クリエーターだから、はっとする──芥川龍之介「芸術その他」覚書|4|
これは大いに共感すると同時に耳の痛くなる言葉です。
「芸術家が退歩する時、常に一種の自動作用が始まる。と云う意味は、同じような作品ばかり書くことだ。」
少し毒づくと、プロの作家でこうなっていない人の方が珍しくないですか。
「進歩しなければ必退歩する」。
書きつづける限り、このことはいつも肝に銘じておきたい。
単に表面上「似たような」ものが悪いとは思わない。
テーマを追い続け、深化していく過程を見せてもらえるのは、それはそれで無上の喜びであるわけです。
たとえば、ドストエフスキーの「罪と罰」から「カラマーゾフの兄弟」への転回。
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