複雑にからみ合って・・・
画面を縦横に走る線は幾重にも重なり
複雑にからみ合っています。
作者は何をこの画面に織り込もうとしたのか?
からみ合う線をそれぞれにたどって行くと
その先に幾何学形態の円や三角形が現れて来ます。
それは世界の人種や国家かも知れません。
更にもう少し小さな単位で考えると
家族の中の人間関係を表しているのかもしれません。
それぞれに違った年齢や性別や思いを持って
ひとつの屋根の下に暮らす事は
行き違いや思い違いをして解こうとしても
更にからみ合う事になってしまったりします。
それでも気長に1本1本をほぐして行くと
きっとさわやかな青空が見えて来ると思います。
作者はゆるく溶いたアクリル絵の具を
次々と画面に流し込むウェットインウェットの技法で
絵の具が自然ににじむ様子を創り
乾燥後に加筆し背景を作り込んでいます。
からみ合う線を描き その上に太さ3㎜程の紐をビスで固定しながら
張りめぐらせて緊張感の有る画面を創出しています。
この作品は2023年第71回平塚市文化祭で優秀賞を受賞しました。
絵画講師 若林 薫 評
「作品をご覧頂きありがとうございました。気に入って頂けましたら、
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