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兎角日記〜多様性に配慮した教育現場もどき〜

こんにちは。
硫化カピバラです。
外で元気に遊んでいる
子供たちを見ると、
熱中症が心配になります。

今回はずっともやもやしていた
仕事でのあるシーンについて
書いていきます。

ほぼ新任の僕は
先輩教員の背を見て、
授業の進め方を
勉強させていただく日々です。

教育実習とは比べ物にならない
ボリューム感の日々に
毎日大変ですが、楽しいです。

今は夏休みに入って、
大分仕事が落ち着いてからも
1つモヤモヤしていることがあります。

以前触れたLGBTQ+についての件です。

僕の担当教科は音楽です。
専門としている校種は中学校、高校ですが、
専科教員として、小学校で働いています。

記憶を辿っていただくと、
あるいは子育て時代を振り返っていただくと
イメージしやすいかもしれません。

小学校は中学校よりも
扱う楽器が多いです。
吹奏楽部などを考えれば
当然中学校の方が専門性が高いです。

しかし授業内で、
様々な楽器を使った大規模な合奏を
行うのは小学校の方です。

基本的に全児童が
ソプラノリコーダーと
鍵盤ハーモニカをある程度演奏することが
できるように指導します。

鍵盤ハーモニカは
ご存知の通り、
ホース状の唄口(マウスピース)を
装着し、息を吹き込み鍵盤を押すことで
音を出すことができる楽器です。

このホース状の唄口の管理について
学校によるのかもしれませんが、
僕の勤務先では
破損や紛失、衛生面の問題も考慮し
教員が都度預かり、
使用時には児童たちに配らせます。

問題はこの唄口と、
音楽室の棚に収納してある
個々人の楽器本体のケースを
配布するときの方法です。

特に低学年は
一度に全員が動き出すと
衝突やおふざけ、喧嘩などが
勃発する可能性があります。

ですので人数を分けて、
まず楽器を全体に配り、
その後唄口を配る、
という手順を取ります。

楽器を配ってくれた子たち
じゃない方が唄口を配ります。

児童たちを2チームに分ける際に
先輩教員は「男女」で分けました。
これがジェンダーについて
思うところがある僕は、
少し違和感を覚えました。

昨今コンプライアンスが
重視されているのに、
義務教育の場である小学校で
そういった分け方をして良いものか?と

そこまで敏感になるのも
僕自身、自分が小学生だった頃と
教育現場が相当様変わりしているのを
教育実習の時に感じたからです。

ご存知の方もいるかもしれませんが
児童生徒の名簿で
特に中学校からは、
男子生徒が上、女子生徒が下、
となっている場合が多かったです。

しかしこれが男尊女卑的である
といった旨(だったと思います)で
性別関係なく名前順になったそうです。

そんな風に教育現場は世相に応じて
日々少しずつですがアップデートされています。

それを知っていたからこそ
僕は先輩教員の
男女で役割を分けるのが
違和感でした。

先輩教員にその件について尋ねてみると、
「大丈夫ですよ、大丈夫だと思います。
◯年生には性同一性障害の子がいるので
その学年ではしませんが。
他の学年は特にそういった配慮が必要な子は
いませんので、問題ないです」と。

とてもおかしな話ですよね。

なぜ他学年にはジェンダー面で
配慮が必要な子がいないと
断言できるのでしょうか?

小学生という年齢を考えると
ジェンダーについてまだ自覚的でない
可能性は高いです。

しかし気づいていても
誰にも言えないでいる場合も、
性的マイノリティには
よくある話です。

世間体や恥の意識、
親から強烈に否定された経験などが
それを助長してしまうのでしょう。

ともかくジェンダーという
デリケートな問題に関して、
該当する児童はいない、と断言するのは、
なんとも気持ちが悪かったです。

僕自身も
高校生ぐらいの頃から
保健の授業で、性の多様性について
扱われるようになってきた時に、
辛かったのを覚えています。

「世の中にはこういう人がいるんだって、
配慮が必要なんだって」
まるで噂話や、
はたまた最近発見された新種の生物について
扱っているような感じでした。

「この生物を保護するためにも、
環境に配慮しようね」
と似たようなテンションで
「こういった人たちを保護するためにも、
扱いに配慮しようね」
と。

我々は動物でも、
“扱い”に配慮される珍しいペットでも
ないはずです。
それが嫌で、当時僕は怒りに震えていました。

他にも色々あって、
未だに保健体育の教員は苦手です。
それはまたいつか。

以前として教育現場の、
ひいては教員一人一人の
意識の低さ、というよりも鈍さが
とても気になりました。

僕は大丈夫だと思う、
と言われながらも
どうしても必要じゃないシーンで
男女で子供たちを分けたりしたくなかったので、
小学生には少し難しいですが
出席番号が奇数か偶数かで分けています。

奇数偶数がわからない場合が多いので
都度奇数偶数について
黒板やホワイトボードに
説明を書いて、行動させています。

僕のモヤモヤは
過敏すぎるのでしょうか?
しかし過敏な子たちは、
きっと静かに
傷ついているのではないでしょうか。

硫化カピバラ

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