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「蔦(つた)に唐丸因果の蔓(つる)」にからまる雑感

さていつものようにネタバレで出遅れですが
すっかり「べらぼう」の世界に魅入られちまった
おばさんの独り言、今日もちょっと聞いておくんなまし

本日は蔦に「からまる」唐丸のお話
またシャレがきいてるねぇ

この唐丸を演じてる渡邉斗翔君本当にうまい

昨年の「光る君へ」では道長と彰子の息子の少年時代を演じてました
目の大きな舞の衣装が似合うかわいらしい役でした

こういう「大人の世界」でのお芝居難しいと思うが「記憶を失くした」
と称して謎のある役柄で、でも自然に演じていて安心できます

何よりも蔦重と対等に話しているのがすごい
というか蔦重が幼いのか?(笑)
突っ走ってしまうからブレーキ役なのか
感情の起伏の大きい主人公を冷静に見ている唐丸に何だか大人の世界の闇を早くに見てしまった哀しさも感じるんだよね

蔦重は前回の西村屋や鱗形のダンナに手柄取られて
版元になれないというダメージに大むくれ
後からきたのがダメってのが気に入らねえっ、てぼやいて見れば

―あんただって吉原以外取り締まれって言いにいったじゃないか!
と花の井姐さんに突っ込まれる(す、鋭どい・・・)

誰もが先にとった「既得権益」は失いたくないのだ

それでもふてくされる蔦重は仕事もあまり身に入らぬようで
せっかく「突き出し花魁」になる若紫のために
「細見」を改めてくれという依頼も二つ返事

唐丸が機転をきかせて話を聞く
そしてお使いにでた唐丸に「からまる」アヤシイ浪人

おお顔に向こう傷
「るろ剣」だとかっこいいけどこいつはアヤシイばかり
(すみません高木和也さん)

初め因縁付けるこの侍を人買いかと思ってしまった
この時代「神隠し」と称して子供の行方不明事件がけっこうあったそうで
攫われてどこかに売られたりした子どもも多かったらしいので
そういう手合いかなと思って身構えて見てしまった

浪人は何やら唐丸を知ってる様子
唐丸も何だか覚えがある様子

―あの日お前が何をしたか知ってるぞ

「あの日」とは吉原が焼けた日か
浪人も怪しいけど、唐丸の素性も怪しくなってきた
せっかく絵の才能があるのに何とか無事にいてほしい

蔦重は相変わらず「耕書堂」の夢が捨てられずぼんやりしている
自分が版元になることにかなりこだわっている
本さえ出せればいいのに、という割り切りができない
そういう蔦重に「若さ」と独立心を感じる

そんな蔦重に悩みを打ち明けられない唐丸がとても大人に見える

さて秩父の山の鉱山では源内さんが男たちに囲まれている
先週の終わりに映った火事の光景は
新しい鉄の精錬の技術を教えたはよいが
上手くいかず燃えてしまったらしい

いずれ金になる、と言葉巧みに説得しようとするが
けが人まででてるのに!と山の男がブチ切れて殴られてしまい、
相方を人質に取られ、出資した金を返せとすごまれてしまう

プロレスラーが出演してたそうでなんか迫力だった
源内さんよく口が回るけど今度ばかりは通用しない
景気よく反論するがやっぱり殴られハラハラした

秩父の山の鉱山はよい鉄や亜鉛がとれるそうだが
なかなか収入につながらない

その頃鱗屋のダンナから蔦重直々にお手紙がきて
なんとお抱えの「改め」にならないかとの誘い!

手紙のシーン止めて読んでみたんだけど(ホントにあったのか??)
手紙のなかに「申し訳なく思ひ候」なんてあって
詫びてる様子があっておどろいた
「版元になり難いならそれがお互いの為になる」ともあった

意図は蔦重を抱え込んで本をプロデュースさせて
儲けようというのが本音だろうが蔦重には今一つ乗り気になれない

―どんなにがんばったって版木は鱗形のものになっちまうんだよ
―欲が出てきたってことかい?

版元になることにこだわる蔦重をやさしく「義兄さん」が受け止める
この人の否定しないやり方がいいねえ

そこに山の男たちに締め上げられた源内さんが
「助けてくれー」と蔦重のところにたどりつく

ちょうどアヤシイ浪人が訪ねてきたタイミングと重なり
金を盗み出すよう強要される唐丸が哀れ
いったいどんな「秘密」があるのかドキドキしてしまう

余りに金を無心する男に
―お奉行さんにいうよ!
と唐丸が怒れば

―言ったらみんなつかまるぜ

と反対に唐丸を脅かす
どこまでもヒキョーなこの男(いや、俳優さんは悪くない)
本当に一体何者?
もう私はは唐丸がこの男に斬られてしまうのではないかと
ハラハラしました

唐丸の親が借金でもしていたか、
それで家に火をつけ証文を燃やしてしまった唐丸を脅しているのか
それとも男に唆されて唐丸が火をつけたのか

色々なストーリーが浮かびます

源内さんは鉄鉱山を炭焼きに転向して炭を多量に売りたいらしい
それには「炭焼き」の株がいる
―誰か手放したいものいねえかい?

