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本棚紹介!
今週本棚の画像を投稿しました。
本棚!#積読#読書好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/h0dXrYpbYL
— 浅間香織 Kaori Asama (@KaoriAsama) January 28, 2025
右の方の本とか見え辛いですね。
ここにある本は基本的に、今から数年は読まないけど、老衰する前には読み切りたいなあという積読本です。
ということで左の本から順番にコメントしていきます。うろ覚えなので真偽のほどは皆さまでお確かめください。
書誌情報とかは省略いたします。
①ヴァルター・ベンヤミン『パサージュ論』
左の白い五冊。
百貨店とかマルクスとか写真、人形、セーヌ川、遊歩者など、色々なテーマで19世紀パリについて記述しようとした本。
初めて読んだ時はギョッとしました。30-40種類のテーマが並んでいて、各テーマについて断片的に文章が並んでいます。それぞれの文章は、……つながってたり、つながってなかったりします。それもそのはず、作者が完成せずに終わった作品のメモ書き集のようなものなのです。
引用文であったり、どういう文脈に置くのか想像もつかない下書き文書であったり。各断片がナンバリングされて整理されています。それぞれの断片を星になぞらえてみると想像してもらえるかもしれません。それを星座につなぐ楽しみが読者に残っています。
思えばこの断片集という形式には少なからず影響を受けました。私が文章の切り抜きなどをするようになったのはこの本の真似が最初だった気がします。だって自分の作品に使えるかもしれませんからね! ……私が今より少しだけ若い時に出会った本でした。切り抜いてくるのは文学であったり科学技術書であったりニュースであったり、気になったら何でもです。あまりそこでは区別していません。
写真では「岩波現代文庫」ですが、つい最近は「岩波文庫」になりました。私が入手した時は既に絶版で、岩波書店でも位置付けが過渡期だったのですね。
②ゴットフリート・ケラー『緑のハインリヒ』
『パサージュ論』の右の四冊。主人公が幼少期から人間として成熟する時期までを段階的に細かに書いた、いわゆる教養(ビルドゥング)小説というやつです。教養というと、なんだか偉そうな知識みたいな印象が蔓延してますが、教養小説の「教養」とは、知識というよりは「理想的な自己形成」みたいな観念です。今でも自己啓発書みたいな、「よりよい人生指南本」って流布するじゃないですか。あるいは芸能人の生い立ち語りみたいな。あれが芸術的な物語、フィクションになってるような感じでしょうか。
我ながらあまりに「教養人」に怒られそうな雑過ぎる説明。まあこの記事は本棚の本を知らない人向けの殴り書きなので、「教養人」が読むことは想定していません。
古本屋でまとめ買いしました。確か絶版です。これは二巻まで読みました。主人公はまだ小学生くらいの年齢だった気がします。
③ゴットフリート・ケラー『ゼルトヴィラの人々』
②の右の黄色い本。ドイツ語の本ですが、タイトルを調べるのが面倒なので和訳タイトルで。ゼルトヴィラというスイスの架空の土地を舞台とした短い物語を束ねた作品です。ニーチェが良作と認めていたはず。どのくらい読んだか記憶が定かではありませんが、たぶん穏やかなプロットの物語なんですよ。19世紀のドイツ語圏の小説なのでたぶん。これは人から譲り受けました。
④『ケラー作品集』
真ん中の背が高い二冊。内容は『ゼルトヴィラの人々』です。なんかこの二冊だけ棚に丁度よく収まって、文庫じゃなくて浮いてるのよくないですか。これも絶版だったと思います。ネットの古本で買いました。
⑤テオドール・シュトルム『大学時代・広場のほとり』
『ケラー作品集』の右にある細い文庫本です。いや写真じゃ読めない。これも短編集です。
どのくらい読んだか記憶が定かではありませんが、たぶん穏やかなプロットの物語なんですよ。19世紀のドイツ語圏の小説なのでたぶん。
③の文章丸写し。
これは……大学の本屋で買った気が一瞬しますが、神保町の古本屋(の屋外ワゴンだったような、店内だったような気が一瞬するような)……で買った気がします。いや何も覚えてない。
⑥テオドール・フォンターネ『エフィ・ブリースト』
その隣の黄色い本。いいとこの若い娘が、結婚して病んで亡くなる物語。19世紀から20世紀への橋渡し的は位置にある小説です。上述したケラーとかシュトルムとかの、穏やかーな雰囲気が香りつつ、でも若い娘が病死するという、ちょっと暗い感じが、20世紀という暗黒に突入していくドイツを想起させます。
古い日本語訳で『罪なき罪』という二巻本が岩波書店から出てますが、『罪なき罪』とは結構タイトルバレな訳な気がします。若い娘の病死は、明言はされてないものの、無垢で世間知らずな小娘が不用心に結婚して都市のベルリンに行くことから始まっていくからです。……確かそう(うろ覚え)。
この本は私と先輩の二人しか出てないゼミで、恩師の先生と三人で一年間読んだ本です。まあ私が足引っ張り過ぎて全然読み進まなかったのですが、代わりに映画と上の日本語訳とで補完しました。
この本棚にある本自体は買えます。ドイツ語ですが………インターネットでなら。日本語訳は絶版です!
