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自分の容姿が嫌いな話 〜男性性と女性性の話

気が付けば昔から、自分の容姿が嫌いだった。

父親譲りの、ほっとけば繋がるくらいの太く濃いまゆげと毛深い手足。
顔にある、たくさんのホクロ。小学生の時同級生の男の子から「ホクロババア」と呼ばれ、傷ついた。
思春期になると、ニキビに悩まされる。色んなスキンケアを試したけれど、きれいに治すことが出来ず、肌はクレーターだらけになった。

身長は高めで、肩幅が広い。上半身には厚みが無く、胸はほとんどまな板状態なのに、下半身が太くておしりが大きい。成人してからは、男の友人からことごとく「色気がない」「女として全く意識しない」と言われ、酔っ払った相手から「デカいケツやな」と言われておしりを叩かれた。

ボランティアとしてある団体に所属していた時は、「君、ナインティナインの矢部に似てるね。」と言われた瞬間から、その団体に所属している約10年の間、あだ名が「やべ」になった。
女らしさゼロ。

悩んで一時期は努力してみようと、ゆるウェーブのパーマをかけたり、お化粧にトライしてみたり、スカートを履いたりしてみたが、どうもしっくりこない。症に合わない。

パーマのかかった髪のケアは面倒だし、肌が弱いせいか化粧をすると肌がかゆく、膜があるようでイライラする。ズボンが好きだったから、スース―するスカートも落ち着かない。

「無理してて、痛い」みたいなことも言われた。
結局、もとのスタイルに戻ってしまった。
そもそも心の奥底で、私には似合わないと思っていたのだと思う。


そんな状態なので、写真に写るのがすごく嫌だった、というか今も苦手。
(中学から大学時代までの友人達は、派手な化粧をしないナチュラルな女の子ばかりだったので、その時代はあまり気にせず、みんなでプリクラなんかも撮っていたけど。)

集合写真でどうしてもの時は出来るだけ端っこに隠れているし、自分の家族が出来てからは、撮るほうが好きなこともあって、私はほとんど写っていない。たまーに映ると「ママが写真に写るのはレア」と言われる。今はやりの自撮りなんて、私のなかではありえない。

肌に張りがあった若い頃はまだ良かった。時の流れは残酷だ。もう立派なおばさんなのに、おばさんになった自分の顔を直視出来ない。「女らしくない」自分、努力することすら放棄した自分が嫌いで、写真に写りたくなかった。写真は嫌なくらい、現実を直視させる。

だからずっとずっと、可愛らしい女の子や、お色気たっぷりのお姉さんたちが死ぬほどうらやましかった。周りの友人たちは背が低くて可愛くて、肩幅も華奢。髪の毛も剛毛じゃなくてふわふわで。
自信がないからなのか、無意識に小さくなりたかったからのか、私はずっと猫背で歩いていた。

そんな女としての自信ゼロの私がしてきた恋愛は、散々なものだった。今なら何してんねん自分と、つっこみの一つも入れられるけど、当時はその度にやっぱり私なんて…とさめざめ泣いていた。

自意識過剰。あぁ痛い…。

そんなこんなの20代半ば。今の夫が現れた。
人生で初めて、告白された。
私もいい人だな、とは思っていたけれど。
一目惚れ。そんなことあるの?
夫は心の広い人で、私の事を何一つ否定しない。そのままの自分でいられるという事は、なんて気持ちが楽なんだろう。

恋の力はすごい。
肌の調子が過去最高にめっちゃいい。
柄にもなく、髪をロングに伸ばしてみたが、つやつやだ。バスとも2サイズアップした(笑)
同じ職場だったので、毎日がキラキラ。

2年後、結婚した。
結婚式の写真だけは唯一人に見せられる。

さらに数年後。
子供が欲しいのになかなか出来ないので、産婦人科に行った。元々高校時代から生理不順でホルモンのバランスが崩れている状態だったけど、詳しく検査したのは初めて。

多嚢胞性卵巣症候群。排卵障害だった。
夫には問題はなかった。

さらに、ホルモンの影響からあごひげが伸びたり、さらに毛深くなった。(今もその影響が残っている。)女性らしさから遠ざかっていくことへの失望。

子供が出来ないかも知れない。

女性としての自信を、再び失った。

子供を作るため、体質改善するためにいいと言われたものは片っ端から試した。合計するとかなりの金額になったと思う。
何の苦労もなく妊娠する女性たちが心底羨ましくて、妬ましかった。

