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長男1回目 4

休ませるしかない

登校できる日はどんどん減っていった。
そんな状態でもまだ、行けそうな時は行かせなくちゃ!と私は思っていた。

しかしある時、夜に微熱が出た。翌朝はなんとか下がり、登校できそうな雰囲気だったので、連絡帳に「昨夜少し微熱が出ましたので、体育は見学させてください」と書き、登校班に送り出した。
ところが帰宅後、完全に発熱。ぜんそくも併発した。
長男に何気なく様子を聞くと、担任に連絡帳を見せたにも関わらず、体育の見学をさせてもらえなかったことが発覚。
しかも、ここのところは体調が悪くしんどいと訴えても、保健室に行くことすら許可されていなかったのだと言う。

この時点で、以前書いたように長男が担任から目を付けられているという話も少し耳に入っていた。
長男自身が先生の言うことを聞かなかったとして、それで怒られるということならまだ理解できる。しかし本当に体調が悪く、保護者からの連絡帳での依頼すら無視して体育をやらせるという行為は、どう考えても成立しない。連絡帳の意味とは…? 
私はすぐに学校に電話し、担任に説明を求めた。
しかしその回答は、連絡帳を見ていなかっただなんだと、のらりくらり。

「どれだけしんどくても、熱があっても保健室に行かせてもらえない。しかも何を言っても怒られるだけだから、最初から学校には行かない」
あまり話してくれなくなっていた長男が泣いた。

そうか。
今までその辛さを親にも伝えることができないまま、1人で苦しんでいたのだ。なのに家では親に「学校に行け」と怒鳴られる。
行き場のない毎日。うまく話せない自分。誰も味方になってくれない。
安心できる場所はどこにもなく、ゲームに逃げ込むしか術がなかったのだ。どれだけ不安だったのだろう。
私はここまで、大きな勘違いをしていたのかもしれない。

学校を休ませる決断をした。

起立性調節障害

学校を少し休み、先生としばらく離れ、家庭で私が味方になっていれば、そのうち学校に戻れるようになるのでは?と私は考えた。
しかし思いに反して、夏にはチョコレートのように日焼けしながらサッカーをして、友達と大笑いしていた長男が、どんどん弱々しくなっていく。
めまい、頭痛。朝は動くことも難しい。
いつものぜんそくではなく、学校を休んでいても症状は悪化していく。

ちょうどその頃、会社の先輩のお子さんが朝起きられず、夜寝られない『起立性調節障害』という状態であることを知った。
思春期、成長期に起こる自律神経のバランス不良。
長男はピークと言われる年齢にはまだ少し小さいけれど、調べたところ症状はいくつも合致している。

いつもぜんそくを診ていただいている小児科にすぐ相談してみた。
検査できる病院も当時はまだまだ少なかったのだが、ありがたいことに簡易検査はできるとのこと、見事にビンゴ。
重くはないが、確かに辛いだろうということで、そこから投薬が始まった。
「やっと原因がわかった!これでよくなる!」
期待を抱いたが、甘かった。
そう簡単に症状が回復するようなものではなく、薬を飲んではいるがなかなか本調子には戻らなかった。





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