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シンプル素材で滋味深い、おうちで作るラーメンスープ

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今回お届けするのは、鶏スープのシンプルラーメンです。昆布と煮干しのだしに鶏ひき肉を加えて2段階でだしをとったスープはすっきりとしつつも濃厚。シンプルながら本格的な味わいの一品です。

この記事は2021年cakes連載の再掲記事です。

鶏と煮干しのあっさりラーメン

『スープ・レッスン』今回はちょっと趣向をかえて、ラーメンスープを自作してみましょう。味のイメージは鶏を中心に、煮干しと昆布をいい感じにブレンドした、あっさりした醤油ラーメンです。

もちろん、かえしやネギ油も自作。構えなければ近所のスーパーで買える本当にシンプルな材料と調味料で、とっても簡単に作れるんです。お店の複雑なラーメンの味わいとは対照的な、鶏のうまみにほんのり煮干しの香る、シンプルラーメン。きっとやみつきになると思いますよ!

ラーメンは複数の作業を行い、できたものを合わせて作る料理です。作り方の前に、図解で段取りを示しますね。休みの日などに、ぜひトライしてみてください!

作り方

材料  所要時間 1時間20分

Aスープ(4人分)
 鶏むねひき肉 300g
 煮干し 15g
 昆布 15g
 水 1400mL
Bかえし(4人分)
 醤油 大さじ3
 みりん 大さじ3
Cネギ油(作りやすい量)
 長ねぎ 1本
 サラダ油 200mL
D仕上げ(2人分)
 ラーメン(乾麺・生麺) 2玉
 塩 小さじ2/3
 胡椒 少々
 きざみ青ネギ 適量

1.スープを作る
昆布と煮干し、水1200mLを鍋に入れる(30分ほど浸けておくとさらによい)。
鍋を中弱火に20分かける。昆布だけを引き上げて火を止め、そのまま15分放置してから煮干しを引き上げる。
鶏ひき肉をボウルに入れ、水200mLでのばして鍋に少しずつ加え、中弱火で加熱する。沸騰させないように火を加減しながら15分煮る。火を止めて静かにザルでこす。

2.かえしとネギ油を作る
かえしを作る。しょうゆとみりんを小鍋に入れ、沸騰させてみりんのアルコールをとばす。
ネギ油を作る。長ねぎの白い部分をみじん切りにしてサラダオイルと一緒に鍋に入れ、ねぎの青い部分もちぎって大きめのまま入れ、ごく弱火でネギが色づくまで10分ほど加熱する。ねぎの青い部分はとりのぞく。

3.ラーメンに仕上げる
どんぶりにかえし大さじ1と塩小さじ1/3(2g)と胡椒少々、ネギ油小さじ2を入れておく。
鍋に湯(分量外)をわかし、1のスープもあたためる。
麺をゆでている間にスープ300mLをどんぶりに注いで軽く混ぜる。
麺をザルで湯をよく切って入れ、刻んだ青ネギを散らす。

レシピのポイント解説

・スープは煮干し→鶏ひき肉の2段階でとる!
・かえしとネギ油は目を離さずに
・仕上げは段取りを頭に入れてから!

1.スープは煮干し→鶏ひき肉の2段階でとる!

ラーメンスープを作ります。まず昆布と煮干しでだしをとり、昆布と煮干しをひきあげてから鶏ひき肉を加えて再度煮出す、この二段階で行います。鶏ひき肉は短い時間でスープがとれるので後入れです。段取りを頭に入れたらさっそくスタート!

鍋に煮干しと昆布を入れ、水1200mLを注ぎます。

昆布と煮干しはあらかじめ30分ぐらい漬けておくとだしが出やすい

鍋を中弱火にかけ、20分ほど煮ます。沸かしてはいけません。鍋がぷつぷつ言っている状態のまま時間がきたら、昆布をひきあげてしまいましょう。これ以上昆布を煮出すと昆布くさいスープになってしまうからです。

生臭いスープになってしまうので、煮立たせてはいけない

煮干しは入れたまま火を止め、15分ほど放置します。15分経ったら煮干しも引き上げます。

15分たったら、煮干しもひきあげる

昆布と煮干しのだしで、続けて鶏ひき肉を煮ます。通常はガラを使ったり、手羽先などでスープをとりますが、ひき肉だとあっという間に濃い鶏スープがとれます。むね肉を使うとすっきりうまみのあるスープになります。

ひき肉は、200mLの水でドロドロに溶きます。湯の中に入れるので、塊のまま入れるとうまくほぐれません。

水でむらなく溶いておく

煮干しを取り除いたスープにひき肉を流し入れてそっと混ぜ、ふたたび中弱火にかけます。昆布や煮干しと同じく、絶対にボコボコ沸かしてはいけません。沸きそうならすぐ弱火に切り替えましょう。
途中で1回、鍋底にひき肉がつかないよう、ゴムベラなどでものすごくスローに鍋底をこそげるようにします。さらに火を入れていくと白いアクが浮いてきますが、気にせずそのまま煮続けます。15分ほど煮出します。

アクはとらず、かきまぜないで煮ていく

静かに静かに加熱していると、スープがだんだん澄んでくるはずです。ここで火をとめます。長時間煮込む必要はありません。

そっと箸などで穴をあけると、澄んだスープが見える

ザルにペーパーなどを広げて、少しずつ漉していきましょう。クリアなスープになっているはず。
もし多少濁ってしまってもラーメンに仕立てれば気になりません。どんどん進めていきましょう。

