スポーツ観戦の未来について
今回のW杯の試合観戦に関しては、テレビは一切使わず、ABEMA-TV一択であった。たぶんそういう人が多かったのではないか。
今回、ABEMA-TVでの観戦を体験してみて、「これだとTVは負けるな」と思った。
まず、「マルチアングル機能」で、いろいろな角度から撮影したカメラ映像を視聴者が自分で選択できることである。
また、見逃し配信やハイライトももちろん視聴可能である。
「マルチアングル機能」は、今後の活用次第では、なかなか有望であると思う。サッカーの場合、ピッチ全体を俯瞰するようなアングルで見ることができると双方のチームの戦術的な駆け引きがよりわかりやすくなるので、そういうアングルからずっと見ていたいと思う視聴者もいるだろうし、ひいきのチームのネット裏からずっと見ていたいと思う視聴者もいる。個々人の好みによって楽しみ方を選択できるのはテレビにはない機能である。
メタバースと融合すれば、3次元空間で、まるでスタジアムで観戦しているような臨場感ある体験も可能になるのではないか。
音楽のライブ配信もスポーツ観戦も、もちろんリアルな臨場体験がいちばん優れているとしても、ネットでのヴァーチャルな体験がリアルに限りなく近づくようにもなるだろうし、リアルとは別の次元で違う楽しみ方ができるようにもなるだろう。そうしたことは、既にやろうと思えば技術的にはやれるところまで来ていそうである。
音楽のライブにしても、スポーツ観戦にしても、リアルな体験に関しては、コンサートホールやスタジアムの物理的な収容人数という制約から逃れられないが、ヴァーチャル体験に関しては物理的な制約がない。国境の制約もない。今回のABEMA-TVは無料であったが、魅力的なコンテンツさえ用意できれば、有料化も可能であろうし、莫大な利益を稼ぐことも不可能ではない。
海外ではスポーツ配信によるベッティング(賭け)の解禁と拡大が見込まれている。日本で賭けが解禁されるか否かは微妙であるが、仮に解禁されたならば、もっと巨額のおカネが動くのであろう。
以上のようなことを考えると、テレビはもう「オワコン」なのかもしれないし、現在のテレビ放送も将来的にはすべてネットの世界に飲み込まれてしまうような気がしてきた。
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