人生は宝物探し
人はなんのために生まれてきたのだろう。
そんな素朴な疑問を抱えながら、今日も仕事へ向かう足取りは重い。
生活をするためにあくせく働く毎日。
子供の頃、無邪気に聞いていた「たい焼きくん」の意味が身に沁みる。
もちろんそれなりにやりがいもある。
一緒に働いている人たちはいい人たちだし、食べたいものを食べられるんだから贅沢をいっちゃいけない。
「働かざるもの食うべからず」
そう呟いていた祖母を思い出す。
しっかりと働いて、謙虚に生きることが美徳とされている。
多くを望まず、傲慢にならず。
ただ、子供の頃から規則に縛られ、世間体を気にし、他の人が求める自分を演じ続ける生き方に疑問を抱くのはいけないことなのか。
反抗期と呼ばれる時代がある。
疑問だらけの世の中に素直な気持ちをぶつける時期。
苦しさと悔しさと疑いと諦めと。
このまま生きていてなんの意味があるのだろうか。
自分を表現することを疎ましがられ、時には罰せられ、何も言わなくなる自分を育てる。
私はどれだけ強い力で自分をねじ伏せただろう。
自分の中で何も悪くないはずなのに、なぜが逆風や壁にぶち当たる。
自分の気持ちをなかったことにするためにたくさんの時間と労力を費やしてきた。
世間一般で言う「幸せ」は私にとってなんの価値もない。
それでも麻痺してしまった自分に慣れてしまい、もう何十年もただ生活するために生きてきた。
でもね、心の奥底で違う何かはずっと燻っていたんだよ。
情熱的に生きること。
自分がなぜ今ここにこの肉体で生きているのか、その疑問への答えを探すこと。
私は今生きている。
生きているんだよ。
本当の幸せ、自分としての生き方。
人生って宝物探しなんじゃないかな。
一冊の冒険物語を生きているの。
長い航海をして今やっと宝の島を見つけたんだ。
きっとここからの道のりは今までと違って険しいものになるかもしれない。
でもね、そこにはロマンがあるんだよ。
その島にはいろんな木や花が咲いていて、見知らぬ動物たちやヘンテコな人たちとの出会いもあって、めちゃくちゃ楽しいの。
辛いことでさえもドラマチックに駆け抜ける、宝探しの旅。
私はやっと、その島を見つけることが出来たから。
あとは火山の麓の洞穴まで行って宝箱を開けるまでの道のりを楽しむ。
やっと、なんのために生きていたかを知ることが出来た。
今までの長い長い航海は、延々と続く海を見ているだけな気もしたけれど、本当は宝の島を探していたんだね。
そう、人生は宝物を探すための冒険物語。
そして、宝物は「自分」なんだよ。
自分を見つけるための物語。
求めているものは自分の中にあったんだね。