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兎角日記〜うちの可愛い子の話〜

こんにちは。
硫化カピバラです。
通勤経路の道端の
エネコロ草がぼうぼうに茂っています。

エネコロ草(ネコジャラシ)はイネ科だそうですね。
イネ科の植物は色々な地域の色々な生き物の
メインの食べ物になっています。
人間もコメを食べますね。

カピバラをはじめ齧歯目たちも
チモシーという感想した牧草を
主食として食べています。
青々した柔らかいものも好きなのですが、
延々伸び続ける歯のためには
かたく干してあるチモシーが良いのです。

我が家には可愛い王子様がいます。
ロップイヤーラビットのコッペくんです。
うさぎは実は重歯目(ウサギ目)といって
カピバラとは区分が違うのですが、
同じく歯が一生伸び続ける生き物です。

うちのコッペくんは
オレンジと呼ばれる毛色の男の子です。
垂れ耳うさぎで男の子、は
一般的に非常に懐っこいらしいのですが
コッペくんはちょっとクールガイです。

なでなで大好きで
いつだって撫でられたいのに、
自分からは撫でられにきません。
あくまでお前らが来いよ、の姿勢を崩しません。

甘やかしすぎてしまったのか、
ケージの外に出たかったり、
気に食わないことがあると
フィダーに入れたチモシーをばら撒いて
猛抗議します。
最悪、くずくずになったチモシーを入れている器を
咥えてぶん投げます。

ちなみにこんなふうに大暴れしているときは
大体赤ちゃんと一緒で、
眠いのに寝付けないから暴れているのです。
ケージを少し開けて、優しい声で話しかけながら
なでなですると寝てしまいます。

これがたまらなく可愛いのです。

うさぎは声帯がないので
声を出すことができません。
ですが気管を空気が出入りする音を
出すことはできます。

声というより、ぶっぶっと
鼻を鳴らすような音です。
コッペくんはあまり鳴きませんが
ぷうぷうイビキをかきます。
この音が可愛くて、
彼が寝ているといつもニヤニヤしてしまいます。

そんなコッペくん、
彼も例に漏れず持病持ちです。

僕の家族はみんな何某か疾病を抱えています。
父:家族だと思っていないのでノーカウント
母:喘息
僕:ADHD、ASD、先天性代謝異常、解離性同一性障害
妹:先天性代謝異常
(仮に父を頭数にいれるとして、
父も未診断ではあるがほぼ確実に発達障害)

コッペくんの場合
てんかん発作があります。
中でも特発性てんかんと言って、
若いうちに発生するものです。
この病気は遺伝性が示唆されたりと、
生まれ持った、という側面が強いです。

てんかん発作は、
当然ただ痙攣するだけではありません。
痙攣し、意識を消失している間、
脳の細胞が少しずつ壊れていくのです。

発作を繰り返せば
いずれ生命維持に必要な脳の機能まで蝕まれ、
命を落としてしまうのです。

コッペくんは1日2回
お薬を飲んでいます。
今飲んでいるお薬は大分相性が良いようで、
ほとんど痙攣を起こさなくなりました。

合う薬を見つけるまでとても大変でした。
コッペくんは体が平均的なうさぎさんより
大きいので、普通の量では効かなかったりして、
試行錯誤が必要でした。

心強い主治医のもとで
今は元気に過ごしています。

この病気は一生付き合う病気です。

一生付き合う病気。
僕も、母も、妹も
聞き慣れてしまった言葉です。

母は最初コッペがなぜこんな病気に
生まれてしまったのだろうか、と嘆いていました。
しかし僕と妹の考えは少し違いました。
「コッペはきっと、
僕らが病気に慣れていることを知っていて、
僕らなら大丈夫だって思って我が家に来てくれたんだよ」
と。

病気で生まれて得したことは一つもありません。
病気はあくまで障壁、障害です。
病気だからこそ、というのを言っていいのは
当事者だけです。
健常な人間が傲慢に
病人や障害者に押し付けていいものではありません。

でももし、
僕が病人として、当事者として
病気だからこそ、を見出すのであれば。
コッペくんに出会えて、
彼を健やかにケアしてあげることができる。
これにつきます。

今日もあの可愛いふわふわに
早くただいまを言いたくて、
定時に全力で退社します。

硫化カピバラ

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