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🌱子どもの睡眠調査が行われます

少し前になりますが、X でお繋がりのある方の post で知ったお話です。

子供睡眠検診プロジェクト


子どもの健やかな睡眠を知り育み・護ることを目的とした「子ども睡眠健診プロジェクト」というものがあります。


理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター合成生物学研究チームの上田 泰己 チームリーダー(東京大学大学院 医学系研究科 機能生物学専攻システムズ薬理学教室 教授)らによる取り組みです。

全国の学校の子ども(小中高生)を対象とし、腕時計型のデバイスを用いて子供たちの睡眠の質や量などを把握するそうです。

現代の子どもの睡眠の実態把握を進めるとともに、子どもや保護者に対する睡眠に関する知識の提供と、学校現場への技術的・教育的支援を提供することにより、子どもの生活習慣の改善や健やかな発育・発達につなげることを目指しています。

プロジェクトの目的(HPより抜粋)

これらの取り組みは 2022 年からスタートしており、すでにわかってきたことがあります。

全ての年代において、おおむね半分以上の子どもたちが「健康づくりのための睡眠ガイド2023」[3]における推奨睡眠時間を満たさず、平日に睡眠不足が蓄積し、休日に睡眠補填(ほてん)が見られました。また、学年が上がるにつれて平日と休日の起床時刻に大きな乖離(かいり)が生じ、一定数の子どもたちが「社会的時差ぼけ[4]」と呼ばれる状態にあることが分かってきました。なお、睡眠の質[5]は学年によらずおおむね良好であるものの、中には注意を要する子どもの存在もデータから見えてきました。

HPより抜粋

生活様式が変わるとともに、子供たちの環境も大きく変化しています。
推奨睡眠時間を満たすことができない子供たちが多く、中には睡眠の質が気になるレベルの子供も見受けられたとのこと。

社会全体の問題として子供たちの睡眠問題が着目されるということは、子供たちの成長にとっても良い効果をもたらすと思います。


起立性調節障害の大規模調査


今回私が着目したのは、この取り組みと並行して起立性調節障害の子どもについても睡眠調査が行われるということです。
言うなれば、起立性調節障害患者の大規模睡眠調査です。


専門医の先生がたのコメントにハッとしました。

社会全般が寝不足を軽視している現状を背景に、「多少の寝不足であっても気合と根性があれば朝起きることは可能」との精神論に圧倒されているのが現状ではないかと危惧する。

東京ベイ・浦安市川医療センター
CEO 神山 潤 先生(小児科専門医)

まさにその通りで、起立性調節障害を訴えたとしても
「根性が足りないのだ」
「やる気を出せ!」
で片付けられてしまう背景が我が国には強くあります。
起立性調節障害で朝起きられないという症状は、周知されていません。
是非この取り組みによって、実態の理解が進むことを願います!!

また他のご意見もありました。

(起立性調節障害が自律神経によるものだという前提の上で)
その一方で、昼夜逆転の不登校の子どもに対して、起立試験を連続血圧計(Finometer)や近赤外分光計(脳循環)を使って正確に測定しても全く異常がないケースが数多くあります。すなわちこの場合の昼夜逆転はODが原因ではなく、その背景に神経発達症やいじめが潜んでいることが少なくありません。OD疑い初診患者の約4割に神経発達症が併存という研究報告があります。ODと睡眠の研究には、是非、心身症として心身両面から研究していただき、素晴らしいエビデンスをご発表いただけることを心からお祈り申し上げます。

OD低血圧クリニック田中 院長 田中 英高 先生
(元日本小児心身医学会理事長、前ODガイドラインワーキンググループ委員長)


いじめや神経発達症等の背景がある場合、起立性調節障害に類似した症状、
つまり朝は起きられず、夜に活動をする昼夜逆転現象に繋がる可能性が見られた、ということなのです。

以前私は、起立性調節障害について書いた記事の中で、昼間が辛いと感じた子供が夜に逃げ込むケースがあることをお伝えしました。
実はこの記事、先生がおっしゃっている内容に近い現象ではないかと考えています。

心理的に厳しいものがあれば、起立性調節障害に似た状態になりえます。
起立性なのか心理的なものが先に立っているのか、両者の判別が正しくできないと、病気を見誤ることになります。
適切に診断できるようになれば、それだけ適切な治療を早く受けることができるのです。
今回のように、最先端の技術を用いて研究が進むことに心から期待します。


科学的検証が力になっていく


1回目のキックオフシンポジウムは既に終わってしまいました💦
しかし、受付や調査自体は今からですので是非この機会にご確認いただけたらと思います!!

根性なしで片付けられていた子供たちの苦しみが科学的根拠に基づいて理解されるようになれば、精神論者も声を潜めていくでしょう。

思いやりのある社会で子供を見守っていけたらと願います。


必要な方に届きますように✨


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