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やさしく語りかけて【感想文の日⑮】

こんばんは。折星かおりです。

第15回目となる本日、感想を書かせてくださったのは吉村伊織さんです。

普段はカウンセラーとして地域の子育て支援やコンサルティングなどのお仕事をされている吉村さん。記事のテーマはカウンセリングからご家族のことまで様々ですが、どの記事もやさしい語り口が印象的です。特にこどもたちへ向けての記事は、目線を合わせて話しかけられているようで、とても心地よくなりました。改めて、ご応募いただきありがとうございます!

それでは、ご紹介いたします。

■人の心はどこまでわかるか

「人の心を読み取ることができるんでしょ?」。自己紹介をするときに「カウンセラーです」と伝えると、そんな言葉をかけられることがあるという吉村さん。そのときには「人の心は、わかりません」と確信を持って答えているそうです。その根っこにあるのは「絶対にズレてはいけない」と吉村さんが今も大切にしている、ある教えでした。

まずは吉村さんのお仕事である「カウンセラー」に関するこちらの記事から。読み進めながら私も「カウンセラーは人の心が読み取れる」と思っていたひとりだなぁと反省しました。よくよく考えれば心は「読み取れる」ものではないことなんて、とうの昔に気づいているはずなのに。

そして、記事の中で紹介される、河合隼雄先生(日本のカウンセリング・心理療法の草分け的存在)の言葉が印象的です。

「人の心は分かりません。分からないから、聴かせてもらうんです。分かりたいから。」

分からないから、分かりたい。だから聴かせてほしい。自分が相談する側だったとしたら、これほどに心強く寄り添ってもらえる言葉があるだろうか、と想像します。カウンセリングが仕事ではなくても、私もこんな姿勢で毎日過ごしたい、と気が引き締まる思いでした。

■天空の教室

6年生最後の社会の授業が、不思議な「特別授業」になる小学校に通っている"僕"。その授業の内容は、歴史上の人物に直接会いに行って話が出来る、というものでした。日頃、強くなりたいのになかなか変わることが出来ず、やりきれない気持ちを抱えている”僕”が選んだのは織田信長で……。

今回読ませていただいた中で、個人的に一番ぐっときた記事でした。前半で描かれる信長の力強いセリフと『天空の教室』というタイトルの抜けたようなイメージがマッチしていて素敵です。

「強くなりたいなら、遠くを見るんじゃ。高いところから、ずっと遠くまで。」
「この国は、ちっぽけな島国らしい。海の向こうに、まだまだとてつもなく広い世界があるというのだ。わしは見たい。この足で歩きたい。そこに住む人間と話がしたい。ちまちまと立ち止まっとる暇なぞない。」

さっと吹く風、抜けるような青空。いきいきとしたセリフに、ふたりが語り合う天守でのシーンが浮かぶようです。こちらの記事は"僕"目線ですが、信長目線の『天空の教室(信長編)』もあります。どちらも、読後感の爽やかなショートショートです。

■反応の違いに、子どものおもしろさを感じた

子育てをしているとぶつかる「同じように育てたつもりなのに……」という気持ち。吉村さんの3人の息子さんも、関わり方を変えたつもりはないのに3人とも全く違う性格だといいます。バレンタインに奥さまがチロルチョコを渡したときも、3人は違う反応を見せたそう。その違いがコミカルに、そして愛情たっぷりに綴られたnoteです。

読んでいると伝わってくる溢れるような幸せに、ふふ、と頬が緩んでしまいました。三者三様、でもどの様子もとっても可愛らしくて、幸せのおすそ分けをいただいたような気持ちです。「分析好きの科学者タイプ」はうちにもいるな……とか、どのタイプがモテるかな?とか、とても楽しく拝読しました。

私はまだ子育ての経験がないけれど、こんな記事に出会うといつもわくわくします。胸がきゅんとするような愛おしさ、お腹を抱えて笑ってしまうような面白さ。大変なことがあるのはもちろん承知しているけれど、「子育て」の中にあるまだ経験したことのないそんな気持ちを、いつか私も知ることができるといいな、と思います。

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