本棚を処分するにあたり。
最初の事務所を借りた時に買った本棚を処分することになった。
2015年の夏から、約5年。
身長150㎝、身幅88㎝、焦げ茶色のダイナマイトボディに、はじめは2/3くらいしか本が埋まっていなかった。それがあっという間に満杯になり、何度も何度も本を厳選して、読まなくなった本・どこかでまた手に入ると思った本をブックオフし…。
3年前に、次の事務所に移ったときはもちろん躊躇なく一緒に引っ越した。
けど、今年の春、自宅に仕事場を戻すときには、ちょっと迷った。すぐには部屋の整理がしきれないので、とりあえずは廊下に置いた。おかげでトイレの扉は全開にできなくなった。
ようやく、全ての本を、新たな仕事部屋になった元・息子の部屋の本棚に移行できた。というわけで、5年間よく働いてくれた本棚を処分することになった。
固定棚がないために歪んでしまう構造
いきなりリサイクルショップに連れて行っても、買い取ってもらえなかったら困るので、査定しに来てもらうことにした。
日曜日の昼、本棚を見に来てくれたリサイクルショップのおにいちゃんは、一目見るなり枠をゆすって、「ああ、これは難しいですね…」と言った。
けっこうきれいに使ってきたつもりだったし、朝、しっかり雑巾で2度拭きしてあげた本棚は、目立った傷もなくきれいに見えた。でも、寄る年波には勝てなかった、ということか…。
「何回か、引っ越ししていますよね。動かすたびに、こう歪んできてしまうんです。これ、全部可動棚でしょ? そうすると余計に枠組みがゆるみやすいんですよ。ほら、ぐらぐらでしょ?」
そういうことなのか。ねじを締めても、このぐらぐらになってしまった枠組みは、戻らないのだそうで、それは売り物にはならないということ。
もったいないから計算してみた
枠組みが歪んでしまった本棚を、誰かに譲るのも気が引けるし、とにかくもう処分するしかない、ということがわかった。だけど、まだ見た目はきれいなのでもったいない…。
そこでちょっと考えてみた。
よく覚えていないけれど、たしか、値段は1万円台の前半くらいだった。仮に1万2500円だったとする。5年使ったので、年間使用料は2500円という計算になる。月額にして200円ちょっと。クラウドのストレージで100GB分くらいのお値段か…。
十分かな。物としての私の中の発酵はしていなかったけれど、それでも十分だ、と思えた。よく使ったね。ほんと、ありがとう。
というわけで、粗大ごみを申し込む。ステイホームにみんな断捨離していたからか、とにかく混んでいて、指定日はジャスト1カ月先。
もし、それまでに、なにか有効活用できる手立てを発見できたらキャンセルしよう。
空っぽになった本棚さんは、あともう1カ月、我が家の廊下に鎮座し続けることになった。