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老いてからの出会い、必要ですか?(藤村公洋)

答えはポップソングの中にある

「それはね、声ですよ」

今回試聴した『渋谷のラジオの学校』アーカイブは2018年7月4日放送、ホン・サンス監督『正しい日/間違えた日』での映画メシ企画でした。
長いことBARカウンターの内側から人の恋路を見てきたフジムラさんとしてはモテる男のポイントとは?という小原くんからの質問に対する答えが先のセリフである。

いやー、まったくもって忘れてましたが素晴らしい返答ですね(笑)。その通り。

と、相変わらずの自画自賛で始める「老い羅〜」木曜日。予定通りにいけば(この原稿は少し前に書いておるのです)明日11日はホン・サンス監督最新作『逃げた女』の公開日という何ともタイムリーなタイミング。坂本九ちゃんやブラックビスケッツと同じく私もまたタイミングが、そしてもちろん声こそが、この世で肝心ではないかと考える次第でございます。

小学生のとき流行った『別れても好きな人』でね、“やっぱり忘れられない 変わらぬ優しい言葉で 私を包んでしまう だめよ弱いから〜”って歌詞を聞いたときにぼんやりわかったんですよ。恋路にとって大事なのは顔や体型や地位や名誉じゃなくて声と言葉なんだと。いや、地位や名誉は少しは関係あるか(笑)。
声の強弱、高さ、抑揚と間と言葉選び、そしてタイミング。バーテンダーとしてのキャリアを通して小学生時代の答え合わせをしてたようなもんです。モテる人の語り口はハタで聞いてるこちらもポーっとしてくるもんですからね。もちろん分かったからって自分が実行できるかというとまた違う話なんですけれども。

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