#週刊少年マガジン原作大賞「注釈男 世界は踊る」(連載部門)
■ あらすじ
真っ赤な矢印には「この人、現在不倫中」の注釈。注釈を人に付けられる能力を持ってしまった僕。妻の不倫を暴くだけで良かったのに、世界は勝手に暴走してしまう。「注釈男」として覚醒した僕が次に付ける注釈は何か?行きつく先は世界の浄化かそれとも…。
■ あらすじ(第1話~第3話まで)
不倫の疑いがある妻に娘を連れて逃げられた僕。ある日、無自覚に「この人、現在不倫中」という注釈を不倫中の人に付けられる能力を得る。
注釈が世界を大混乱に叩き込む中、僕は自分が「注釈男」であることに覚醒し、注釈を最終形まで進化させ、妻と決着をつけることを決意する。
■ 第1話 あらすじ
凡庸で妻と娘とネットサーフィンだけが趣味のサラリーマンである僕。ある時、妻の不審な行動に気付くが、状況証拠だけで妻を問い詰めてしまい、それを否定されるばかりか、娘を連れて家を出ていかれてしまう。
仕事もおざなりになり、ネットサーフィンと泡盛に溺れた生活を送る僕。
そんなある日、不倫中の人に「この人、現在不倫中」という注釈を付けられる能力を得るが、僕はまだそれに気づいていない。
■ 第2話 あらすじ
世界中で「この人、現在不倫中」の注釈が大混乱を巻き起こす。日本でもあちらこちらでトラブルが発生している。
注釈は、鏡や映像には映らず、肉眼でしか確認できない。不倫者は、社会に出ることができなくなり、ひっそりと身を隠し、あるいはリモートで仕事をするようになる。
政治家の失脚や宗教的殺人が相次ぎ、国もなす術がない。
そんなある日、僕は偶然に妻と遭遇する。
■ 第3話 あらすじ
偶然、妻に遭遇した僕は、妻の注釈を確認するが、妻は強弁し不倫を認めない。
無力感に捕らわれた僕は、またネットと泡盛に逃げるが、無自覚に注釈の内容を詳しく進化させてしまう。
さすがの僕も、注釈を付けたのは自分ではないかと思い始め、思考錯誤の末、「注釈男」として覚醒し、「注釈の最終形」にたどり着く。
不倫の詳細な情報が注釈に書かれ、さらに動画や写真でも確認できるようになった。
有名人の不倫も次々に暴かれていく中、僕は妻を探し出して決着をつける決意をする。
以下、参考
■ あらすじ(第4話~第9話)
妻との再会で詳しい注釈を確認し、溜飲を下げたかに思えたが、結局、事実は自分も傷つけるものだと悟った僕は、不倫の注釈を消し、注釈男の能力を封印することとした。
死んだように生きる僕と裏腹に、世界では「注釈男」が神格化され、「注釈男の意志」を名乗るカルト集団が、注釈男を復活させるため「注釈男データベース」に基づいた殺人を繰り広げるようになる。
自分の意思とは無関係に注釈男が神格化されることに嫌気がさした僕は、注釈男として復活し、「殺人」の注釈を付け、カルト集団を一掃する。
「注釈男」としての存在意義に悩む僕は、注釈の能力が世界を誠実で美しいものに変えることに賭けることにする。
2年間にわたり様々な注釈を付けた結果、世界は信頼や信用という概念が消え失せ、荒れ果てたものとなった。そして、注釈男は世界で一番忌み嫌われる存在になった。
絶望した僕は、これまでの注釈を消し去り、自分に「この人、注釈男」の注釈を付け、憎しみが渦巻く街に歩き出した。