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「東京で老いる」について
日経電子版を見ていて、「東京で老いる クイズで知る超高齢化都市」という記事を見つけた。
<世界で最も高齢化が進む日本。地方から若い世代が流入し続ける首都も急速に高齢者が増えている。「東京で老いる」。その現実をクイズ形式で紹介する。>
3択のクイズ10問によって、東京の高齢化について学ぶことができる。
僕もクイズを解いてみたが、正答率は半分ほどであった。
思ったよりも、東京23区内の戸建て持ち家の保有率が高いこと(35%)が意外であった。ただし、全国平均70%と比べると、半分にとどまる。
23区内の80歳以上の1人暮らしの人の1ヶ月の平均支出額(18万円)も、「高いな」と思った。東京で生きていくには、固定費が高くつくのであろう。単身者というのはコスパが低いのだ。でも、この生活費を賄うに足るだけの年金をちゃんと受給できているのであろうか。
一方、都内の65歳以上の夫婦のみの世帯で、貯蓄が2000万円以上ある割合は、32%しかない。1000万円以上でも半数とある。「貯蓄はない」という回答が7%ということなので、持つ者と持たざる者の格差がありそうである。
23区の75歳以上で仕事をしている人の割合が、17%もあって、全国平均よりも高いのは、働かなければ年金だけでは食べていけないからであろう。
僕ならば、東京23区内などという生活コストの高いところで生活するのをやめて、どこか他の場所への移住を検討するであろう。
地方に移住すれば、空き家になっている中古住宅くらい、いくらでもありそうである。東京23区内の持ち家を処分すれば、住宅を買い替えても、多少の現預金は手元に残るだろうし、生活コストを大幅に改善できそうである。無理に働かなくとも、年金受給額で十分に生活できるのではないだろうか。
ただし、とんでもない僻地はやめた方が良い。高齢者になると、病院や商店街が、できるだけ生活圏にあった方が良い。クルマだって、いつまで運転できるかわからないからである。
経済評論家の森永卓郎は、「トカイナカ」への移住を推奨している。本格的な田舎ではなく、かと言って、都会でもない。そういう、都会と田舎の中間地帯くらいで、不動産の安いところに住むと生活コストを劇的に改善できるのだと。
できれば、中古住宅と畑と山をセットで購入すると良いらしい。彼いわく、これら3点セットで100万円くらいで買える場所がいくらでもあるとのことであるが、それはどうであろうか。そこまで安いと、かなり交通の不便な場所であろうし、家屋の修復に経費がかさみそうである。
畑で自分が食べるくらいの野菜を自給自足する。太陽光発電で電気代を節約する。それだけでも、固定費はかなり改善される。
もしかしたら、東京23区内に無理に住み続ける必要はないということに気づくだけでも、生活のクオリティを改善できるのかもしれない。
同じことは、大阪とか名古屋みたいな大都市圏でも言えることである。都市部から少しだけ田舎に目を向けてみるのだ。
昨日、ちょっとした用事があって、大阪府柏原市というところまで行った。鶴橋駅から近鉄電車で約30分程のところである。大阪市内に住む人間にとっては、田園風景が広がり、山々も近くに見える。駅から遠いと不便そうであるが、最寄り駅から徒歩圏ならば、僕でも十分に住めそうである。
電車に乗って1時間以内で都会に出ることができるようなエリアに目を広げれば、大阪周辺でも生活コストの安そうな場所はいくらでもありそうな気がした。