No11. ネガティブ・ケイパビリティ(不確実さに耐える能力)は鍛えられる?
ネガティブ・ケイパビリティ(不確実さに耐える力)
連続投稿10日で、ほんのりと、書くことの楽しさが見えてきました。それは、書くにあたって自分の興味や情熱を確認したり、考えをまとめたり、調べることで新たな見方や情報に触れられること。書くことの楽しさを知っている方にとっては、「それはまだほんの入り口だよ」となりそうですが。
さて、今日は、ネガティブ・ケイパビリティについて書いてみたくなりました。ネガティブケイ・パビリティ(Negative capability)とは「19世紀、英国の詩人ジョン・キーツが不確実なものや未解決のものを受容する能力として初めて使用した言葉で、その約160年後に英国の精神科医ウィルフレッド・R・ビオンが見出して、世界に広めた概念です。
Wikipediaによるとキーツは1817年の弟宛ての書簡の中で、
とあります。
VUCAと言われるこの不確かな時代に何やら気になる能力ですね。そして、これは間違いなく心の知性、EQ(エモーショナル・インテリジェンス)のひとつと私はとらえています。ということは、鍛えられる!
本日の「ビジネスリーダー×EQの4つの能力」シリーズ、テーマはネガティブ・ケイパビリティ(不確実さに耐える力)です!
あなたなら? 目先の解決 vs. 本質的な解決
あなたはどちらかといえば、どちらの反応をしがちですか?
A: 「みなさんの焦りもよく伝わってきます。では何か仮の対策をとりあえず実行し、走りながら後から修正しましょう!」
B: 「一見すると簡単な解決策があるように見えるけど、ここで焦らずに、少し時間をとって、一度これまでの経験や思い込みをリセットし、真の解決策を見つけましょう」
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これ、以前働いていた環境では、よく聞くフレーズでした。短期的な成果が求められる環境では、完璧な解決策よりも素早くできる解決策を重要視するのはとても自然なことです。ただ、いつもこのアプローチだけを繰り返し、うまくいっていないとしたら、このリーダーはEQが未開発かもしれません。例えば、
自分の行動パターンの認識が低い(「自己認識」)
自分自身の不安にもうまく向き合えていない(「自己管理」)
他者の不安に共感しすぎて自分を見失っている(「社会的認識」「人間関係管理」)
ことがうかがえます。急いで解決策を出した結果、問題の本質が見落とされて誤ったアクションになることは言うまでもありませんが、メンバーのエンゲージメントやウェルビーイングという点で、「とりあえず」の表面的な対応を繰り返すような仕事に対して意義を見出しにくく、徐々に活力を失っていきそうです。
一方、この例では、
否定的な感情とともにいるが飲み込まれていない(「自己認識」「自己管理」):不確実さに対するプレッシャーを感じつつも、その感情を冷静にコントロールし、今は答えを急ぐべきではないと判断しています。
他者の感情に配慮しつつ適切な対応を選ぶ(「社会的認識」「人間関係管理」):他者の焦りや不安を受け止めながらも、自分の冷静さを維持し、具体的に方向性を示すことでチーム全体に安心感を与えています。
不確実な中でも答えを出して前に進む力、『ポジティブ・ケイパビリティ』と、不確実な中で、その居心地の悪さに耐え、時間をかけても本質的な問題解決に向かうための能力『ネガティブ・ケイパビリティ』とを、うまく使い分けていきたいですね。様々な困難があるのが自然。自分自身のEQを高めることで、困難な中でもしあわせに成果を出していきましょう。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
(つぶやき:この記事を書くのに要した時間は1時間10分。10分くらいで書けるようになりたいなぁ)
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