人間合格みた!!
手を一生懸命洗い、消毒して、マスクを新調して、
おめかしして、思わず早めに事務所を出て、劇場へ・・・
3月27日以降、はじめての劇場での観劇でした。
最前列は全部開けて、一列25席あるところを10席未満で人が入って、客席でもあんまり喋らずシーンとしてて、その後の感染のことを考えて連絡先を書いて・・・できること全部やってると思った!!
お友達と観劇のために待ち合わせて「久しぶり!!」っていうのも、
楽しみすぎちゃってお席に早くついて、舞台を見つめてドキドキしちゃうのも、
幕が開くときの舌の奥が口の外に出てきちゃいそうな高揚感も、
舞台で起きたことにびっくりしすぎちゃって体がびくって揺れてめっちゃ恥ずかしいのも、
終演後、感動を話したいのに言葉が整理できずに、「いやほんとに」「ねーー」しか言えないのも、
なんか、一個一個が嬉しすぎて、幸せすぎました。
こまつ座の「人間合格」みてきたの。
井上ひさしの戯曲で、太宰治が関わっていた左翼活動とそのお友達の話。
人間はみな平等って思うことすら許されていない時代に、治安維持法での逮捕に怯えながら革命活動をしている学生の一人が太宰治だったの。みんな大好き革命活動のお話し(日本ver)で、帝劇ミュージカルのロベピ様たちとおんなじことを言って革命に従事してるんだけど、ちょこちょこそこに、あれ?ん?が入ってくるの。
太宰治の他に2人の友達がいて、一緒に活動をするんだけど、それぞれ、向き合いかたとか人間が違って、一人は真面目に、正面から革命に取り組んで、本当に市井の人の中で革命活動をしていくの。もう一人は役者になって、軍国主義礼賛の演劇で人気を博すんだけど、本当はその裏にある、人間の悲しさに気づいてほしいっていうテーマと、人気の軍国主義と、どっちを取るか悩んでて、太宰は、そういう苦しさの中の、ちっちゃい宝石のような感情や関係、気持ちを見つけて文章にしようとするの。
離れ離れになるんだけど、それぞれの生き方に勇気をもらって、お互いの存在を杖にして生きていくの。
インテリの学生がマルクス・エンゲルスを読んで、それを実証しようと工場や農作業に出て、「市民」を教育することの傲岸さとか、革命のために行われる様々な規範に反する行動の可否とか、ちょっとづつ引っかかる、あれ?があるの。
考え込んじゃうような、誰を応援したらいいかわかんないけど、それぞれの登場人物みんな、わかるよ!!ってなる気持ちが、なんかほんと、演劇を見ている醍醐味だなって思う。
日本が戦争に負けて、みんなが「民主主義」って言い出して、今まで同じことを言ったら逮捕されてたのに、急に国も掌を返したように民主主義が正義みたいに言ってくるのを理不尽に感じたり、「自分たちは悩んで悩んでここにたどり着いたのに、あなたたちは何も考えずに、自分たちの意見にフリーライドするの?」って思うのも、すっごくわかる。
なんか、革命を題材にしているミュージカル、例えばレミゼラブルや1789、MAなんかで、ちょっとづつ散りばめられた、人間が思想を語る時のあれ?を、がっつりばっちり正面から言語化して受け止めた感じ。
今の私にも、とっても刺さるの。香港の例は当然だけど、
今の日本でだって、新しい権利を守ろうとするたびに、ちっちゃい革命が起きて、成功したりしなかったりするもんね。
だから色んなジャンルの劇みるの楽しいの!!!そういう風に見るとそっかあ!ってなる。アウフヘーベンだよ!!まさに!!アウフヘーベン(セリフに出てきて、使いたいだけ笑)
そして、こまつ座だし、耽美とかないし、紀伊国屋ホールの他のお客さん、みんな真面目おじさまだけど、3人の友情にブロマンスを見出して萌えられる私の才能が素晴らしすぎて拍手したい。
私くらい変態な観劇仲間(そのこも同業でエンターテイメントロー方面もやってるの)と、「推しと目が合った時、この世とあの世の間を彷徨ったんですよね」「わかる」「あと数秒目があい続けてたらあっちかわに行ってましたよね」「わっっかる」ていう話をして、時が一瞬ですぎちゃった。
興奮しすぎると、すぐお墓行きになっちゃう。いったん心停止して、やっと蘇って帰りの電車に乗るのだ。観劇一回で死んだり生き返ったりほんと、大変!!
でも、幸せ!!もうちょっとはほんとに気をつけながらだけど、幕が開いてお客さんが、パソコンの前じゃなくて、客席で舞台の空間を共有できるようになったのほんと幸せ、みなみなみなさま本当にありがとうございましたです。
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