豚とチンゲンサイのおいしさが溶け合ったボリュームスープ
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簡単煮込みで、メインにもなるごちそうスープ
あっさりしたクセのない味わいと、シャキシャキ食感がおいしいチンゲンサイ。今日はこの中国野菜に、がっつりした豚バラの厚切り肉を合わせます。
こってりした味付けや焼き肉だと少しヘビーに感じる豚バラ肉も、スープなら意外なほどあっさり。肉を食べた!という満足感がありながら、胃もたれもない、軽やかな味わいです。そしてなにより豚のスープで煮込んだチンゲンサイのおいしいこと! うっすら脂をまとった青菜がいくらでも食べられます。一皿で肉も野菜もとれ、満足感も高い、おかずになるスープです。
しっかり煮込まなくてはいけないようでいて、案外時間はかかりません。今日の気軽な夕飯にぜひどうぞ。
チンゲンサイと豚バラ肉の中華スープ
材料(2人分) 所要時間25分
チンゲンサイ 1束(100g~150g)
豚バラ肉(焼き肉用、または角煮用を切る) 150g
しょうが 1片
塩 小さじ1/2
しょうゆ 小さじ1
水 600mL
(好みで)からし
作り方
1.肉を下ゆでする
豚バラ肉は食べやすい幅に切る。かたまり肉の場合は、8㎜ほどの厚みに切る。しょうがは薄切りにする。★1
肉を深めのフライパンに入れ、かぶるくらいの水(分量外)としょうが1枚を加え、中火にかける。沸騰したら3~5分ほど弱火で煮て、ザルに上げ、軽く水で表面を洗い流す。★2
2.チンゲンサイを切って肉と煮る
チンゲンサイを洗って、ヨコ半分に切り、茎の部分はタテ1/4~1/6にする。★3
鍋に1の肉、チンゲンサイの茎、残りのしょうが、水600mLと塩を入れ、沸騰したら中弱火で8~10分煮る。茎が柔らかくなったら、葉を入れてさらに1分煮る。
3.しょうゆを加える
しょうゆ少々を足して味を調える。器に盛り付け、好みでからしを添える。
レシピのポイント解説
・豚バラ肉について
・肉の下ゆで
・チンゲンサイの扱い方
★1 豚バラ肉について
豚バラ肉、というと、薄切りの肉を思い浮かべますよね。今日は少し厚切りのタイプを選びましょう。焼き肉用の豚バラ肉がよいのですが、なければ豚トロや、肩ロースなどでもいいでしょう。脂が多めの部位がよいのです。角煮用の肉を買ってきて8mmぐらいの厚みに切ると、肉のボリューム感が増しておすすめです。
★2 肉の下ゆで
脂身の多いバラ肉は、匂いも気になりますので、下茹でをします。といってもそれほど難しくはありません。切った肉を深めのフライパンに並べ、かぶるぐらいの水を注ぎ、しょうがを薄切りにした分から1枚ひらりと入れて中火にかけます。沸騰したら弱火に落として3~5分ゆでます。5㎜くらいの厚みの肉で3分、8mm~1cmほどの厚みがある場合は5分ほどでしょうか。
このときに、余分な脂やアクが出ます。
ゆでた肉をザルに上げ、流水で肉についたアクをさっと洗い流します。
★3 チンゲンサイの扱い方
肉の下ゆでの間に、チンゲンサイを切りましょう。
チンゲンサイは案外サイズがまちまちです。ここでは100~150gぐらいのものを使っていますが、それ以下の場合は2束使ってもよいでしょう。
チンゲンサイは茎のすき間に泥が挟まっているので、葉を開いて根元を流水で洗います。
チンゲンサイをまずヨコ半分にしてから、茎は1/4または1/6にします。チンゲンサイの大きさを見て、食べやすそうなサイズを選んでください。小さなものならタテ半分に切るだけでいい場合もあります。
茎の部分を切ったときに、根の近くの泥が落ち切れていないときは流水に当てて洗い流しましょう。
洗った肉とチンゲンサイの茎、塩を鍋に入れ、水600mLを加えて、中火で煮始めます。チンゲンサイはさっと加熱でも食べられますが、多少茎がしんなり煮えたほうがおいしいので、沸騰したら中弱火にして、8分ほど肉と一緒に煮込みます。
チンゲンサイの茎がしっかりやわらかくなってから葉の部分を加えて1分ほど煮て、醤油を加えて完成です。
年中便利なチンゲンサイを食卓に!
チンゲンサイは、比較的作りやすいため、シーズンが長い野菜です。最もおいしくなるのは晩秋ですが、春と秋には路地野菜が多く出回り、この時期に青菜を食べたいときに重宝します。値段も安め安定で、家計にもありがたい野菜のひとつです。
水分が多くシャキシャキと歯触りのよさが魅力ですが、今回のようにある程度しっかり煮込んでも煮崩れすることなく、扱いやすいのもポイント。スープにはとても向いている野菜です。
からしを少し添えて食べると肉の脂身もさっぱりと食べられます!
【アレンジ】日常のおかずに汎用性の高い一皿
今日はしっかりとした厚切り肉を使いましたが、もちろん薄切りの豚バラ肉でもよいですし、そのほかの肉でも大丈夫です。脂の少ない肉なら、少し最初に焼いてから、チンゲンサイを加えましょう。
チンゲンサイとひき肉のスープ
豚肉をゆでる代わりに、ひき肉をごま油でさっと炒めてから、水とチンゲンサイを加えます。味付けなどは同じようにしてもよいですが、酢を少し加え、仕上げに胡椒をたっぷり振るとキリっと締まります。ひき肉は豚、鶏、合いびきなどどれでも大丈夫です。
チンゲンサイと豚肉のあんかけ中華麺
このスープでラーメンを作るのもよいですね。基本の分量だとラーメンスープに少し足りないので、加える水を700mLに増やしておきましょう。ラーメンのときは、鶏ガラスープを余分に加えるなど、味付けを濃いめにするのがコツ。創味シャンタンのような練りタイプのスープの素を小さじ1程度加えます。
仕上げに片栗粉大さじ1を同量の水で溶いて少しずつ加え、とろみのあるスープにして、これをどんぶりに入れたゆで麺にたっぷりかけ、ごま油を仕上げに少し足します。片栗粉は入れずにそのままでもさっぱりとした、昔ながらの中華そば的な味わいになります。
『スープ・レッスンseason8.春』マガジンで、くらしにスープをとりいれましょう
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新刊のおしらせです。5月13日に誠文堂新光社から、『有賀薫のだしらぼ』というだしの本が出ます。レシピも少しは載っていますが基本的にはだしについて書いた本です。だしに対してハードルの高さを感じている人にはぜひ読んでいただきたい本です!
構想から2年ほどかけ、取材もたくさんして、私たちの暮らしの中で、だしをどんなふうに考えたらいいのかと、俯瞰するような本になっています。どうぞお楽しみに。
読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。