『マイスモールランド』
【あらすじ】
在日クルド人の少女が、在留資格を失ったことをきっかけに自身の居場所に葛藤する姿を描いた社会派ドラマ。クルド人の家族とともに故郷を逃れ、幼い頃から日本で育った17歳のサーリャ。
現在は埼玉県の高校に通い、同世代の日本人と変わらない生活を送っている。
大学進学資金を貯めるためアルバイトを始めた彼女は、東京の高校に通う聡太と出会い、親交を深めていく。
そんなある日、難民申請が不認定となり、一家が在留資格を失ったことでサーリャの日常は一変する。
ひとりの少女が背負うには余りにも過酷な運命で、ヒリヒリと心が痛かったです。
クルド人は『国を持たない世界最大の民族』と言われています。
古くよりイラン・イラク・トルコ等の周辺に民族としての文化を築くものの、国家樹立が出来ず分断を余儀なくされる。
それでも1946年、クルド人民共和国を宣言。
が、弾圧を受け25万人以上が難民となったそうです。
映画の舞台の埼玉には、2000人程のクルド人コミュニティがあり、また日本には1万人以上が住んでいるらしいですが、その中で難民申請を受理されるのは、わずか0.2〜0.4%。
それも2年半、長い人だと10年以上かかるとか。
なんかもう、こんなにも厳しい日本でごめんなさい、って気持ちになります。
確かに日本という国は、ご近所周りにちょっと想像の斜め上行くお国が多いので、諸手を上げてウェルカム💕には出来ないと思うのですが、そろそろ何事においても日本人の気の良い国民性に頼るのではなく、キチンとしたシステムが各方面に必要だと思えてしまいます。
閑話休題。
難民申請が不受理になると、仕事に就くことが出来ずたちまちに生活は困窮。
今の時流柄、ウクライナの方々は受理しやすくなっているらしいのですが、其れでも自国で築き上げたキャリアは言葉さえ通じない国では役に立たず、ましてやこの映画のクルド人達は関心すらも持ってもらえない。
少なくとも私はそうでした。
『クルド人』という響きは知っていたけど、なぜ難民になったのか、そんなことには関心すらも持っていませんでした。
聡太という、主人公サーリャと心を通わせる少年が出てくるのですが、そのお母さんはとても善良でサーリャにも優しく接します。
でも、サーリャのパパが不法就労で入管に収容されていると知ると、聡太には会わないで欲しいと願う。
私が同じ立場なら、ヤッパリそう思っちゃう。
不法就労という言葉だけで、何か悪い事をしてる人って思うぐらいの無知。
なぜそんな事が起こったのか、その原因にまで考えが至りません。
パパは収容され、バイトは不法就労でクビになり、家賃滞納で立退きを示唆され、幼い妹と弟の世話もあり、サーリャはパパ活に手を染めそうになります。
5歳の時に日本に来て今は高校2年生。
日本で暮らしてる方が長いのに、そんなに過酷な運命を背負わせる程、冷たい日本でゴメンね。
実際に入管で拷問の傷も見せて「こんなにされて逃げてきたのに難民じゃないって言うのか」って言ったパパが、死を覚悟で帰国するという理由はたまりませんでした。
「帰れと日本が言う」
死にに帰れと日本が言う、其れでも自分の死が役に立つのなら…
もっとちゃんと身近なこととして、考えなければいけない問題だと思いました。
余談ですが、今回初主演の嵐莉菜さん、パパと妹と弟は実際の彼女の家族が演じてられます。
揃いも揃って自然で素晴らしい演技。
あと、聡太のママの池脇千鶴さん、相変わらずすごい役者さんです💕
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