⑦ドストエフスキー『地下室の手記』
ついに日本語で絶版でない本! ただ読んだか覚えてません。一部分だけは読んだ気がします。不思議なもので、ここまで紹介した本の中で入手したのは一番最近なのですが、それこそ入手経緯が記憶にありません。買ったのはいつもの本屋だと思いますけれど。
『カラマーゾフの姪』の資料として積みましたが、あまり必要ではなくなってしまったのでした。
⑧アレクサンドル・ソルジェニーツィン『イワン・デニーソヴィチの一日』
読書アカ……ではない人でしたが、文芸に理解のある企業家の方が推していたので忘れないうちにと積んだ一冊。この本棚の中で一番新しい、20世紀後半に描かれた作品ですね。ちょっと読むのに怖気づいてて読まないまま積んでしまいました。あらすじとかはお調べください。
これは流石に売ってるはず。
⑨ジョゼフ・コンラッド『西欧人の眼に』
珍しく全部読んでる二巻本。
語り手はイギリス人だったでしょうか。「西欧人」として、物語当時のロシアの政変に振り回されている青年ラズーモフを書く物語です。
作者のコンラッドは特殊な生い立ちです。この作品の原文は英語で、イギリスで書かれたものだったと思いますが……コンラッド自身はロシア語圏に生まれて、確か若い時にフランスで船乗りになり、それからイギリスの船乗りになり……と結構な国の渡り歩き、言語の渡り歩きをしています。イギリスに定住したからって母語でない言葉で長編小説書けるものなのでしょうかね。というか船乗りって逞しすぎるな。
……元船乗りなので、コンラッドさんは海洋小説や冒険小説も書いてて、当時はそっちの方が売れてたみたいです。が、『西欧人の眼に』はリアリズム系の社会小説です。……ただまあこの翻訳も絶版だったかなあ……汗
⑩ギュスターヴ・フロベール『感情教育』
これも二巻本。神保町……というよりは歩いてすぐの新御茶ノ水の広場で古本市が開かれてて、そこでセットで売ってて買いました。
私の尊敬する作家が推してたので、安かったので衝動買いして積読しました。
……作家は誰やねんとか読めよとか色々な声が聞こえてきます。聞かザル聞かザル。
これは光文社から新訳が出てますね。
普段読まない本と出会いたい方にはこれをお勧めします。
⑪アウグスティヌス『告白』
最後にして最古の作品です! そしてこれは絶版じゃないです!
正確な時代は忘れてますが、一桁世紀の聖人アウグスティヌスが自伝的に自らを告白する作品です。個人的に下巻の解説が本当にすごいです。
確か「自伝」と呼べるような散文では最古のものと位置づけられていた気がします。上巻とかは自分の懺悔とかが目立ちますが、下巻とかになると宇宙規模で神様を讃えていきます。……といった内容だった気がします。有識者さん怒らないでください~~~
雑な積読紹介記事でした。これくらいテキトウじゃないと毎週書いてられません。
(たぶんですが)現在も売ってるのは①⑦⑧⑩⑪です。
みなさまの積読ライフ読書に貢献出来たら幸いです。
おしまい!