源内さんのアイデアに「株を買う」ということを知る蔦重
いつも源内さんは良いアイデアを蔦重に暮れるねえ
でもねえ

―オレのイチモツがアナにはいんねえってことよ

って下ネタ満載
わー、ますますこの時間帯に放送できなくなってしまう
大河ドラマが夜10時台の「オトナ」の時間になったりして

でも良いこともおっしゃるのよ

―自由に生きるってことは「我が」「儘」に生きるってことだ

そして本屋の株を買いたいと相談する
紹介された本屋が「須原屋」さん
わあ、里見浩太朗さんだ!時代劇の大御所!!
しっぶいねえ(パチパチ)
キャスティングがよいなあ

でも「書物問屋」と「地本問屋」ではシステムがちがうらしい
またがっかりする蔦中に
「どこかの本屋に奉公するのはどうだ?」と持ち掛ける
実はこの井原屋さんものれん分けしてもらったらしい
新たに味方になってくれそうな方で期待しちゃう

源内さんは田沼意次に直々に金策を願い出る
まあなんとちゃんと都合付けてくれるんだから
源内さんどこまで信頼されてるんだか
田沼さんはこの時代にかなり「資本主義的」な考えをもった
人物として描かれる

田沼と開国について話す源内さんがよい
―国を開けば豊かになる
―幇間が勉強して通詞になったりする
―肉も食う
―それを商売にするものも増える
―先祖が誰なんて関係なくなる

まるで明治以降の開国後の様子を聞いてるよう
そんな当時には「危険思想」云っていいのかとまたハラハラする

でも
―国を開くと属国にされちまう
―もはや戦を知っているものはいないのだ

日本の周囲の状況も理解した上での話らしい
謙さんが演じることでヒジョーに説得力がある
維新まで80年以上前なのに情勢よくみてるよなぁ
ああ、田沼ほどの切れ者が維新までいたのなら!
色々夢見てしまうぜよ

夜に帰ってきた蔦重を待ちかねて
「働き過ぎておかしくなっちまいそうだよ」と
泣きつく次郎兵衛さんがオモシロイ
いかに「遊んで」いたかってことかな
ポッペンをペコペコ吹くのがいかにも遊び人らしい
そして銭箱が軽くなっていることを「軽ーく」いう
「俺なのかなあ.....」
ホントに気づかないのか「思いやり」なのか

蔦重は唐丸に壮大な夢を語る

―はじめは「春信の再来」ってふれこみで
―次は「湖龍斎」風で描くんだよ
―次は重政の画風でさ、そしてドーンとお披露目だ!
―謎の絵師として売り出す!

おおお写楽説有力!
自分は北斎だったらうれしいなあ
北斎の絵に吉原の内情を詳しく描いたものがあって
リアリティが凄いので廓に住んでいたのでは?と思うことがあります

そして未来の吉原で
40代で逝ってしまった蔦重の倍も生きた北斎が
蔦重はホントにかわいい奴だったんだ
と回想するのさ(妄想炸裂)

で、向き直って蔦重が
―お前何か悩んでねえか?

言えるわけない賢い唐丸
この優しい蔦重を巻き込めないと思ったか

蔦重が壮大な夢を語った翌朝
唐丸はいなくなる
店の銭箱とともに

―おいらもう戻れねえよ

銭函をいじる浪人を巻き込んで
一緒に川に飛び込んでしまう唐丸

なんと駿河屋にお奉行が訪ねてくる
土座衛門が上がった
あの向こう傷の浪人
盗っ人だった
一緒に落ちた子供が見つからない

ああ、唐丸死んでしまったのか
いやですよう、生きていてほしいですよう
そして唐丸が悪いように噂されてしまってつらい

―悪党の手先
―時々妖しい目をしていた

もういなくなると悪口ばっかり
いやですねえ
噂に乗っかる花魁たちもひどいねえ
あんたたちねえ、唐丸のホントの姿知らないのに
勝手いうんじゃないわよ!と怒鳴りたくなってくる

―絵が上手かったんだよ
―なんにもしらねえ

落ち込む蔦重に花の井は

―唐丸は親元に帰ったんだと思うけどねえ
―出来るだけ楽しいように考える
―それがわっちらの流儀
―ホントは大店の息子で後添えの悪さで追い出された
―でも後添えが死んで帰っておいでといわれた

まあ楽しいストーリー
つらい浮世を生き抜くには楽しい話が必要だ
これは前作「光る君へ」でのテーマにも通じるのでは?

絵を描く唐丸かわいい
これは幻想か、現実か

予告で見た時
新たな蔦重の本の企画にのって
嬉々として筆を走らせる姿だと思っていたけど
すべて「まぼろし」だったんだねえ

そして鱗形の提案を受け入れる蔦重
抱えの「改め」となる
未来の版元となるその一歩を踏み出した蔦重

さてなぜか映る尾張の熱田
古本を手にするのは誰???
「早引節用集」ってナニ???

えっ?盗作?えええ?

もおおお
ますます続きが気になるじゃねえかっっっっっ

(お付き合いありがとうございました)

※追伸
里見浩太朗さん演じる須原屋は
杉田玄白著の「解体新書」を出版した本屋だそうで
蘭学の本を出していたようです。
平賀源内も深くかかわっていたそうですね。
日本橋室町にお店があったとか
今のコレド室町あたりなのかな。

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