ママのこと⑦ママがいない年末
クリスマスイブ。今年はやっと楽しみな気持ちになった。
去年までは子供のために準備するのが苦痛だったな。なんか気負ってたと思う。
ママが入院中、学校は冬休みに入っていた。
末娘を幼稚園の預かり保育へ預けてパートへ行き、終わったら娘を連れて病院へ荷物を届けるという感じだった。
パパがいるときはパパに任せた。
面会できないのはとてもさみしいし、不安だった。
看護師さんに様子を聞いたら、食事もできてるし、洗濯も自分でやったりして元気そうですよって言ってた。
姉妹でかわりばんこでテレビ電話したりして、様子を聞いたりした。
最初のうちママは元気そうだった。
ママの入院中にクリスマスがきた。とりあえずすき焼きをして、パパも呼んでみんなで食べた。
それが精一杯だった。
ママがいないクリスマスは一緒に暮らし始めて初めてだ。
そのうち検査結果が出て、抗がん剤を始めるということだった。
副作用とか、どういう感じなのかとか全然わからない。
ラインで調子はどうかとか聞いたけど、大丈夫だよ〜とか返ってくるだけだった。
きっとパパにはいろいろ吐き出してたのかもしれない。
絶対なんともないはずないし。
そのうち食欲があまりないから好きなもの差し入れても良いと言われたようで、ヨーグルトとかリクエストされた。
それも食べれていたのか…
私は眠れなくなってしまって、内科でとりあえずの睡眠薬をもらってなんとか寝るようにしていた。
年末が近づいた頃、一時退院するということになった。抗がん剤1回しかやってないのに?もう退院して大丈夫なの?
今思えば、病院側は少しでも元気があるうちに家族と過ごしたほうが良いという判断だったようだ。
とにかくママは年末に退院することになった。
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