イタリアにおけるサラダの立ち位置
シチリア島の州都、パレルモからの発信。 ボンジョルノ。
日本でも人気のイタリア料理、確かに美味しい物が山積みです。 イタリア暮らしを始めた頃、とにかく野菜に元気があるので驚きました。 レストランで食べるのも勿論美味しいですが、八百屋さんで野菜の顔をみながら購入し、自分で料理すると更に実感した物でした。
特にグリルしたナスやズッキーニ、ラディッキオやカラフルピーマンに塩とオリーブオイルをかけてシンプルに食べると、野菜の味がしっかりと伝わってきて、いくらでも食べたくなる。 付け合わせとして食べるのもいいのですが、私は前菜として食べるのが好き。
だけど残念なことに、サラダは大したことがない・・・。 いえいえ、レタス自体は美味しいのです、作り方が上手でないだけ。
イタリア料理におけるサラダとは、あくまでも「付け合わせ」なんですが、レストランや老舗のトラットリアではグリーンサラダ、もしくはそれにトマトとせいぜいラディッキオが加わったミックスサラダ。 たまに人参が入っていたりしますが、ほとんどレタス。 ルコラが加わることもあります。
日本のミックスサラダは本当に色々な物がミックスされていますが、イタリアの場合は「緑色にちょっと他の色が加わる」と、ミックスサラダと呼ばれてしまう。
ここ10年位は特にピッツェリアで「インサラトーネ」、つまり「でかいサラダ」というコーナーがメニューにあり、まぁ色々と工夫を凝らしたサラダがあります。 これは付け合わせではなくて、一品料理という立ち位置になります。
家庭でも夏場、サラダとチーズで夕食終了というケースも多々ありますが、その家庭のサラダも結構しょぼい物が多いのです、シチリアだけかしら？
レタスにトマト。 これで出来上がり〜みたいな・・・。 友人宅でも何度このサラダと出会ったか？ BBQのお供にはサラダが欠かせないと思っている私ですが、そういうシチュエーションでもお粗末サラダが出てくる。 だから今では「サラダは私が持って行くね」と。
我が家でも勿論サラダだけの食卓もあるのですが、そうではなくて付け合わせとしてのサラダにも結構こだわりがあります。
たとえグリーンサラダでも３種類は違う葉っぱを入れる。 これだけでかなり美味しくなると思うのです。 柔らかい葉っぱ、少しパリパリした物、味の主張のあるルコラ、苦味のあるラディッキオ。 これらを幾つか組み合わせて入れると、グンと美味しくなります。
それプラス冷蔵庫にある物、人参でもチーズでもハムでも勿論トマトやインゲン、コーンやツナ缶。
葉っぱ数種類、トマト、ネギ。 ルコラとラディッキオの組み合わせ、好き。
これはごく最近の物。 旬の空豆入り。 よく見えないけどアンチョビとチーズも入っています。 黒オリーブが欲しいところでしたが、冷蔵庫になかった。
これもシンプルな物にマッシュルームを加えた物。 しつこいけれどレタス1種類でこれを作ると、かなり単調でつまらないサラダになってしまいます。
割と定番的に作る、トマトと人参とマッシュルーム入り。 冬場はトマトを買わないので、今からのシーズンよく食卓に上がる一品。
趣向を変えて、ギリシャ風。 きゅうりとトマトとフェタチーズ。 日本のような美味しいきゅうりを入手するのが難しく、美味しい物をゲット出来た時にしか作れないんですが。
これは夏の一品料理となるサラダで、チキン入り。 これにチーズがあれば立派な夕食になってしまうイタリア。
まぁこれらは一部なんですが、セロリやクルトンを加えたり、色々なサラダを脇役ではなく楽しんでいます、たとえそれが付け合わせでも。
冬場はクルミや松の実を加えるサラダもよく作ります。 どうしてこっちの方達、そういうサラダを作らないのかしら？ たまにはいますよ、少し工夫した物を作る人も。 でも一般的にサラダは本当にお粗末・・・。
あとね、ドレッシングで味を変えるということがないですから、更につまらない物になってしまうのでしょう。 イタリアではサラダは塩、レモンかビネガー、そしてオリーブオイルで味付けします。 好みでコショウ。
ミントやオレガノ、ヨーグルトなどを加えるだけで、かなりバリエーションが楽しめるんですけどね、そういうことはまずしない（笑）。
皆んなに私のサラダは美味しいと褒められるのですが、誰にでもできる事だと思ってます。 ただ彼らにとってサラダの立ち位置は、それほど重要でないのかもしれませんね。
味を楽しむというよりは「口をさっぱりさせる」という存在。 実際肉料理を食べたあと「口を綺麗にする為にサラダをどうぞ」という言い方をしますから。
ホムパの時にはせっせと美味しいサラダを作ります。 我が家の野菜の消費量、凄いですよ。