塔の上のラプンツェル ネタバレ感想
毒親の話で引用される事もあるラプンツェル。
赤ちゃんの頃から塔に閉じ込められ、やっと脱出したのに、
外に出た喜びや爆発的な解放感と、母親(と思い込んでる)ゴーテルに対する罪悪感で自分を責める気持ちで揺れ動く。
公式動画のタイトル「感情のジェットコースター!こういう時たまにあるよね?」があまりにも能天気でちょっと腹立つ。
ラプンツェルはゴーテルを母親だと思い込んでいるし、ほとんど他の人間と接していないので、自分を外に出さないのは「おまえのため」という言葉を信じている。実際ゴーデルはゴーデル自身のためにラプンツェルを利用しているだけなのに。
ラプンツェルの本当の両親が、ラプンテェルが戻ってくることを祈って空に上げていたランタンが、ちゃんと、ラプンテェルのところに届いて「見たい」「外に出たい」という気持ちになっているのが、両親の思いが届いているようで切ない。
ラプンツェルが天井などに描いていた絵から、もともといた国の紋章が浮かび上がってきて、記憶がよみがえってくるシーンは鳥肌もの!
自分が赤ちゃんの時に見ていたものを無意識に繰り返し描き続けていたのだ。
ラプンツェルが、自分に対する愛情のかけらもないゴーデルに、離れることに強い罪悪感持つ程の感情を持っていたのは、子供が生き延びるための無意識の戦略だったのかもしれない。唯一の世話をしてくれる大人に悪意があったとしても、愛着を持ってしまうのかも。
ゴーデルはラプンツェルに全く愛情を持っていないように見えたので、かえってすっきり。育てる過程で少しは愛情が出てきてもおかしくはないだろうに。
別の角度からは、ラプンツェルが、本来の自分の姿を発見して、長年の、外側と内側の制限を外して活き活きと暮らすようになる物語、という見方もできる。
そういう事考えなくても、冒険あり発見あり、悪者がやっつけられて良い人たちが幸せになるお話…として、誰もが楽しめる映画になっている。
ディズニー+ 塔の上のラプンツェル
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