知る・知ろうとする態度 #BLM
私が好きな音楽がある。好きになるには理由はいらない、でも…
Black lives matter。
黒人差別の問題が、日本で暮らす私の生活にどう関係するのかを、ずっと考えていた。
私はずっとブラックミュージックが好きで、聴き続けている。
Janet Jacksonの大ファンで、しばらく来日の予定がなかった2010年代は、ライブを聞きたいがために台湾やハワイへも行った。
じゃあなぜブラックミュージックが好きなのか。
単にそれは「好き」だから。好きだと感じることには理由はいらない。
…と、思っていた、今まで。
だけど、好きになるには理由はいらないが、好きでい続けるには理由を考える必要があるのだ。
BLMについてのトークセッション
先日、「Black Lives Matterについてトークセッション 今何ができるか? 何をすべきか?」というZoomでのディスカッションを視聴した。
スピーカーは、Ceboさん、Shinobuさん、Terryさん、Hiroさん。
このときに共有されたスライドは、インスタグラムで公開されている。
(Shinobuさん、リンクの許可をありがとうございます)
ここに書かれている「文化の盗用」について、私が知っていることは半分以下だった。
髪型、ファッション、音楽、ダンス、ことば、「文化」には、すべて背景がある。それは奴隷としてアメリカに連れてこられたことに、すべてのルーツがある。
そうした彼らの文化を、白人のアメリカ人たちは搾取した。
「ブラックカルチャーは野蛮だといって迫害していたにもかかわらず、商売道具として利用すること」これがカルチャーの盗用。
さらに、そうした白人たちの名は、ストリート、学校、店に、名誉なものとして冠されている。
ディスカッションの中では、アメリカ憲法13条の問題について語られ、BLMを支援するときに気をつけることなど、たくさんの情報がシェアされた。
Black lives matterがなぜAll lives matterと言い換えられないのか、について少しだけど私は学ぶことができたと思う。
文化は、「モノ」じゃない
このトークの中で、Terryさんが言っていたことが、とても大切だった。
Find out who we are,more than what we do.
私たちが何をしているのかよりも、そのバックグラウンドを含めて、どういう人たちなのかを知ってくれ。
意訳がむずかしい。
たとえ話がわかりやすかった。
「たとえば、シャンプーを買う時に、どう選んでいる? 普通は、CMのイメージとか、広告に書いてあることだけを見て買うよね。原料のひとつひとつまで見て買う? その原料のひとつひとつがどう作られているのかまで調べて買う? あんまりしないんじゃないかな。
それと同じことを、私たちはされ続けてきた。
ただダンスかっこいい、音楽クール、それだけ? ただの『モノ』なの?」
ブラックミュージックが好き、というならば、このBLMについて黙っているのは違うだろう、とずっと思ってきた。でもどう考えたらいいのか、わからなかった。言う権利もないと思っていた。
でも、知れば知るほど、わかってくる。ブラックミュージックが好きだからこその悔しい思いが湧いてくる。
全面的に、深層部分までわかるわけではない。でも、少なくとも、文化を搾取された痛みを一部でも感じることができる。
私はこれからもブラックミュージックが好きだと言えるだろうか。言う資格があるだろうか。聴く資格があるだろうか。
好きなら、その背景まで思いを寄せるべきだ。なぜかっこいいと感じるのかを考えてみる、調べてみる。知ろうとする。
今、できることの1歩目
知ろうとするときに障壁となるのは言葉。英語を理解しないと知ることができないことがたくさんある。でも、今は翻訳アプリだってたくさんあるし、その精度も上がっている。
実際に必要なのは、知ろうとする態度。それが、日本に生まれ育って、ブラックミュージックが好きでい続ける私にできること。
デモに参加することも、お金を寄付することもいいけれど、その前に。それと同時に。
ディスカッションの中でTerryさんは、私たち日本人に向けて、してほしいことをこう掲げてくれた。
Listen,Learn,Respect,Teach.
聴く、学ぶ、尊重する、広める。
どこまで届くのかわからないけれど、私は「知る・知ろうとする態度をとる」ということについて、書いておくのが一歩目だと、思ったのだった。
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