動物目線でニンゲンを見る
感覚過敏って、野生の動物に近い感性だと思う。
小さな気配に耳をピルッと動かしてライオンから逃げるインパラなら普通の事だ。鋭くなければ逃げられないし生き残れない。
そこで自分が動物Aになったつもりでとあるニンゲンの生態を書いてみる。
動物Aは凄く暑い日は、風通しの良い木陰で、周りが安全なら寝て体力温存する。
水場で他の生き物と共に水を飲み、水を浴びて体温を下げる。
その頃ニンゲンは、布を着て、とめどなく流れる汗を布で拭いていた。
暑そうなのに厚そうな服を着て熱そうな道を歩いていた。道の表面は60度あるらしい。
ニンゲンは信号待ちの間だけは、信号や電柱の細長い影に収まっていた。器用だな。
ビルの中に冷房という涼しい道具があるが、湿気が多いと全員ちょうどいいというのは難しいらしく、少し上げたり下げたり、席を変わったり我慢したり諦めたりしている。
ニンゲンは、1日で最も暑い時間に家に帰る事がある。10分歩くと一旦体を冷やさないと動けないらしく、うなだれながら冷たい飲み物を買い、首筋に当てながら歩く。
動物Aとしては驚きの風景である。だって命懸けじゃないか。
大雨が降る日は、動物Aはできるだけ濡れなくて高い所へ逃げてやり過ごす。
ニンゲンは、大雨の中でも、計画があるとギリギリいけそうなら実行したい生き物らしい。
ギリギリの当てが外れると無防備な姿で逃げ惑っている。
動物Aとしては分からない。
だって命懸けじゃないか。