私の読書●小説家志望の読書日記⑯ 花村萬月『笑う山崎』
『笑う山崎』は、ヤクザたちも恐れをなす一見優男のインテリヤクザのお話。この作家らしく、まあ、暴力と性描写がこれでもかと出てくる。
でも、お約束のように出てくる残虐ななぶり殺しシーンは、なんだか戯画化めいていて、笑ってしまう。性描写にはもう慣れてしまった。
そのくせ、ときどきはっとするような「まっとうな」、そして鋭い台詞が挿入されるのだが、これが面白くて、またまた読みたくなる。
同じ花村萬月の『アイドルワイルド』を読んだときにも思ったが、この作家は自分の小説の主人公に並々ならぬ、手ばなしの愛情を抱いている。そこが、なんとも小気味よい。
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