魔王 Erlkönig von naruko
シューベルトの魔王を基に書いた詩。
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魔王 Erlkönig von naruko
風の夜
父子は馬を駆り 歩く
子は馬にしがみついて歩く
強い風雨の夜だった
子供は顔を隠す
そこに魔王がやってくる
坊や何を恐れている?
魔王は誘惑する
私と共に行けば
すべては良くなるよ
楽しく 楽しく 生きていける
人生は成功するよ?
たのしもうよ!
魔王はそう言うと
姿を踊り子になって
鳴子を両手に持ってかき鳴らして踊っていく
笑顔で踊り 舞う
坊や 坊や
楽しいよ 笑顔になれる
歩く森はざわめく
お父さん お父さん
魔王が誘惑してくる
お父さんには何も見えない
魔王は姿を変えて
踊り子の娘になり
鳴子をかき鳴らして 笑顔で踊る
踊りましょう 踊りましょう
楽しくなれる
子供は翻弄される
あなたはかわいい子
あなたの思い悩みは
私に話せば かいけつされるわよ
娘の誘惑と哀れみ
優しく促されても 何も解決はされない
娘は 優しそうな顔をしても
誰かは突き放されていった
無関心はフリの顔で
お父さん お父さん
そこに 魔の娘がいる
娘に姿を変えた 魔王が
さぁ 誘惑してやろう
私と私の娘の虜にしてやろう
おとうさん おとうさん
鳴子の音が怖い
坊や 坊や
誰も聞こえやしないよ
魔王は子供を つかんでいく
お父さん お父さん
騒ぎ立てる声が聞こえてきて
可笑しくなりそう
坊や 気のせいだ
おとうさん おとうさん
魔王がやってくる
夜が明けるころ
子供の魂は さらわれていった
気づいた時に
子供は息絶える
かき鳴らした 鳴子の音が
子供をさらっていったのだった