームページに掲載されていたのでこちらにかけたのですが、間違えたかもしれません」と伝え「とても辛そうなので、明日精神科につれて行きたいのですが…」と言うと、
とてもテキパキと3件教えてくれた。
 
最後に「今言った3件がもしダメでしたら、来週なら当院も予約ができます」と具体的な日付けを教えてくれた。
 
夜、とても心細かったので本当に頼もしかった。
市のホームページという発想は「友人がDV相談でかけた」と聞いたから思い浮かんだ。
 
ありがとう、友…。女同士の情報交換の心強さを感じた。
 
翌日の朝、電話をかけまくって、一軒行けることがわかった。
 
彼に伝えて、午後に行くことになった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?