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髪型はお任せ

「小顔で綺麗に見える感じでお願いします」
美容師さんへのオーダーの決まり文句です。
細かいこと(色とかカットとか)はプロである美容師さんに全部任せてます。
「あなたの技術期待してますよ!」と言わんばかりの無茶苦茶なオーダーです。

顔馴染みの美容院でも、初めましての美容院でもオーダーは一緒です。
「初対面なのにこんなにさせてもらえるの嬉しいです!」
美容師さんも嬉しければ、私も嬉しい。
ある意味、実験体とも言えるかもしれません。


これが決まり文句になったのには理由があります。
それは、20歳の成人式の時。
当時の私は細かなオーダーをするタイプの人間でした。
雑誌で切り抜いた写真を持っていき、
「前髪はこんな感じで、後はこの写真の感じで…」
など全てを伝えてました。

美容師さんはプロですから、私のどんなオーダーも叶えてくださいます。
ご満悦な私。
それを青ざめて見返すことがあるなんて知らなかった20歳。

親が大金叩いてくれた成人式の写真は、それはもう見るも無惨な私だったのです。
当時のおしゃれの基準だった髪型やメイクをした私。
ノリノリな私。
THE平成。
それはそれは黒歴史と呼ぶにふさわしい姿だったのです。

母は懐かしそうに写真を見ますが、私は目も当てられません。
夫にも見られたくないと思うほど。
そんな経緯があったので、10年後でも見ることができる髪型を希望することになりました。


と言いつつも、多少は流行りはありますよね。
前髪の厚さとか、髪色の明るさとか。
そうゆうものは、美容師さんの塩梅に丸っとお任せです。
ある程度今っぽく、でも小顔でヨロシク!なのです。

今のところそれで困ったことはほぼありません。
ほぼ、と言ったのは過去に一度だけ困ったことがあったからです。
(あったんかい)

岐阜に住んでいた10年前。
名古屋にはまだギャル文化が強く残っており、よく分からないままギャル男のお店に行ってしまいました。
上記の通り髪をお任せしたら、とんでもない髪型に。
ギャルじゃない私には全然似合っておらず、ドラゴンボールのチャオズに似てると笑われました。。。

お任せにするならお店選びは超超重要です。


プロにお任せするのはメイク用品選びもお願いします。
「透明感ある感じでヨロシク!」
これで困ったことはありません。
提案していただいても、買う買わないの主導権はこちらが握ってますから。
髪と違って勝手にされちゃうことがないんですね。


割とこんな感じで生きているので、もう流されるままなのです。
「転勤ですかー?それ行った方がいいですよねぇ?」
「おしゃれですかー?それ私に似合いますかねぇ?」
「美味しいんですかー?では今度行ってみましょうか?」
全てノリです。


こんなふうにフラフラしてても案外楽しいですよ。
新しい出会いもあるし、知らないこともどんどん挑戦できます。
おもろそう。
行ってみたい。
ドキドキ。
髪型のオーダーに限らず、私の人生そのものがそんな感じでした。


”流れに身を任せる”
友人に言われてハッとしました。
きっと私の言動そのものを言われたような気がしたからです。

私は鮭の産卵みたく逆流して頑張るタイプじゃない。
上流から下流へと水が流れるように、そよそよと流れていきたい。
途中の景色や、魚を見て、世界を楽しみたい。
行き着く先は大きな海なのでしょうか。
もしくは、全然知らない無人島かもしれない。

でもその先は、なんでもええやん。
そこがどこでも道中がもうすでに楽しいのです。


私は10年後に今の自分を直視できるのか。
そして、たどり着く先で満足しているのか。
…ちょっと分かりませんが、とりあえず明日もそよそよと流れに身を任せようと思っています。

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