150人限定。
一言でいうと
人は150人以上との付き合いは難しくなる
活用シーン
組織の設計
内容
霊長類において、グルーミング(毛づくろい)において、社会的関係は維持される。
人間はさすがにグルーミング行動は行わないものの、一定頻度の連絡を取り合うことである程度の社会的な関係性を保とうとする。
しかし、人類学者のロビン・ダンパーは人間がその関係を保てる限界は、150人~230人と指摘している。
また、マルコム・グラッドウェルは会社の規模が150人を超えると生産性は急激に低下し、組織を小さな集団に分割することになる、という。
最新のダンパーの調査においても、SNSなどのツールで1000人以上の友人がいるパワーユーザーでさえ、普段連絡を取っている人は150人ほどにすぎず、その中でも特に緊密に結びついている人は20人未満である、という。
『思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方』
デイヴィッド・マクレイニー (著),
この150人という「ダンパー数」は以前にも取り上げたような記憶がありますが、再掲になります。
少し補足をすると、サルなどのグルーミング行動は、虫やごみを取り除く作業と思われがちですが、それだけではないようです。実際にそういった実利のある行動でもありますが、大半の時間はむしろ、コミュニケーションのボディタッチのようなものなのだそうです。
霊長類はそういった行為をすることで「あなたを傷つけないよ」と主張し、そういう行為に身を任せることで「あなたを信用しているよ」とメッセージを送っているのだ、と何かで読んだ記憶があります。すると、一頭一頭に相応の時間を割こうとすれば、やっぱり限界がある。ということで、霊長類の群れには一定程度の数量的な限界があるようです。
もう一つは、そのグループの構成員のことを常に気にかけておく必要があるため、そこを司ると考えられている大脳の新皮質の大きさとグループ運営が可能な限界数に相関関係があります。
さて、ダンパーの研究によると、メールやSNSが発達したこの世の中で、5000人の友達を誇る人もいますが、それでもコミュニケーションをとれる限界はせいぜい150人。この限界値は、大脳が進化しなければどうやら変わらないようです。
もう一つ興味深い指摘は、マルコム・グラッドウェルによる企業の組織は150人が限界という話。会社やその他組織を運営する方は、知っておいたほうがいいかもしれません。このレベルになると、階層組織が必要になり、生産性が落ちるそうです。
昭和時代はこれをスケールメリットで補ってきたわけですが、限界費用(ある製品をロットを増やすと増えるコストのこと)がゼロと言われ始めているなかでは、大きな組織は生き残っていくには一工夫必要なのかもしれません。
ワタシ、こんな本書いてる人です(^^)/
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