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デッサン = その物の本質に迫る

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「一年やってきて、やっと見えない光や影が見えてきて楽しくなってきました。」
「形のとり方が解ってきました!」
「デッサンが役にたつのでしょうか?」等々。

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「物の本質を見抜く目を養うこと」つまり
「対象物の構造、しくみを知ること」です。


デッサンの習い始めは

まず目に見える現象を忠実に描き写すことを目標とします。
自分の目の位置から、見えた形、プロポーション、明るさの具合を、しっかり計りながら平面上に捉えることが大事です。
比例と調子を間違わなければ形を写すことは出来ます。

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デッサンはそれにムーヴマン(動勢)を・・・

どんなモチーフでも形や影がしっかり捉えられるようになったら、
つかめる、撫でられる、裏側がどうなっているのかまでがわるような存在感のあるデッサンに仕上げていきます。

モチーフに向かったら、そのモチーフをあらゆる方向からながめてみてください。
そうして捉えた空間上の物体と、今描かれつつあるデッサンとを絶えず比較してゆくのです。
そうした努力を何十枚、何百枚と重ねてゆくうちに、モチーフの重さも、モチーフを囲む空気も一緒に表現できるようになるはずです。

それがデッサンの魅力であり醍醐味かもしれません。
デッサンとは形とムーヴマン(動勢)であると考えています。


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ムーヴマン(動勢)
対象物が何か?によりますが、仏教美術の様に正三角形や正四角形の構図に対して
絵画・彫刻に於いて動きだしそうな表現や構成要素(心理的)の配置が生む動的な効果を言います。


では、なぜ石膏像を使うのか? 

古代の彫刻には身体の均衝にもムーヴマンにも申し分が無いと考えられています。
古代彫刻をかたどった石膏像は白いので明度の調子を白黒の調子におきかえるのに都合がいいのです。
表現に規則などありません。ただ、鉛筆の表現の幅は広げておきたいです。
鉛筆も6Bから2Hまでのものを使い分けると良いでしょう。
同じ鉛筆、同じタッチで描き分けるのは困難です。
とにかく見ること。そして意識して描くことが大事です。

あなたの目で観ぬいたモチーフの本質とあなたの訓練によって得られた表現力が合致したとき、テクニックを超えた、あなただけのすばらしいデッサンが描けると思います。


油彩でもアクリル・水彩・パステル・水墨等々どんな画材であっても 
「描きたいものを描く」そこにどんなモチーフであろうとも自在に画面に
表すデッサン力が必要です。
写真を参考に見て作品にする場合もデッサンと同じ意識だと思います。
表面に見える色や形だけではなくそのもののムーヴマン(動きの感じ)
奥や向う側や時間や季節や空気等々までも観て、感じて、考えて
その物の本質に迫ることが大切だと思います。
そのために意識の持ち方の訓練がデッサンだと考えています。


生徒作品 初心者 初めてのデッサン(円柱)↓

1.円柱

半年後 6枚目 (ベートーヴェン)のデッサン↓

1.ヴェートーベン


声楽家には発声練習。スポーツ選手は走りこみ。
と同じように、デッサンは絵を描く基礎体力をつける手段のように思ってはいかがでしょうか。

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