Alohaの意味を、自分の言葉で説明できるか
Aloha!
有木千恵です。オンラインフラ講座KAULAを運営しています。
わたしは今、Tシャツを作っています。理由は「自分が着たいから」。
シンプルで、着心地がよくて、フラのレッスン着だけでなく、普段使いもできる。そんなTシャツを作って、毎日着たい。
そんな思いから始めたTシャツ作り。Tシャツのボディも、胸元にロゴを入れることも、最初から決めていました。
ボディは、日中も寝るときも着ている「超愛用品」が元々あって、その一択。シンプルな形、やさしい肌触り、控えめで品のある発色、シワにならず乾きやすい扱いやすさ。その良さを、自分の言葉ではっきりと説明できるし、なんなら熱く語れます。
ロゴは2種類。
ひとつは講座名の「Kaula」。Kaulaは「つなぐ」という意味のハワイ語です。フラと受講者さんをつなぐお手伝いをしたい。ハワイとつながる場を提供したい。わたしの役割は「つなぐ」こと。そんな思いを込めています。
もうひとつは「Aloha」。
と書いたところで手が止まりました。
果たして「Aloha」も、TシャツのボディやKaulaと同じように、はっきりと説明できて、熱く語れるのか。
自分に問いました。
答えは。
わからん。
でした。
え、じぶん、この記事の出だしAlohaやん…ですよね。
言い訳になりますが、これが「Alohaとは何か、あなたは分かっていますか?」というYes/Noで答える質問なら、「分かっています」と答えられるんです。
でも、「では、どう分かっているか明確に自分の言葉で語ってください」と言われると、もごもごしてしまう。なんていうか「AlohaはAlohaでしょ」となってしまう。
いかん。
このままだと、Aloha Tシャツを着ている私と会った人に「ねえ、そのAlohaってどんな意味?」と聞かれたときに答えられない(こういうことにかぎって必ず聞かれる)。
私は思いつめやすいので、「こんなわたしに、Alohaの文字をまとう資格なんてない。ましてやTシャツを作るなんて。なら、やめるのが筋では?!」とか、すぐ考えてしまいます。
でも、Aloha Tシャツ、ほしい。ほしいし、気持ちよく着たい。
なので、筋をとおして(誰に?)やめるのではなく、自分の頭と言葉をつかって「Alohaとは?」の問いに答えることにしました。
この記事は、その記録です。
「Aloha」は、数少ないハワイ語の現役選手
分かりきったことですが、Alohaはハワイ語です。
ハワイはアメリカの50番目の州になる前は、王様がいる「国」でした。国民はハワイ語を話していました。
1895年、ハワイ王国さいごの王リリウオカラニが王座を奪われ、国としてのハワイは終わります。以降、公の場でハワイ語を話すことが事実上禁止され、話しているのが見つかると罰を受けるようになります。その影響は家庭にも及び、ハワイ語は話されなくなります。
近年、言語を奪う行為は誤りだったと公式に認められ、ハワイ語は英語とともにハワイ州の公式言語になりました。また、「ハワイアンの歴史と文化の根幹であるハワイ語を復興させよう」という時代の流れから、ハワイ語を話す人は増えているそうです。
ですが、わたしはハワイに行って「ハワイ語で長文の会話」をしている人に会ったことがありません。
フラの勉強の場は別として、それ以外でハワイの人が話すハワイ語を聞いたのって、空港やホテルやABCストアでスタッフのひとから言われる「Aloha!」くらいです。これ、ほとんどの人がそうですよね。つまり「Aloha」は、数少ないハワイ語の現役選手なのです。
Hawaiian Dictionaryでalohaをひいてみる
ハワイ語のことは、ハワイ語の権威が人生をかけて作ったHawaiian Dictionary に聞くのがいちばんです。
alohaを引いてみました。たくさんの英訳が記されています。
DeepLで翻訳しました。
Alohaにはたくさんの意味がある
愛であり、情であり、親切であり。また、愛したり、情けをかけたり、親切にすること。恋人や愛する人も「aloha」。終わりを読めばあいさつにも使われると分かるけど、たんなる「ハロー!」ではない。
挨拶も含めて、すべてが、人が胸に抱く「よき思い」「あたたかい気持ち」と関係しています。
そして、訳の最初に来るのが「Aloha」なのに感動します。私は勝手に「Alohaはひと言では言い表せない。Alohaは、Alohaなんよ」というメッセージだと捉えています。
Alohaには2つの単語が隠れている
Alohaは「alo」と「hā」というふたつの単語に分けることができます。
古代ハワイでは、alo(顔面)とaloを向かい合わせ、鼻先をくっつけてお互いの hā(息)を交わすのが挨拶でした。死ぬと息は止まるので、息は「命」そのもの。古代のハワイアンにとって「挨拶」とは、「命の交流」だったのだと思います。
現代で「これは、オレとおまえの、命の、交流!」みたいに気合いを入れてAlohaを言う人はあまりいないでしょう。でも、「生きていたから縁あって出会えたよね!」みたいな善きスピリットって、誰が言うAlohaからも感じます。Alohaは、軽くても、重くても、浅くても、深くても、あたたかいんです。
ここまでをふまえて、いよいよ本題です。
自分の言葉でAlohaを説明してみる
言葉を正直につないで、やってみます。
【問い】Alohaってどんな意味?
【回答者】有木千恵
Alohaはハワイ語です。
ハワイ語は、ハワイ王国の消滅とともに絶滅の危機に陥りました。今でも、ハワイに行ったときに「ハワイ語で会話する人」には全く出会いません。そんななかで、「Aloha」は、数少ないハワイ語の現役選手です。
Alohaにはたくさんの意味があります。
愛、情、親切。愛したり、情けをかけたり、親切にすること。恋人や愛する人も「aloha」です。挨拶のことばとしても広範囲で使えます。
すべての意味が、人が胸に抱く「よき思い」「あたたかい気持ち」と関係しています。
Alohaには「alo」と「hā」というふたつの単語が隠れています。
alo(顔面)を向かい合わせ hā(息)を交わす「命の交流」が、古代ハワイでの「挨拶」でした。現在、カジュアルに交わされる「Aloha」にも「生きていたから縁あって出会えたよね!」という善きスピリットを感じます。Alohaは、どんなふうに言うときも~軽いときも、重いときも、浅いときも、深いときも~、そこにぬくもりがあります。
すべてのひとに元から備わっている「他者を思いやる気持ち」を、たったひと言で表したのが、Alohaです。受け取ることも、渡すことも、誰もができる無償の贈り物です。
いつも胸にAlohaを
書きながら、あらためて、Alohaってなんていい言葉なんだろうと思いました。そして「Aloha Tシャツ着たいな」と心から思いました。
Aloha Tシャツを着ることは、いつも胸にAlohaをかかげること。
春からは毎日かかげて過ごしたいと思います。
Tシャツはもうすぐ完成します。
そのときは、ぜひ報告させてください。
ではまた!