59才、カフェ開業します

私が、カフェを開業したいと思ったのは、いつ頃だったでしょうか‥‥

高校を卒業して、青森から上京して、40年‥
本当にあっという間でした。
何かになりたいとか、確かな目標や夢があったわけでもなく、東京での暮らしに憧れて、必死に理由を探していた。
名の知れた大学へ入れるほどの学力もなく、得意なこともない。強いて言えば、小さい頃から続けていた電子オルガン演奏。
もう、ここにしがみつくしかなかった。
親の寛大な理解で、東京の音楽学校へ進学。
卒業後は、フリーで音楽教室講師。
それでもバブル真っ只中だったので、なぜか1人で暮らして食べて来れた。

そして、プロミュージシャンとして駆け出しだった、ギタリスト高田二郎と出会い、結婚。
2人の子どもにも恵まれ、自宅で音楽教室をしながらの30代後半。
何かやったことのない仕事をしてみたい。
パン屋さんとか〜、ケーキ屋さんとか〜、そんな幼稚園の子どものようなことを言って気軽に始めたベーカリーカフェでのパート勤めでした。

ベーカリーカフェ勤務の頃

飲食店で働くのは生まれ初めてで「いらっしゃいませ」をなかなか言えなかったことを思い出す。コックコートの制服を着せてもらい、気分だけはプロでした笑
ここから、20年勤めることになるのですが、ここで学んだ仕事と、出会った方々が、私の人生を大きく変えてくれました。接客も、お料理を作ることも私にとって、やりがいのある仕事となっていったのです。

勤務期間中、夫がすい臓がんをわずらい、闘病生活の後、他界するという辛く悲しい経験がありました。

夫 高田二郎

私が55歳の時でした。
これからどうやって生きて行ったらよいのか、何も見えなくなってしまいました。
何かを始めるには遅すぎる。何かを諦めるには、若すぎる‥
自分の年齢は、そんな中途半端な年齢に感じていました。
そして、夫が亡くなった翌年、自分が乳がんに。
夫の病気とは、比べものにならないくらい軽いものでしたが、自分自身の人生を考えるきっかけとなりました。
今の自分の年齢だからこそできること。
いろんな経験を重ねたからできること。
フツフツと湧き上がる思いは、どんどん膨れ上がり、抑えることはできなかった。

家族の病気、自分の病気から、食の大切さを知り、学びを得ました。
自分の作る料理を美味しいと言ってもらえる喜びを知りました。
自分にも何かができるんだというパワーを感じました。

たくさんの方々に心配して頂き、たくさんの忠告を受けました。
それでも、この難題にチャレンジしたい気持ちは消えませんでした。
決して甘い夢を抱いて始めることではなく、私が使命を持って生きていくための挑戦です。

以前、気軽に見てもらった占いで「あなたの人生のスタートは59歳です」と言われた。
そんな遅いスタートあるのか⁉︎と笑っていましたが、今まさにその歳。
そして、夫が亡くなった歳。
私は、これから、彼が生きられなかった分も、彼と一緒にこれからの未来を生きていきます。
59歳、希望に満ちたスタートです。

学びを得た糀を使ったお料理と、美味しいお茶とスイーツで、元気に笑顔になって頂きます。
どうぞ、Cafe香乃やをよろしくお願い致します。心よりお待ちしています。


用賀 8月オープン予定

Instagram : https://instagram.com/cafe_kanoya?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA==

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