ザルの目が粗いときはキッチンペーパーなどをひくとよい

このレシピで、1200mLちょっとスープがとれるはずです。4人分のスープなので、1200mLに足りない場合は水を足しておきます。2人家庭などですぐ食べないときは、スープは冷凍保存がおすすめです。

ちなみに濾したひき肉、味は抜けていますがまだ食べられます。醤油と砂糖でそぼろにしたり、あんかけにしてスープの具にしてもいいと思います。

2.かえしとネギ油は目を離さずに

さて、続いて醤油だれとして使うかえしと、香味づけのネギ油を作ります。

かえしは簡単。みりんと醤油を半々で鍋に入れて煮立て、みりんのアルコールを飛ばすだけ。スープの味付けに使います。できたら別の容器などに移しておきましょう。

あまり煮詰めすぎると味が濃くなってしまう。沸かせばOK

続いて、ネギ油です。ネギの白いところだけをみじん切りにします。これを小鍋に入れ、サラダ油を注いで、ごく弱火で加熱していきます。白いネギだけでなく、青い部分も入れますが、こちらはみじん切りにせずに、青いところをむしって入れておきましょう。

青い部分は後で取り出すので大きいまま

火が強いとあっという間にネギが焦げてしまいます。ネギを黒くなるまで焦がしてしまうと失敗でやり直すしかなくなるので、ゆっくり火を通してください。ネギの端の方から茶色になっていきますので、目を離さないようにして加熱します。火が強すぎると感じたら一度コンロからはずしてもかまいません。

全体にネギが茶色く色づいたら、火を止めましょう。長ねぎの青いところは取り除きます。

すぐ火からはずして濡れぶきんなどに置いて粗熱をとる

ネギ油は1カップほどできます。ラーメン以外ではチャーハンや野菜炒め、スープなど、中華系の料理になんでも使ってください。漉しておくとより使いやすくなります。

3.仕上げは段取りを頭に入れてから!

ここまでできたら、もう完成は目の前です! 最後の仕上げは段取りをしっかり頭に入れてから。まず、この解説を読んで、道具をととのえてからはじめます。

手順は
①麺の湯をわかしてスープをあたためる。青ねぎなどトッピングを用意する
②どんぶりを用意し、かえし大さじ1、塩小さじ1/3、ネギ油小さじ2を入れる
③麺を茹でている間に、熱いスープを丼に入れておく
④麺を湯切りし、どんぶりに入れ、トッピングする

調理自体は全く難しくないのですが、慣れない人は、なるべく1人前ずつ作るほうがいいと思います。

麺は、乾麺でも、生麺でもどちらでも構いません。スープがあっさりしているので細麺が合います。私はマルタイラーメンをスープ抜きで使うことも多いです。

マルタイラーメンの、細くてまっすぐな麺がぴったり

スープは麺を茹でる前に熱くしておいて、どんぶりに入れたタレ、塩、ネギ油に注ぎます。胡椒を入れても。あとは、ゆでた麺を入れるだけです。好みでにんにくのすりおろしやごま油など、ほんの少し加えるとパンチが出ます。

スープはお玉かカップできちんと量をはかって作る

おうちラーメンの幸せ

ラーメンはスープが命です。家でラーメンを食べるときはインスタントラーメンやカップラーメン、生麺でも、最初からついているスープの素を使うことが多いと思いますが、今回のようにごく簡単なスープでも、コツをおさえて手作りすると驚くほどおいしいラーメンが食べられます。

店のラーメンは時間と手間をかけて作る複雑な味わいが魅力。いっぽう家のラーメンは、なるべくシンプルにスープをとって、作りたてを食べるのがおすすめです。今回はかえしやネギ油もフルで手作りしましたが、市販の付属のスープをこの手作りスープで割るだけでもまったく違います。

スープをマスターしたら、具材も工夫して、楽しいラーメンライフをお楽しみください!

【アレンジ】味付けやトッピングでラーメン屋気分

基本のレシピでは最もシンプルな醤油ラーメンを紹介しましたが、自分で味や具材を変えたり足したりすると、ラーメン屋気分が味わえます。

塩ラーメン

塩ラーメンにしたいときは、かえしを使わず、塩小さじ2/3(4g)とネギ油をスープ300mLで割ります。ラーメンスープは少ししょっぱめ、塩分1.3%ぐらいがおいしく感じるのです。鶏がベースのスープなので、ゆず胡椒などが合いますよ!

チャーシュー、メンマ、ゆでたまごのせ

チャーシュー、メンマ、ゆでたまごなどのせると、店で食べるようなラーメンができます。もちろんチャーシューなどまで手作りしてもいいのですが、家のキッチンだとそれほどスペースがないので、買ってきたものをうまく利用して、作業がスムーズに流れるようにしましょう。

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今回は通年で作れる定番スープをご紹介しましたが、「スープ・レッスンseason5.夏マガジン」は、旬の野菜を使った簡単でシンプルなスープ・レシピ集。全19レシピがこのマガジンに入ります。掲載予定のスープはこちらの目次でも見ることができます。

マガジンは定期購読ではなく買い切りですので、一度買えばずっと見られます。1本ずつよりずっとお得ですのでぜひどうぞ!

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読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。