奄美の鶏飯。おもてなしのビジュアル系ぶっかけめし~週末のスープごはん
「とりめし」ではなく「けいはん」と読みます。炊き込みごはんや焼き鳥丼を想像しがちですが、割いた蒸し鶏、椎茸の甘煮、錦糸卵などをごはんに美しく盛り付けたところに鶏のスープを注ぐ上品な汁かけめしです。
もてなし料理として生まれた料理。天皇皇后両陛下が皇太子時代に奄美を訪れたおりに召し上がられ、気に入られたことから人気に火がついたとか。鹿児の郷土料理ですが、大分出身の私の母は、この鶏飯をときどき作ってくれました。
材料:二人ぶん
蒸し鶏 (むね肉1枚分)(※1)
干ししいたけの甘煮 2枚(※2)
錦糸卵 たまご2個分(※3)
鶏ガラスープ 2カップ
塩 少々
刻み海苔、漬物、紅しょうがなど 適宜
ごはん 適宜
1.
蒸鶏は手で割く。干し椎茸の甘煮は煮汁を軽く絞り、薄切り。錦糸卵は卵1個で1枚。溶き卵を薄く油を塗ったフライパン(テフロンなら油なし)で薄く焼き、冷ましてから千切り。
2.
鶏ガラスープは、塩で味をつけておく。他の素材にほとんど味がついていないのでやや濃い目に。
3.
ごはんに1を飾るか、あるいは平皿に1を盛り付けてごはんとともに出し、鶏ガラスープは別に添える。スープをごはんにかけて食べる。
今日はシンプルに、鶏、錦糸卵、椎茸の甘煮だけでやってみました。
そのほかの具としては、ごま、刻み海苔、パパイヤの漬物、陳皮(みかんの皮を干したもの)など、彩や香りを添えるもの。パパイヤの漬物は青パパイヤを味噌漬けにしたものだそうです。紅ショウガや高菜漬け、たくあんなどでも代用できるので、お好みで揃えてください。
簡単さらり、スープごはん。週末に作ってみてくださいね。
※1 蒸し鶏は、最近コンビニエンスストアで、サラダ用の蒸し鶏を売っています。もし家で作るなら、胸肉一枚を鍋に入れて水を加えて火にかけ、一度沸騰したらお湯をすててもう一度水を入れゆっくり煮ます。あれば、長ネギの青いところやしょうがなど入れて。
手作りすると、そのゆで汁がごはんにかけるスープに使えます。ゆで汁はそのままでは味もうまみも薄めですので、塩と顆粒の鶏ガラスープを少し足します。鶏のだしだけでやりたい人は、もも肉や、骨のついた部分がおすすめ。
※2干し椎茸の甘煮は、戻した干しシイタケの石突を切りおとし、そのままひたひたの水と椎茸の戻し汁半々で加え、しばらく煮てからまず砂糖、そして醤油の順に加えて甘辛く煮ます。少し多めに作って常備菜にすればお弁当などに便利に使えます。
※3 錦糸卵を作るときのコツは、フライパンの熱加減。ぬるいときちんと卵が固まらないし、熱すぎると気泡ができて舌触りの悪い錦糸卵になってしまいます。冷たい鍋から温めていき、菜箸でちょっととき卵を落として、チリチリ固まるぐらいになったら頃合いです。一気に卵を流し込んで、フライパンや玉子焼き器を傾けながら遠火でまんべんなくのばします。菜箸で持ち上げ、ひっくり返して裏面も軽く焼き、まな板にあげ、冷めてから切ります。