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小説作家アンケートと私の所感④大江健三郎

日本の近代文学や19世紀欧米文学、やっぱり読んだ方がいいという思いで、Xにて直球アンケートを取りました。
その結果と私の勝手な所感を書きます。

四回目は、大江健三郎です。現代文学というべきですが、気になったので入れました。

やや敬遠されている感じがしますね

前提として、私のXのFFさんは物書きさんや読書家さんが多いです。そこは押さえておいてください。

それから、設問が一貫していないので、答えにくかったり回答がばらけたりしたとも思いますが、どうか大目に見てくださいませ。

ノーベル文学賞を受賞した二人目の日本人。
しかし、難解なイメージが大きいのか、「読んでいない」という人が3分の1を占めました。
私の若い頃は熱狂的なファンもけっこういたんですけどね。時代でしょうか。

さて、私自身は「好きな作品とそうでないものがある」ですね。
初期の作品は概ね好きです。『万延元年のフットボール』くらいまで。
そんなにたくさん読んだわけではありません。
『死者の奢り 飼育』(新潮文庫)『芽むしり仔撃ち』『万延元年のフットボール』でしょうか。他にも読んでいますが、ほとんど印象に残っていません。
それだけ初期作品の衝撃は大きかったということです。
確かに、何か「戦後」の延長でないある種の新しさがありました。
特に好きだったのが『芽むしり仔撃ち』ですが、細部は忘れてしまっているので、新しく買って本棚にあります。まだ再読していません。

「戦後民主主義」を信条としているにしては、初期作品は尖っていました。初期の作風のまま書き続けたら、もっと偉大な作家になったかもしれません。いや、ノーベル賞をとっている方に言うことではないですけど。

肯定するかどうかは人それぞれだと思いますが、常に平和や原発の問題などで発言してきた、そういう作家は日本では珍しい部類に入るのでしょうね。

私見としては、もっと読まれてもいい作家だと思います。
(うちの近くの公立図書館には一冊も蔵書がなく、驚きました。)

HPにも同時掲載

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仁矢田美弥|つなぐ、結ぶ、創る ミモザとビオラ
Webライター 兼 添削人。あなたのサポートはnoteを運営するうえで有効に活用させていただきます。