そのうちに夫の母が病気になって入院したため、看病などに追われる最中に妊娠がわかった。義母が亡くなって半年後、長女が生まれた。
娘の誕生は義母からのギフトだったと、今でも思っている。

今思えば、女性なのに女性としての喜びを素直に受け取れない半生だった。6年ほど前には子宮筋腫も見つかった。(特に治療はしていない)
夫が現れなければ、私は今も気持ちが腐ったままだったと思う。とても感謝している。

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YouTubeを見ていたら、やたらとお勧めに下の動画が上がってくる。
苦手分野の男性性と女性性について、今学ぶタイミングだというお知らせかなと、素直に視聴してみることに。

えーっと、クノタチホさんの肩書だけで超お腹いっぱいな感じなんだけど、ちゃんと真面目なお話もされていて…(笑)
(こういうジャンルが苦手な方はここで離脱を…。)

(ここからは、私の超個人的な意見。)

今までの私は、自分の女性性は完全無視状態。さらには男性性が強すぎた。
中身が完全に「おっさん」だったんだな。

昔TVのドッキリかなにかで、一般女性がイケメン俳優に壁ドンされる、みたいな企画があったけど、若い女性、おばさん、おばあちゃんに至るまで、一人残らず頬を染めて「乙女」の顔になっていた。
いつの世も、女性はときめきたい生き物なんだなと思った。

女性に人気の漫画は、大抵虐げられている、あるいは地味な女性がイケメンエリートの男性に見初められ、溺愛されるシンデレラストーリー。

私のすべてを包み込んで欲しい、愛されたいと思う願いは、標準装備で女性の魂に刻み込まれているのではなかろうか。
きっと「私は男になんか頼らない」というバリキャリの女性でさえ、深層心理では大事にして欲しいと願っている。だから男性が女性にモテたいなら、わけのわからないAVじゃなくて、女性向けの漫画を読めばいいのにと思う。

男性が騎士となり、女性をお姫様の様に大事に扱い、守り、その願いを叶えたならば。女性の幸福感は爆上がりする。男性はその喜びを受け、自分は女性の願いを叶えることが出来るという自信をつける。そして女性は願いを叶えてくれる男性を労い、癒やす。役割分担し、それぞれの愛を与え合う。

何かで、男性は社会において、女性が感じる3倍ものストレスを感じながら働いていると聞いた。
3倍って…、めっちゃしんどいやん。
それを聞いてから、世の中の男性達は日々めっちゃ頑張っているんだな、と思った。ランチなんかで夫の悪口を言いまくっている奥様方をみると、その夫達は気の毒だなぁと思ってしまう。男性は多分、癒やしをめっちゃ求めてる。
もっと労ってあげてもいいのではなかろうか…。

女性側の願いと男性側の願いが、お互いにちゃんと通じ合えば家庭は平和になると思う。

愛を与え、愛を受け取る。
愛を受け取るには、先に愛を与える。
愛が循環する。

気がつけば、私は自分自身に全く愛を与えていなかった。ただただ、男性性ばかりが暴走し、女性性の想いを全く聞いてこなかった。現実から目を背け、外からの評価や批判を軸にして、自分自身の願いに向き合うことをしてこなかった。

湧き上がる女性性からの願いを素直に聞きいれ、男性性がその願いを叶える。そうやって自分が自分を幸せにすることが、自分を愛することだと思う。

これからは、自分のことをお姫様だと思って扱ってみよう。思うだけなら別に誰にも迷惑もかからない。そして多分、自分への扱いが変われば、他人からの扱いも変わる。自分を不幸にしていたのは、紛れもなく自分自身だったと思う。



それじゃあ、何から始めてみようかな。

まずは毎日自分の顔を鏡でじっくり見てみよう。誰も言ってもらえなくても、自分で自分に可愛いよ、と言ってあげればいい。
そうすればいつか苦手な写真にも、気にせず写ることができるようになるのかな。
ちょっと楽しみ。

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