楯岡かおる
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塔の上のラプンツェル ネタバレ感想
ラプンツェルが本来の自分を思い出すシーンに感動した。 毒親の話で引用される事もあるラプンツェル。 赤ちゃんの頃から塔に閉じ込められ、やっと脱出したのに、 外に出た喜びや爆発的な解放感と、母親(と思い込んでる)ゴーテルに対する罪悪感で自分を責める気持ちで揺れ動く。 公式動画のタイトル「感情のジェットコースター!こういう時たまにあるよね?」があまりにも能天気でちょっと腹立つ。 ラプンツェルはゴーテルを母親だと思い込んでいるし、ほとんど他の人間と接していないので、自分を外に出さないのは「おまえのため」という言葉を信じている。実際ゴーデルはゴーデル自身のためにラプンツェルを利用しているだけなのに。 ラプンツェルの本当の両親が、ラプンテェルが戻ってくることを祈って空に上げていたランタンが、ちゃんと、ラプンテェルのところに届いて「見たい」「外に出たい」という気持ちになっているのが、両親の思いが届いているようで切ない。 ラプンツェルが天井などに描いていた絵から、もともといた国の紋章が浮かび上がってきて、記憶がよみがえってくるシーンは鳥肌もの! 自分が赤ちゃんの時に見ていたものを無意識に繰り返し描き続けていたのだ。 ラプンツェルが、自分に対する愛情のかけらもないゴーデルに、離れることに強い罪悪感持つ程の感情を持っていたのは、子供が生き延びるための無意識の戦略だったのかもしれない。唯一の世話をしてくれる大人に悪意があったとしても、愛着を持ってしまうのかも。 ゴーデルはラプンツェルに全く愛情を持っていないように見えたので、かえってすっきり。育てる過程で少しは愛情が出てきてもおかしくはないだろうに。 別の角度からは、ラプンツェルが、本来の自分の姿を発見して、長年の、外側と内側の制限を外して活き活きと暮らすようになる物語、という見方もできる。 そういう事考えなくても、冒険あり発見あり、悪者がやっつけられて良い人たちが幸せになるお話…として、誰もが楽しめる映画になっている。 ディズニー+ 塔の上のラプンツェル https://www.disneyplus.com/ja-jp/movies/tangled/3V3ALy4SHStq?cid=Corporate-DisneyGeneralSite-DisneyJP-Disney-Engagement-GeneralWeb-JP-Disney-General-JA-Homepage-webdis-NA
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インド映画「花嫁はどこへ」ネタバレ感想
花嫁はどこへ 公式 https://movies.shochiku.co.jp/lostladies/ 取り違えられた花嫁たち、二人ともまだ十代。一人は本当に子供。 電車に乗った駅の名前も、これから自分が嫁いでずっと暮らしていくであろう村の名前も、もちろん降りる駅の名前も知らない。 でも、家事全般ばっちりだし、料理は他所のうちの台所でもお菓子作れる位に鍛えられてる。 自分が何も知らない…という事も知らない。 花嫁取り違えた花婿の実家も、女性たちは、男性の好みに合わせて料理を作るのが長すぎて自分の好みが何かもわからなくなっていたり、友達もいないよう。 だいたい、嫁ぎ先では家事労働の担い手なのに、持参金までつけなきゃいけないってどういう事? 取り違えられた方の花嫁は何百人もいる高校で成績一位なのに、大学進学も認められず、とにかく金持ちの家に嫁ぐ事を親に決められてしまう。この子はとても賢いし、自分の事だけ考えたら逃げ出せばよかったのに、残って迷子になったもう一人の花嫁探してあげる位優しい。 悪徳賄賂警官に見えた警官が、最後、ちゃんと彼女の事を守ってあげたのが、意外だし、感動しました。 もしかしたら賄賂はそれなりにもらうけど、仕事熱心なだけかもしれない。彼女の行動を監視していたのも彼なりの正義感だったのかもしれない。 女性たち自身が、自分のおかれている不自由な状態に気づいていなかったり、気づいても抜け出せなかったりする姿は見ていてしんどかったです。 この映画では、若い何も知らなかった花嫁は、自分でお金稼げることも自分が何も知らないことにも気づけたし、もう一人も、ちゃんと大学に行けたのが本当に良かった。二人とも、これから道をどんどん切り開いていけそう。 変えれなくなった花嫁を助けてくれた人たちも本当に良い人たちで。途中ちょっとしんどくなる時もあったけど、感動できる映画でした。
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花嫁はどこへ ネタバレ無し感想
インド映画「きっと、うまくいく」のアミール・カーン制作。インド映画なのに、登場人物が歌わないし踊らない。(笑)時間も二時間弱と見やすい! 米レビューサイト「Rotten Tomatoes」で満足度100%続出、というのも納得でした! ありえないけど、この条件がそろえばあり得るかも…という事情で花嫁が移動の途中で入れ替わりいろんな事情でなかなか戻れず… 予告でも出てくる取り違えられた花嫁は本当にまだ子供。 インドの農村の女性が置かれている状況がしんどすぎて、見るのがつらい部分もありましたが、アミール・カーンが制作なだけに? ちゃんと希望の持てる、前向きになれるエンディングでした。 笑えるシーンも、感動するシーンも、ちょっとした謎解きシーンもある、見てよかった映画です! 「花嫁はどこへ」公式サイト https://movies.shochiku.co.jp/lostladies/