医者の不養生、栄養士の不栄養〜体は全部知っている?〜
実は、栄養士免許を持っています。でも、今まで栄養士として仕事をしたことはありません。
大学で栄養学を勉強し、免許だけは取るには取ったものの、在学中に「献立を立てるのが苦手」なのと「料理すること自体があまり好きではない」ことに気づいてしまい(苦笑)、管理栄養士も目指すことなく、栄養士免許を活かして就職することもありませんでした。
(手に職つけられると期待して学費を出してくれた父親は、たいそうガッカリしておりました。ごめんよ、お父さん。)
なので、普段家族に振る舞う料理も、特に栄養バランスを考えておらず、緑、黄、赤などざっくり色合いが揃っていればまぁオッケーかな、くらいな感じのラフさです(笑)
なんだったら、冷蔵庫の中身の兼ね合いで、今日の献立は全部茶色だな…となる日もありますが、家族は文句1つ言わずおいしいね、と食べてくれます。
あぁ、ありがたや。
まさに医者の不養生、栄養士の不栄養な私…。
(※以下の記述は超個人的な意見と感想です。)
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世の中には健康や栄養に関し、様々な情報が溢れています。私が大学で学んだ事に関しても、もう情報自体が古いものも多く、栄養指導の元になる健康診断の判断基準自体も変わっています。
なので私が大学で学んだ知識は、今やほぼ半分以上役に立ちません。さらに個人的に、ここ数年はその栄養学にさえ疑問を感じています。
数年前に子供が原因不明の病気になった時、様々な分野の本を読みました。病気自体に関するもの、体の仕組み、様々な健康法、栄養学、中医学…。どれが正解なのかわからないまま、最後に辿り着いたのが「整体」という分野でした。
丁度世間はコロナ禍真っ只中。
何が正しいのか、間違いなのか。素人では判断できない、よく分からない情報が錯綜していました。情報を得れば得るほどわからない。
そんな中、私は病院に行って薬を飲んだり、栄養をとって病気を治すといったことより、まずは当たり前のことですが、「病気にならない体」、そして「たとえ病気になっても治せる体」を目指すことの方が大切なことではないか、と気づいたのです。
整体の考え方が、当時の私には1番しっくりきたのです。ただ、一口に整体といっても、本当に様々です。
ここでも整体についての本を色々読みましたが、その中でも心惹かれたのは
『整体入門』野口晴哉 著 という本でした。
私は難しい事が理解出来ない人間なので、この本の内容をうまく説明できません(苦笑)実際に読んでいただいた方がいいかと思います。
(※先に『風邪の効能』を、後で『体癖』も読んでもらえると更に面白いと思います。)
ネット上では怪しんでいる方もかなり多いようですが、個人的にこの方は天才だな、と思いました。
野口整体の何が良いのかと言われたら、最終的に、「何を食べても処理出来る体であれば良い」とする所が凄いなあと思います。
(さらに、野口整体は施術だけではなく、訓練すれば諭気法や活元運動を自分でも出来る、というのがとてもいいです。)
タバコを吸う人が、全員肺がんにはなりません。その一方で、タバコを全く吸わなくても肺がんになる人がいる。それはなぜなのか。
やはり、結局は「それぞれの体が違うから」、なのではないのでしょうか。
TVを見れば、「これさえ飲めば大丈夫!」といったような商品CMが溢れています。本当に?
体にいい何かを食べれば、飲めば。みんながそう言っているから。
でも実際に、それだけで健康になった人が、どのくらいいるのでしょうか。
私は「体に良い何か」を摂取して消化する前に、普段自分が「何を食べているのか」を見直す方が先ではないかと思います。
糖や脂を吸収するサプリを飲みながら、たくさんの糖や脂の含まれた食事をする。これが、本当に体のためになっているのか疑問に思います。
そもそも、何かを食べる前に、自分の体に備わっている「食べ物を消化吸収し出す能力」はどうなっているでしょう?度重なる暴飲暴食で、鈍ってはいないでしょうか。
ドロドロになった胃や腸にいくら栄養を与えても、消化吸収し、排出する力がなければ、何の意味もありません。食べる前にまず排出。出す力の方が重要だと思うのです。
食べたら出す。循環する。それが体の基本です。その上で、断食やファスティングは理にかなっていると思います。
「あの人から聞いた、体にいい情報」が、そっくり自分にも当てはまるとは限りません。
試しに食べてみたら、お腹を壊した。私には合わなかった。そこで初めて、自分の体との対話が始まります。自分の体には何が必要なのか。
医者や他人の話を参考にするのも悪くはないと思うのですが、結局は自身の責任において色々試してみて、その過程で自分の体の事を自分で知っていくしかないのだと思います。
自分の体を治すのは、自分自身。
他人は自分の体を治す手助けは出来ても、直接治してはくれないのです。
「病気」は「病体」とは書きません。「体」が病むのではなく、「気」が病むのだと思います。
胃や腸は幸せを感じる臓器。心配事があれば胃が痛み、緊張すれば、お腹が痛くなります。ダイレクトに、人の気持ちが影響するのです。
どんな高級料理より、皆で楽しく食べたおにぎりが最高に美味しかったりします。逆に、ショックを受けた時に食べたものは、砂を食べているかのように、全く味がしなかったり。
人は食事をしながら、その時の感情や思い出も、一緒に食べているのかもしれません。
「何を食べるのか」より、まず自分が「どんな気持ちで」食べるのか。
スマホを置いて、TVを消して。
食べ物を作った生産者さんや、料理を作ってくれた人の気持ちに想いを馳せてみる。
とても簡単なのに、いつも忘れてしまう事。
『いただきます』には、全ての感謝の気持ちがこもっています。
食べることは、生きること。
さぁ、今日のご飯は何にしようかな。